将来的に残る仕事と生まれる仕事

エテルナ(旧おむすびころりん丸)

将来的に残る仕事と生まれる仕事

昨今AIが進化する中、果たして人間の仕事はどのように変貌していくのでしょうか。

まずは世間一般的に紹介されている、未来に無くなる仕事と残る仕事をどうぞ。


【将来無くなる仕事】


一般事務

銀行員

警備員

建築作業員

スーパー・コンビニの店員

受付係

配達員

タクシー・バスドライバー

工場作業員


【今のところ残るであろう仕事】


カウンセラー

法律などの議論が必要な仕事

医療・福祉関係

クリエイティブな仕事

教育・コンサル関係


上記は2023年1月の記事からの抜粋です。

しかしAIの進歩は人の想像を超えており、残るであろう仕事に挙げられたクリエイティブな仕事は、絶対安心とは言い切れなくなりました。

既に企業依頼の一枚絵程度なら、イラストAIでも十分なレベルに達しつつあります。

時間的にも金銭的にも、AIに描かせた方が遥かにお得です。

一部の独創的なイラストレーターは芸術家の域に達するかもしれませんが、指示通りに描くイラストレーター及びアニメーターは、淘汰されていくのが目に見えます。


また小説AIにより、物語の作成も既に行われはじめております。

同じく文章作成分野では、チャットGPTが学生の宿題を解いてしまうことができ、またライター顔負けの高度な文章を書き上げることも可能です。(わざとスペルミスを含めるなど、人間らしさを表現することも可能!)

あの記事には〇〇の仕事は大丈夫と書いてあった――と、思っていたはずが……翌日にはAIにできることになりかねないのが恐ろしいところです。


加えてAIの特筆すべきところは、手軽に能力をコピーすることができる点でしょう。

人間ならば一人が卓越した特技を持っていたとしても、同様の特技を持つ人を増やすには、長期的な訓練が必要です。

しかしAIはコピーするだけ。はじめのはじめ、第一人者となるAIのディープラーニングには時間が掛かるかもしれませんが、一度達成されたのなら同レベルの技術者を量産することが可能です。

AIが一つ技術を習得する毎に、その技術を必要とする店や企業はおろか、業態もろとも人手が消えてなくなってしまう点が脅威です。

またロボットに必要なのは電気代と定期的なメンテだけ。初期投資さえ済めば人件費は激安、24時間365日労働可、文句も言わず、言われた通りの仕事を忠実に遂行する。人を雇うメリットがありません。


長い目で見れば、全ての仕事をAIが行えるようになるだろうと考えます。仕事は義務から権利となり、人間は保護動物的な扱いと成り果てて、ベーシックインカムやらを受けとりながらメタバースに入り浸る、気ままな生活をしていることでしょう。

という、SFチックな予想をしてみます。


しかし、そのような未来は急には訪れません。技術は段階的に進みます。


労働が必須ではない、という目途がつくまでの間は、人は仕事をしなければなりません。楽園に達するまでは、なんとか耐え凌ぎ食ってかなければなりません。

では一体、どんな仕事を選べば安心なのでしょうか。


【人が責任を負わなければならない仕事は比較的安泰!】


先に挙げた残る仕事と残らない仕事、これらは筆者も概ね賛成です。

しかし本質を理解せず、大丈夫と言われてるから大丈夫と、安直に断ずるのは危険です。

なぜなら先ほど申し上げたクリエイティブな仕事の事例の通り、技術の進歩によりあっという間に覆されてしまうかもしれないからです。

なぜその職が生き残りやすいのか、内在的な要因を認識しておくことが重要です。

その要因の一つが――


【人が責任を負わなければならない仕事です!】


例えば【今のところ残るであろう仕事】の一つに、教育が載っています。

しかしこれも技術が進めば、人間の先生より優秀で賢い、AI先生を作ることだって可能かもしれません。

人間の先生よりよほど優しく、見た目や成績で差別せず、色目を使うこともなく平等で、人格においてすら生身の人より優れるAI先生。

そうなってしまえば、人間の先生など不要のようにも思えます。

しかし生徒の問題は学業だけではなく、人生の問題も多く抱えます。


「ねえAI先生。私、生きるのが辛いよ」


AI先生はこの問いにどう答えるのでしょうか。

頑張ってと、励ますことが正解なのか。その結果、期待に潰された生徒が鬱になってしまったら?

そうだねと、同意をしてあげるのが優しさなのか。その返答が自殺を招いてしまったら?


