第12話 近代兵器

「図に乗るな聖女シルビー! その可愛い顔を苦痛で歪ませて、ちょっと申し訳ない気持ちになってやる。今から楽しみで仕方ない!」

「頑張りなさい。エタらず更新し続けるの。そうすれば私と読者に届くかも」


 説教するな創作の苦悩も知らずに! やはりライトユーザーの敵! もはや手加減なしだ!


 更に速度を上げ距離を取る。魔法使いか戦士系か、瞬間移動から読み解けば恐らく魔法系。くそ、せめて情報収集ぐらいするんだった。だからライトユーザーはダメなんだ!

 自戒と共に更に距離を取る。


「どこまで逃げるのー」


 聖女シルビアが、遠くから呑気に声を上げていた。

 馬鹿め、近代兵器の威力とくと思い知れ!

 創造と造形の力、我にスナイパーライフルを描かせろ!

 ずしりと重いその感触。日本人ゆえ銃など持ったこともないが、映画で散々見てきた。

 頼むから暴発するなよ!

 銃を構え照準を合わせる。

 聖女の平然とした顔が、アップで確認出来た。月明かりだけなのに凄い高性能。

 しかしなんて決め細やかな肌。女優かお前はこの素肌美人め!


「唸れ俺の愛銃! 奴の頭部を吹き飛ばせ!」


 引き金を引くと同時低く乾いた音が鳴る。どうやら消音装置、サイレンサーまでついていたらしい。つけた記憶ないのに、映画の影響力はさすがハリウッド。


 音速を超えた弾丸は、もうとっくに聖女を貫いたはずだった。だが、聖女は微動だにしていない。

 なぜだ、拳銃に比べライフルは素人でも命中率が高いはず。一体どういうことだ。


「なーんか危ない物が通過したんだけど、それがあなたの力ってわけ」


 やはり遠くから、聖女シルビアの声が届いた。

 スコープで確かめると、頬に傷がついている。血を流しているが、かすり傷だ。

 なんという、ヘッドショットするつもりが、寸前で交わしたというのか?

 お前それプロボクサーだったら反則だからな!

 パンチが当たらなかったら試合にならないだろう!

 どんな反射神経と動体視力だ!

 お前は何階級制覇の何団体統一王者だ!

 ザ・マネーロンダリングか!

 ふざけるな回避能力高過ぎだ!


 ならばと次は対戦車携行ミサイル、通称RPG、グレネードランチャーを作り出す。

 更に散弾銃、着弾の後こいつでとどめを刺してやる!

 すぐさま構え、とりあえず撃つ。

 とりあえず十発は叩き込んでやる!

 余裕でよけられると思うなよ!

 というか現代兵器は戦争でも使うな!


 外交問題は話し合いで解決しろ、とは言わない。

 チェスか将棋、なんなら麻雀で戦え戦争狂共め!

 サッカーでも野球でも、スケートでもなんでも構わん! 芸術点を競え馬鹿者が!

 なんならポーカーでもええわ! カードゲームで解決しろ!

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