カルシウム・デェト

 さて、人間には大体苦手なものの1つや2つはあると思う。

 それは恥じるべきことではない。人間は機械ではなく生物であり、誰しもが唯一無二の存在なのだから。

 そしてそれは、元人間を自称する俺にとっても同じことだった。


「ぎゃあああああああ!! ちょッ、助けてぇ!?」


 俺は今、全力で草原を駆け抜けている。それも背後からよくわからない巨大芋虫に追いかけられながらだ。

 それは全高が成人男性の腰くらいあり、長さは更にその4倍はある。

 弾力がありそうな枯草色のボディを弾ませながら、見た目にそぐわぬ瞬足でこちらを追尾してくる姿に、俺は乾ききった頭骨から涙を流しながら全力で逃げるしかなかった。


「ごめんなさぁい、そっちに逃げちゃいましたぁ」


「何のんびり言ってくれてんだよ!? 見りゃわかるわ!」


 それを間延びした口調で謝ってくるのは、こんな状況に巻き込んでくださった張本人、ジークルーン・ヴィンターツールその人である。

 何故、こんなことになったのか。事の発端は数時間前に遡る。



 ■



 朝食を終えた俺が外で煙草をくゆらせていると、今回分の報告を終えたらしいサフェージュが一角鹿アンヴに跨って帰っていくのが見えた。

 このところ定例化した2日に1回の郵便連絡により、手紙と報告が我が家には届けられている。


「ダマルさーん? ダマルさん宛に手紙来てるッスよー?」


「はぁ?」


 一体何を言っているのかと首を傾げる。

 現代で仲良くなった相手と言えば、大半がテクニカの連中だ。特に極彩色だみ声大嘴おおくちばしのタルゴや、大酒飲みクロハラハムスターのラウルがその筆頭であろう。

 しかしそのどちらにも自分が読み書きできないことは伝えてある上、あのキメラリア達は遠回しな手紙などという手段を使うくらいならば、直接家までおしかけてきそうなように思う。特に郵便事業が安定していない現代においては、そうした方が圧倒的に早いのだ。

 頭にクエスチョンマークを浮かべたままで玄関の中へ戻れば、文字が読めないことを知っているアポロニアはどうする? と手紙を振って待っていた。


「差出人は誰だ? 俺に文なんて洒落たもん送ってくる奴に覚えはねぇぞ」


「ジークルーン・ヴィンターツールって書いてあるッスよ」


 ほれ、と手紙の裏をアポロニアは指さすが、蛇がのたくったような記号が見えるばかりで、どう読めばいいかがわからない。

 とはいえその名前を聞いた途端、存在しないはずの心臓が高鳴ったような気がした。


「わりぃ、読んでくれ」


「ダマルさんも、ポーちゃんと一緒に読み書き勉強したらどうッスか?」


「俺ぁ勉強苦手なんだよ」


「はいはい、じゃあ読むッスよ。えーと……ダマル様へ、先日はお世話になりました」


 ――危ないところを助けていただいたお礼をと思い、この手紙を書きました。マオリィネから、この手紙が届く日ならお暇だと伺ったので、もしよろしければお昼頃にこの場所に来てくださいませんか。是非またお話を聞かせてください、お待ちしています。ジークルーン・ヴィンターツール。


「……ですって。ダマルさん、お誘い受けてるッスよ」


 硬い文章の手紙。しかしこれが送られてきた真意が分からない程、自分は鈍感ではない。

 それは間違いなく恋文だった。おかげでそれを読み終えたアポロニアが、ニマニマと口を大きく横に伸ばして目を細めており、僅かな苛立ちを覚えさせられる。

 しかしそんなことは些細な問題に過ぎない。

 俺は犬娘の手から手紙をひったくると、中に入っていた拙い地図を兜のスリット越しにまじまじと眺めた。


「へぇ、悪くねぇな」


 指し示された場所は王都ユライアシティと我が家のちょうど中間地点当たり。偵察用バイクをぶっ飛ばせば、余裕で間に合う場所だった。

 文字は読めずとも彼女の筆跡を見ているだけで、自然とカカカと笑いが零れる。それくらいに自分は興奮していた。


「ダマルさん、笑顔が気持ち悪いッス」


「お前にゃ兜越しに表情見えてんのかよ」


「兜脱いでもわかんないッスよ。でも雰囲気だけで十分気持ち悪いッスね」


「わざわざ繰り返すんじゃねぇよ!? そしてお前にどう言われようと、俺は骸骨の春を謳歌してきてやるぜッ! カーッカッカッカ!」


 やーいやーいとアポロニアを子どものように煽りながら、鎧をガシャガシャ鳴らして俺は速やかにガレージへと走り出す。

 骸骨である自分に恋愛は難しいかもしれない。だからといって、見た目が好みの女性に恋文を送られて、嬉しくないはずがないのだ。

 たとえそれが泡沫の夢であろうとも、悪くないと思えるほどに。



 ■



 そこは収穫を終えた田畑のあぜであり、目の前を小さな川が流れている穏やかな場所だった。

 傍らには大きな広葉樹が1本立っており、地面を赤茶けた落ち葉が覆っている。

 その木陰に佇む白いドレスの女性。

 一応騎士として腰にサーベルを差してはいるものの、冷たい風に茶色の髪が揺られる様は、息を呑むような景色だった。


「悪ぃ、待たせたか?」


「あっ、だ、ダマルさん……ホントに来てくれたんですね」


 特徴的な歩く甲冑を見つけたジークルーンは、パッと表情を明るくする。

 それを見ただけで、今日という日が暇だと彼女に伝えてくれたマオリィネには、感謝しなければなるまい。雰囲気も相まって、清楚な美しさが数倍強く感じられた。

 おかげで柄にもなく緊張しそうになったが、それでは互いにガチガチな雰囲気になってしまいかねないので、努めて砕けた口調を維持する。


「おいおーい、また敬語に戻ってんぞ。肩の力抜けよ、別に取って食おうってんじゃねぇんだし」


「わ、わかってるよぉ……ただ、中々慣れなくて」


 えへへ、とジークルーンは身体を捻りながら照れたように笑う。それに合わせて両手で握られたバスケットもクルクルと回った。


「なぁそれ、振り回していいもんなのか?」


「へっ!? あ、ダメダメ! ごめんねぇ」


「いや別に謝る必要はねえけどよ。そりゃもしかして――」


 ここまでベタだと想像はそう簡単に外れない。

 ぺこぺこと頭を下げたがる彼女を押しとどめ、白い布で覆われたバスケットの中身を指させば、ジークルーンは力強く両手を握って頷いた。


「うん、この間のお礼、作ってきたんだぁ。座って座って」


「お、おうマジか」


 ネタでもなんでもなく、布が取り払われた中には彩の良いサンドイッチが並んでいた。それも高価な果物まで添えられてだ。

 正直に言えば、俺はベタベタに甘い展開を望んでくる女が得意ではない。むしろ今まではドライな雰囲気の女が好みだった。

 しかしそれは食わず嫌いだった可能性が高い。それもキャラクターとして作られた物ではなく、天然でこういうことをしてくるのだから、その破壊力は絶大である。


「はぁい、召し上がれ!」


「いた、だきます……」


 眩しいばかりの笑顔を向けられて、軽い雰囲気を維持しようという考えは、既に崩壊しつつあった。

 いつも通り兜の下から無理矢理食い物を突っ込んで咀嚼すれば、口の中に広がる爽やかな酸味に、ひたすら幸福感が込み上げる。


「どう?」


「美味ぇな。こういう礼なら、たまには人助けってのもするもんだって思えるぜ」


「よかったぁ、剣はダメでも、こういうことには自信あるんだよぉ」


 柔らかい笑みを浮かべるジークルーンは、嘘などどこにもなく心底安心したようだった。

 まったくとんでもない清純派乙女である。ギャップ萌えなど必要としないとでも言いたげなその雰囲気に、俺はサンドイッチを次々と兜の下から押し込んでいった。

 しかしちょうど、それが最後の1つになった時である。


「そ、そこな騎士様ぁ! どうかお力をおかしくださいませぇ!」


 しわがれ声でそんなことを言いながら、農具を手にして現れたのは薄汚れた格好の農夫だった。

 それも明らかに切迫した雰囲気であり、これは厄介事だろうと僅かに身を引く。


「悪ぃんだがな――」


「なんですかぁ?」


 2人の声が同時に出た。かたや明らかに拒否しようと、かたや状況を呑み込めていないような大らかさで。

 けれどこういった場合、切迫した者には耳当たりの良い方しか届かないのが道理だ。それがたとえサーベルを下げただけの、とても傍目には騎士に見えない女性の言葉に対してであっても。


