2章 冒険者編
第6話 洗礼
洗礼の日を迎えた。
この世界は、治安が良くない。
子どもが生まれても、医療技術が発達していないので、光魔法が使えない人が多いこの世界では、死亡率が高い。
だからこそ5歳まで無事に育つ人は、限られてくるので、これからの成長していくかを神に報告するのだそう。
そして、気に入った人に、神の加護を与えるらしい。
「そういえば、今年はやけに盛大に誕生日を祝ってもらったな。」
一般的には5歳、10歳、15歳でお祝いをし15歳で成人となっている。
アレウスはこのことを考えながら、王族専用の服に着替えた。
「アレウス様そろそろお出かけの準備はできていますか?」
扉を3回ノックして、クロノアールが部屋に入ってきた。
「クロか、準備はもう終わったよ。」
いつものメイド服姿で呼びにきたクロノアールと一緒に部屋を出た。
すでに外では、父上、母上、姉のユウリが待っていた。
「みんな、待たせてしまってごめんなさい。」
アレウスは遅れてしまったことを、3人に謝罪する。
3人とも笑って許してくれた。(よかった~機嫌悪くならなくて)
父上と母上はともかく、姉のユウリ姉さんは機嫌が悪くなる危険が高かったのである。
その危機を乗り越えたアレウスはほっと息を吐いた。
「アレウス、きゅわい~すぎる!」
どうやらユウリ姉さんは俺の正装姿に語彙力を失ってしまったようだ。
アレウスの姿を見てユウリ姉さんが近づいてきたのだ。
最近は、追いかけまわすのをやめたことと、ブラコン気味なのはなおらないがお菓子作りにはまったようで俺に作ったお菓子をくれるようになったので本を読むことに集中することができているので助かっている。
「ユウリお姉ちゃんありがとう」
アレウスは学んだのだお姉ちゃんと呼ばないと返事をしてくれないので仕方なく呼ぶしかないのだ。
馬車の準備もできたようなので、執事のセバスチャンが呼びに来た。
「皆様お待たせいたしました。準備が完了したのでご乗車ください」
そして、アルベール,マドレーヌ,ユウリ,俺の順に座る。
一番奥がアルベールで隣がマドレーヌ、ユウリと俺は、その対面に座った。
「それでは出発いたします」
執事の合図の後、馬車が進み始めた。
「そういえば、神の加護を授けられたら、どんな風に見えるようになるの?」
アレウスは真理の瞳でじぶんのステータスが見えるので能力はあまり気にならないが、神の加護がついたステータスを見たことがないので、ユウリに聞いてみた。
「アレウスは見たことがなかったのね…特別に私の見せてあげるわよ。」
『ステータスオープン』
そういいながら姉さんが唱えた。
ステータスの画面を見せてくる
そして、アレウスに密着しながら見せてきた
もしやこれが目的なのかというくらいに
「ステータス
名前ユウリ・シヴァ・セリナール
年齢8歳
種族人間族
職業戦乙女Lv10
能力(B-)
HP520/520
MP100/100
攻撃100
防御2000
魔攻10
魔防2000
賢さ50
運22
固有スキル
戦乙女の盾Lv3
通常スキル
盾術Lv5
適正魔法
無属性魔法Lv1
加護
戦神の加護Lv1
盾神の加護Lv5
称号
セリナール王国第2王女、アレウス大好きっこ、セリナール王国守護神に見守られしもの、盾使いの天才
このようなステータスになっていた。アレウス大好きっこは見せてくれたので不問としようと思う。
「セリナール王国守護神に見守られるってすごいの?」
セリナール王国にかかわることなので聞いてみた。
「王族は、みんなこの称号になるのよ。アレウスもこの称号になると思うわよ」
謎に思ったことを聞いてみようと思う!
「じゃあ、名前と国名の間は、守護神の名前になっているの?」
「そうよ。この国を守護する国を統治する頂点に立っている王族なのだから」
この国の守護神は、戦神シヴァのようだ。だから、周囲の国に囲まれていても、
過去に侵攻されても負けずに追い返すことができていることを初めて知ったのである。
馬車に揺られること15分位で教会につき、馬車を降りて、受付に向かう。
「アルベール・シヴァ・セリナールだ。今日は、うちの息子が5歳になったので洗礼を受けに来たと教皇には伝えてあるはずだが」
アルベールが受付嬢に話しかけた。
「は、…はい~教皇様より伺っております。こちらへどうぞ王族の皆様」
受付嬢はびっくりしたようだったが、すぐに対応をしたみたいだ。
あらかじめ、祭壇が準備されていたので案内についていくと、奥には、すべての国が信仰する八体の神の像がある。神聖な雰囲気を漂わせている。
「国王様、それでは、これよりアレウス・シヴァ・セリナール殿下の洗礼を開始します」
教皇に促されて、アレウスは教皇の前に片膝をついて手を組む。
「アレウス・シヴァ・セリナールよ、この世界にて讃えられる八大神が、あなたの洗礼を祝福せよ」
教皇は神々の像へ向かい、アレウスと同じ姿勢になる。
「この世界を見守る神たちよステータスを授け、新たな道を切り開け」
その瞬間視界は光に染まった。
〈あとがき〉
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