第20話 総攻撃しちゃって大丈夫?全部反射しちゃうけど

「サンダーボルト、やれ!」


 パーハラ将軍が号令をかけると、魔術師部隊が一斉に詠唱を始めた。

 魔術師の数はざっと、100人ってところか。

 俺は左手を挙げて魔法反射結界を張る。


「大砲だ! 全部ぶち込め!」


 兵士たちが大砲の準備をする。

 大砲の数は20門だ。

 すべての砲身を俺に向けやがる。これってさ、俺を殺す気マンマンってことだよね。

 

「パーハラ将軍。本当にいいんすか。100人分のサンダーボルトと、20門の大砲。人が300回は死ねますよ」

「今更、命乞いか? バリアード。お前はここで死ぬんだよ。もう遅い。はっはっは!」

「まだ間に合いますよ。攻撃はやめたほうがいいです」

「ついに狂ったか! 死ねえ! 地獄に送ってやる!」


 物理攻撃と魔法攻撃を同時にやることで、俺の結界を破るつもりだ。

 普通の結界師なら、物理反射か魔法反射、どちらかの結界しか使えない。

 だが、結界を極めた俺は、物理反射も魔法反射も同時に2つ使える。

 俺は戦場で何度もパーハラ将軍を救ってきたが、奴は結界の力わかっていなかったようだ。

 

「撃ってええええええ!!」


 雷撃と砲弾が俺に飛んでくる。

 ……おいおい。いのちはだいじにしろよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る