第22話
「こんばんわ、藤沢遼太郎です」
「知らないわ、そんな人。帰ってくださいませんか」
「おーい、藤沢だよ、藤沢! 肉食系吸血鬼の藤沢だよ!」
「帰ってください」
「ほう、そうくるか。ならば強行手段しかあるまい」
藤沢がそう言った後に、乙女の部屋が揺れ、電灯が瞬き、再び明かりが灯されたと同時に、タキシードを着た藤沢が現れる。
「あのー、どうせ勝手に入って来るんですから、最初からそうすれば良いのではないですか?」
「あはははは、藤沢、参上」
顔にはニンニク臭を避けるためにガスマスクを着けてある。
「付き合ってた時、こんなに面倒臭い人だったかしら?」
その時、突然、乙女の後ろで声がする。
「あはははは、ロマン、惨状、ではなくてですね、参上です!」
「あら、こっちも結構面倒臭かったわ」
「では、屋上へ参りますか? 草食系吸血鬼さん?」
「お付き合いさせていただきましょう」
またもや一匹のコウモリと蚊が夜空へ飛翔して行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます