第14話 薬草採集に同行

 朝、俺はエミリアと一緒に森へ薬草を採りに行くことになった。


「ふふ!アルクさんと一緒にピクニック!楽しいなあー!!」


 ピクニック?

 ポーションの材料に使う薬草を取りに行くんじゃ……?

 まあ、エミリアが楽しいならいいか。


 俺とエミリアが村長の家を出ると、


「おい!!人間!どこへ行く?」


 若いエルフの男が俺につかかってきた。

 背中にでかい剣を背負っている。

 たぶんエルフの戦士だろう。

 しかし、朝からいきなり喧嘩を吹っかけられると疲れるぜ。


「あたしたちはこれから森へ薬草を採りに行くのよ。何か用なの?」

「おい……エミリア。森へ行くなら俺と行こう。人間の男なんて信用できない」

「何言ってるの?コモン。アルクさんは昨日、この村を救ってくれたのよ?あたしはすっごく頼りにしているんだから!」


 つかかってきたエルフの若者は、コモンという名前らしい。

 人間と魔族は長年争ってきたんだ。昨日、俺がこの村をたった一度守ったぐらいで、俺を信用しろと言うほうが無理がある。


「まあまあ……コモンさんのほうが森にも詳しいだろうし、きっと俺より強いから。コモンさんに一緒に行ってもらったほうがいいよ」

「はは!人間の割に話がわかる奴だ。じゃあ、行くぞ!エミリア!」

 

 コモンはエミリアの腕をつかんだ。

 強引にぐいぐいエミリアを森へ引っ張っていこうとする。

 

「離してよ!アルクさんのほうがコモンより何百倍も強いんだから。」


 パッと、エミリアはコモンの手を振り払った。


「アルクさん、行っこ!」

「お、おう……」


 俺の腕をぎゅうっと強く掴むエミリアさん。

 コモンの俺を見る目がヤバイ……

 後でめんどくさいことになりそうだ。




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