「バイピラーの群れが現れまして、穀物庫が襲われとるのです!」


「えぇっ!? 大変!」


 ジークルーンは農夫の言葉を聞いて大袈裟に驚くと、なんとあれほど剣が苦手と言っていたにも関わらず、躊躇いなく立ち上がって両の拳を握りこんだ。

 それも怯えるどころか、どこか使命感に燃えているような雰囲気であり、さっきまでののほほんとした印象は完全に掻き消えていた。


「すぐに手伝いに行きますね! ダマルさん、ごめんね、ちょっと――」


「オイ待て、1人で行く気かよ? 俺ぁそこまで薄情にゃなれねぇぞ」


 ただでさえ戦闘が苦手なジークルーンが手伝うと豪語したのだ。飯だけ食ってサヨウナラとは流石にいかない。

 加えていくら面倒ごとであっても、気になっている女性が困っているのを放置するのは男としての沽券にかかわることだった。


「ダマルさん……」


「オッサン、俺も手ぇ貸してやる。ジークに感謝しろよ」


 最後のサンドイッチを兜の隙間から押し込みつつ、俺は腰にぶら下げてきたサブマシンガンの安全装置を外す。

 それを見た農夫はやや訝しげな顔をしたが、こちらの自信ありげな様子を信用したのか、恭しく頭を下げた。


「お、おぉ、かたじけない! では私に続いて下され!」


 慣れた様子で畔を駆け下りていく農夫に続いて、俺とジークルーンも土の道を走りだす。

 しかしこの判断こそが、後の悲劇に繋がった。



 ■



 至る現在。

 颯爽と駆け付けた際の自信満々な駆け足とは打って変わって、俺は今全力で巨大芋虫から逃げている。


「こんな相手だとは聞いてねぇぞおぉぉぉぉぉぉッ!?」


 現代生物の恐怖を感じるのは久しぶりだ。まだこれならロガージョのほうがいくらかマシであり、これを相手にするくらいならブラッド・バイトでも愛でられる自信がある。

 唯一良かったことと言えば、敵の図体が大きく横方向への回避がドンくさいことだろう。距離をとって射撃すれば、柔らかい身体は拳銃弾でも容易く貫通して殲滅できた。

 しかしそれと生理的嫌悪は別である。その上直線方向への移動は速いため、引き離すのも簡単ではない。


「この糞虫、ぶち殺してや――あ゜あ゜あ゜あ゜あ゜あ゜ッ! 言ってない、言ってないから纏めてくるのは辞めてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 機関拳銃を軽く振り回せば、正面を進んでくる数体は瞬く間に地面へ倒れ伏す。

 だが連中には危険度を図る能力があるのか、一気に同族が殺されたと判断すると、束になってこちらへ向かってくる。

 それも双頭芋虫バイピラーの名の通り、前後両方に存在するヤスリのような口をギチギチ鳴らしながらなので、気持ち悪いことこの上ない。


「ダマルさぁん、大丈夫だよぉ。引き付けて1匹ずつやればぁ――えいっ――そんなに怖い相手じゃないからぁ」


「引き付ける段階で十分怖ぇよ!! てか、なんでお前は平気そうに剣振り回してんだぁッ!?」


 気合の入らないような声ではあるが、それでもジークルーンは手慣れた様子でバイピラーの輪切りをこさえていく。

 羽虫を殺すことさえ躊躇いそうだ、という彼女への印象はもう見る影もない。なんなら剣を振るうのが苦手というのも、もしかすると嘘だったのではないかというような手際の良さだ。


「あっ、でも、押さえつけられないようにだけは気を付けてね? 捕食してくるから。あと吐いてくる糸に触れるとくっついて取れなくなって危ない、かな」


「こいつら、こんなナリして肉も食うのかよ、たまんねぇ――どわぁ!? 糸ってこれかよ! こ、こなくそぉおぁあああああああッ!!」


 肩で息をしながら弾丸をばら撒いていれば、追跡では埒が明かないと踏んだのか、数匹のバイピラーが白い粘着質の糸を吐き出してくる。

 それを必死の思いで地面を転がることで躱し、伏せた姿勢のままで比較的賢かったであろう虫連中の頭に風穴を穿った。

 彼女の言い方だと人的被害が出るのは稀なようだが、気持ち悪いに加えて捕食される恐怖までくれば、農夫が慌てていたのも今更ながらよく理解できる。

 結局全てのバイピラーを殲滅するまで、俺は叫び声を上げながら機関拳銃とコンバットナイフを振り回し、ついでにジークルーンは淡々とサーベルを突き刺していった。



 ■



 全てが終わったのは夕方ごろ。王都に戻ろうにも、既に閉門には間に合わない時間である。

 農夫たちは口々に感謝を述べ、是非宴をなどと有難い申し出もあったが、俺はそれを丁重にお断りした。巨大芋虫の気持ち悪さに、どうしても祝杯という気持ちになれなかったのだ。


「ジーク……お前、騎士向いてねぇって嘘だろ……」


「そんなことないよぉ、剣は下手だし、誰かと斬りあうのはどうしても怖くて――」


「芋虫の方が人間なんかよりよっぽど怖ぇよ」


 げんなりしながら偵察用バイクを押す俺に対し、ジークルーンは隣で困ったように笑う。

 慣れぬ人助けなんてするものではないと思う。彼女を助けたことにせよ、身内の知り合いだったからというだけなのだ。

 自分のキャラに似合わないことをすれば、手痛いしっぺ返しを食らうのは分かり切っていたはずだ。しかし、恭一が一同に臭い台詞を吐くように、俺もまた恰好をつけたいときくらいある。

