第11話

11


 星が降る夜には

窓を開けて空を見上げてみよう

星の瞬きを見ているうちに

きっと囁きが聞こえてくるだろう

星は願っている

あなたの明日のために

星は歌っている

あなたが今夜ゆっくりと眠れるために


 そろそろ晩御飯の支度をしなければならない。

商店街へ行こうと思うが、何を買って食べようかと思案する。


 その前に、この草食系吸血鬼の服も買ってあげたい。

タキシードでは、この部屋には不似合い過ぎるし、彼も窮屈ではないかと思う。

暖かな日差しも夜には冷え込む、春がゆっくりと近づいて来ている季節。


 よし、と思う。

取り敢えずジーパンとTシャツに簡単な上着か? と思った。


「私、買い物に出かけるわ」


「留守番してます」


 と草食系吸血鬼が答える?

てか、この吸血鬼、居候するつもりか?

なんで、こいつの服まで私が買わなければならない?

あー面倒臭い、考えるのはやめた!

と乙女は思う。

が、いざ街に出て、男物の服を選ぶ乙女は何故かウキウキしている。


 ある程度の服を選ぶと、

しまった、晩御飯代がない。

コンビニ弁当か?

あの野郎、また文句なんか言いやしないか?

知ったことではない。

自分で食べるのだから文句は言わせない。


 そして部屋に戻ると・・・。

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