第6話



 日曜日の朝

張り詰めた神経を休める朝

仕事の疲れを取り去り

この世界で受けた汚れた垢を洗い落としたい

そんな朝


「私の名前は、ロマン・フォン・ヘッセ、と言います」


「そう、私は高野乙女」


「そう、オトメさん」


「いきなりファースト・ネームで呼ぶって失礼ではないですか?」


「御免なさい。私はロマンと呼んでくださってもいいですよ」


「何か、私のペースが乱されているようだわ」


「何か?」


「もういい、オトメでいいわ。それより、どうしてタキシードなの」


「あなたのように長袖Tシャツ一枚の方が良かったですか?」


そう言われて彼女は下着の上に長袖Tシャツ一枚だったことに気づくと

突然大声を出す。


「今すぐ出て行って!」

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