第10話 ミニマリストなの?①
地球外生命体を居候させることになった、新生活初日。
コスモスのいるいない関係なく日曜日は午後まで寝ると決めていた蝶々は、全て家事の終わっているという気分のいい状態で目を覚ます。
はずだったが
「おはようございます。今日のご予定はいかが致しましょう」
まさかの朝七時から起こされるとは。
ワンチャン居候の話とかもめちゃくちゃ長い夢かもとまだ疑っていた蝶々も、目の前で首を傾げるコスモスを見て流石に諦めモードに入る。
ボサボサ頭の眠気まなこの蝶々は、ベッド横に正座で待機するコスモスからの圧に耐え兼ねて、渋々半身を起こす。
本人は特に圧をかけているつもりはないんだろうけど、流石に人に見られている状態で堂々と二度寝するのは気が引けた。
よくよく考えれば、まだコスモスに自室を用意してあげていない。
昨日は私に気を遣ってか、リビングのソファで眠っていたようだけど、このままじゃダメよね。
それに、生活に必要な物を揃えるなら買い物にも行かないといけないわよね。
色々考えていたら目が冴えてきた。蝶々はひとつ伸びをして、コスモスに聞かれていた今日の予定を告げる。
「あなたと出かける。準備するから、その間必要な物とか考えておいて」
「かしこまりました」
まるで執事(ちょっと夢だった)のようであるのは彼のスタイルかもしれないし一旦目を伏せることにして、出かけるための準備をしなくっちゃ。
さて、まずは泣いてしがみついてくる毛布から逃れないと。
まずは買い物。
電車を乗り継いで大きめなショッピングモールへとやって来た。
「何を買う?」
「リストにしてきました」
手渡されたリストには、丁寧な字で買う物が記されていた。
・ハミガキ粉
・歯ブラシ
・本日の蝶々さんの夕食をお作りするのに必要な食材
ん…?。少なくないかしら。
念の為メモ用紙の裏を見てみるけれど、何も書かれていない。
「えっと、これだけ?」
「…?。そうですが」
コスモスは小さな鞄ひとつで乗り込んできたはずだ。服とか寝巻きとか、他にも買う物がある気がする。遠慮は私の許容範囲であればせずに何でも買っていいのよ、と言ってもこれだけですと言い張る。
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