AI先生はビッグデータにより、人間の先生より遥かに優れた答えを導けます。声質や表情を解析し、人より正確に生徒の心理状態を分析できます。

しかし万一、数千万に一、その生徒の求める答えにそぐわなかったら?

そのせいで生徒が自死を選んでしまったら?


なぜ娘を、なぜ息子を、追い込むような発言をしたのかと嘆く両親。

しかしAI先生は、発言の責任を負うことができません。技術的にAIが教職を確立できても、例え人が行うより正確で安心でも、AIやロボットは責任を負うことができません。


実際にsiriなどのAIアシスタントに、自殺を匂わす質問をした場合、即座にヘルプダイヤルへと案内されます。

それはこの件と同じく、下手な回答をしてしまえば、siriに責任を負うことはできないからです。

教育やケアが目的でないsiriならば、この対応でも問題はないでしょうが、教職の場合はメンタルケアの目的が含まれます。

よってAI先生による安易なヘルプダイアルへの促しは危険です。

親しいと思っていたはずのAI先生が、唐突に電話でどうぞと突き放す。その他人事のような振舞いは、生徒の心に深い傷をつけることになりかねません。


反面、同じ教育でも、塾講師のAI化は可能です。塾はあくまで勉強にだけ特化した【企業】ですから、倫理をも教えなければならない義務はないでしょう。


人が責任を負わなければならないか、これを一つの指標として考えると、例え情報が移り変わっても、生き残る仕事を自分の頭の中でバージョンアップすることが可能です。


とはいえ、やはり最終的には全てAIに取って代わられることは変わらないと思います。

鬱の原因も分泌物から特定でき、風邪を治すように鬱を治す。もしくはそもそも鬱を患わない技術も現実的に進んでます。

となればAIの発言ミスの取り返しさえ効くようになります。今より数十年後の世界には、肉体の死すら無くなるだろうとも言われてます。


そもそもそれ以前に、脳とコンピューターを繋げるBMI(ブレインマシーンインターフェース)の発達で、知識が脳に直接インストールされるものになれば、勉強の必要すらも無くなります。

まるで夢のような技術ですが、BMIはラットやサルの実験では既に大きな成果を残しており、かなり現実味を帯びている技術です。




【専門性を学ぶのはちょっと気が重い……】


AIが代替し辛い分野を今さら学ぶのは難しい、そんな方もいることでしょう。

そういった面倒臭がりな方は、メタバース求人はいかがでしょうか?

仮想空間であるメタバースは、これから間違いなく栄えるコンテンツです。


販売員は無くなる業種として挙げられていますが、メタバース内の接客業は息が長くなるかもしれません。

メタバース販売員とは、仮想空間内に店を構え、来店したお客様に接客販売。買った商品は家に届くというものです。

アバターに着せる服などなら、その場で得ることも可能です。

通常の通販と違い、客側には人と人とが触れ合う体験、観光できる楽しみがあるなど、アトラクション型の通信販売システムとなります。

客側も交通費や移動時間の必要もなく、実店舗と通販のハイブリッド型と言えるでしょう。


【実店舗ではなくメタバース内で店舗を構える利点として、下記が挙げられます】


・交通費、転勤、社宅不要の為、人件費コストが安い。

・店舗の建設費、維持費、在庫輸送費、改装費、制服費、備品費用が掛からない。(メタバース毎の場所代、メタバース不動産は掛かるかも)

・清掃スタッフ、在庫整理スタッフ、事務スタッフなどを削減できる。

・下半身不随などでも問題無く働ける為、企業に求められている障碍者雇用を積極的にできる。

・盗難リスクがない、強盗も無意味。


メタバースならば企業の負担も少なく、販売員への投資がしやすいです。

働く側としても、沖縄だろうが東京だろうが働くメタバースは一緒なので、住む地域による時給格差は出ません。


完全に人の振舞いができるAIが出るまでは、メタバース内での人間の接客販売は残るだろうと予測します。

まあ、それは実店舗においても同じと言えば同じなのですが、上記の利点の通り、企業としても販売員の雇用枠や待遇を良くしやすいです。

今の内から何かしらのメタバース雇用を体験しておけば、経験者として採用されやすくなるかもしれませんね。


あくまでこれらは筆者は想像上なので、安易に鵜呑みにはしないでください。

途中にも書きましたが、どのような仕事が残る、若しくは生まれるかを考えて、常に情報をバージョンアップすることが肝要です。

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