 そんなこちらの気を知ってか知らずか、茶色い髪の素朴な乙女は赤い夕陽に目を細め、どこか懐かしむような表情を作った。


「ヴィンターツール家の領内だと、バイピラーの騒ぎって時々あったんだ。だから慣れちゃったってだけだよぉ」


 貧乏貴族だから、と彼女は時折自嘲的に語る。

 しかし深窓の令嬢という神秘的な雰囲気よりも、はたまた戦乙女や姫武将という力強さよりも、貴族でありながら農夫の気持ちを理解できたり、好意を寄せる相手にサンドイッチを作ってこれる方がよほど彼女らしい魅力だと俺は思った。

 無論それには素晴らしい手際で、大型犬以上のサイズを誇る芋虫を淡々と処理していたことも含むため、感嘆の息が骨の隙間から抜けていく。


「はぁー……女ってのは怖ぇぜ。臆病に見えても、そのうち肝っ玉母ちゃんに育つんだろうなァ」


「む! お、乙女にむかって、その言い方はダメじゃないかなぁ!」


 むっ、とジークルーンは精一杯の不満を表情に作る。

 しかし怒り慣れていないのは明白で、怖さなど微塵も感じられないことに俺はカッカッカと笑い声を飛ばした。


「思ったままを口にしただけだぜ。別に悪ぃことでもねぇだろ」


「えっ、もしかしてダマルさん、そういう人が好きなの……かな?」


「オイオイ勘違いすんなよ? 俺はボンキュッボンのイケてる姉ちゃんが何よりの好みで――痛ぇ!?」


 バスケットが兜にぶつけられて、コーンといい音を響かせる。

 ぐらぐら揺れる視界を無理矢理正せば、彼女はプイと視線を逸らした。


「デリカシーって、わかるよね?」


「あんまり俺に幻想を抱かねぇ方がいいぜ。なんたってこれが素なんだからよォ」


「……別に、それがダメってわけじゃ、ない、よ?」


 むくれたまま、ジークルーンは僅かに頬を紅潮させてそんなことを呟く。

 わかっていてやっているならば、胸焼けする程のあざとさだとは思うが、この辺りジークルーンは意識が浅いらしい。一歩間違えば小悪魔だ。

 ゆるゆる歩いて街道に出たところ、俺は偵察用バイクに跨った。


「ま、その辺はよーく考えとけよ。ほら、乗れ」


「えっ、えっと、これ、どうすれば――」


「そっちに足かけて、ああ、ドレスじゃ乗りにくいだろうが我慢してくれよ」


 初めてのタンデムで混乱する彼女をガントレットで支えながら、無理矢理シートに座らせ、軽くスロットルを捻ってクラッチを繋ぐ。

 甲高いエーテル機関の音でジークルーンの小さな悲鳴は掻き消えて、フラットダートを偵察用バイクは駆けていく。

 そして怖がっていたのも束の間。騎士として騎乗に慣れている彼女は、こちらの腰に手を回して上手くバランスを取った。


 ――まったく大したもんだぜ。女ってのは。


 鎧越しに密着されても、微かな体温すら感じられない。

 しかし彼女の体温や柔らかさを感じようと思えば、自分が骸骨であることに気付かれる。

 そんなジレンマに俺は、内心で馬鹿げた話だとため息を付いた。

 恋情など骸骨になった時点で捨て去ったつもりだった。しかしコロコロ変わる彼女の表情を見ていると、早々欲という物は消えないらしいことがよくわかる。


「……いい人だよね、ダマルさんって」


「あんだって?」


「な、なんでもないよぉ!」


 エーテル機関の音と走行風にかき消され、彼女の声は届かない。

 だがたとえ聞き取れなくとも、俺は今この瞬間は幸せなんだろうと思っていた。



 ■



「聞きたいことがある」


 そう言ってシューニャは眉間に僅かな皺を寄せる。

 翌日、俺はポラリスと共に社会科教諭の前に並んで座っていた。それもきっちりと、ペンと紙を持参してだ。


「はい、何でしょう先生」


「……ダマル、これは何の真似」


「俺に文字教えてくれよォ、そろそろ不便なんだよォ」


 彼女は面倒が増えたと呆れてため息をつく。

 しかし俺は真剣だ。それくらい、真面目に勉強に向き合おうとしている。

 カタカタと頭蓋骨を揺らして笑う姿が、シューニャの目にどう映ったのかわからない。ただ、彼女はそれ以上何も言わず、決して追い出したりしようとはしなかった。

 骸骨であっても人生はどう転ぶかわからない。ならば少しでもその可能性をつかみ取る行動はするべきだ。

 それが怪物のような我が身に訪れた春ならば、なおのことであろう。

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