第37話 新たな展開

さきは、千葉で足立は茨城で真澄は福島で研修が始まった。初めのうちは新たな職場で職員の補助をして業務の進捗状況をチェックしたり、自分の職場との取り組み方を意見交換をしたり、調整時間が多かったが、徐々に職員とも打ち解けて隣の席の職員とは夕食を共に取ったりしている。「ねぇ清水さんって毎日食事作ってるの?」「いえ実は幼馴染みの家に下宿していて、毎日お世話になっているんです」「幼馴染みって…彼氏?」「まさか女性の家ですよ。」「まぁそうよね。じゃあバスで通ってるの?」「ええ。親子ごっこして楽しんでいます」「親子ごっこ?」「ええ。当の幼馴染みは仕事で週3日は、夜勤やら泊だったりで毎日家に帰ってきてご飯を食べてくれるのが嬉しいとおばさまがおっしゃるので私は甘えさせて貰っています」「でも緊張しないの?」「イイエ。とても居心地良いですよ?楽をさせて貰ってるわ」「めずらしいわねぇ」「そうですか?楽しいですよ。夕食を取りながら子供の頃の話を聞かせて貰ってるんです」「ふーん。明日夕食は焼き肉行こうよ。」「ごめんなさい。明日は茨城の伯母を訪ねることになっていて此処から仕事終わりに直接移動する予定なんです」「そうなんだ。じゃあ来週末空けておいてねみんなで行こうよ。」「はいありがとうございます。」さきは、順調にスタートしたようだ

「足立さん今夜の夕食は?」「今日はマンションの近くの定食屋さんで済ませる予定です」「あっそう…今度一緒に飯行こうな。」「ありがとうございます。是非美味しい店教えてください」

「高橋さん飯行こうよ」「えっ嫌です」「何でさ、一人で住んでるんだろう?」「はい。でも同じ研修仲間が遊びにくるんです」「どこから?千葉と茨城です」「なるほどね。近況報告か?」「そうですねぇお互いの職場の環境とかどんな業務してるかとかもと居たところとの違いとか電話でやり取りはきついので会って話そうと言うことです」「いい男が居るとか?」「ええしつこく誘ってくる職員をどう撃退したらいいのかとか相談してきます」「えっ?」「何ですか?」「俺しつこい?」「気が付かないんですか?」「…ごめんね」「もうひとつき経つので宜しいかと?」「ああそうね」「失礼します」「達川さん振られちゃいましたね?」「迷惑がられてたんだな俺。」「そりゃあ毎週付き合わされたら向こうも迷惑でしょう?」「知ってるなら教えろよ」「どうやって?」「ああゆうはっきり言うこは自分で言うだろうと思ってたので…」「しかしハッキリ言ってたな?」「ええ気持ちいいくらい」「気に入ったぁ」「せ、先輩?」「俺あれくらいハッキリ言われないと分からんからああいうこ好きなんだ。」「高橋さんだっていつもそうじゃないですよ?困った時はさっきみたいに意思表示するだけでいつもキチッとしてたらギスギスしちゃうでしょう?」「そうだな。普段は全然普通だもんな。やっぱっ気に入った。」「はぁ?迷惑って言われたの聞いてなかったんですか?」「つまり常識的に誘うなら問題ないってことじゃないか?」「認識の違いじゃあ?」「駄目もとだよ。」「挫けない先輩だよなぁ達川さんって…」「さあて、しょうがないからこれからさきの居る千葉にでも移動するかなぁ?」(正直研修で疲れてるのに千葉まで行くの面倒だな、一旦帰ってさきに連絡しよう予定があったら困るし)「さき、今日居る?」「真澄さん、何事?どうしたの?」「チョッと相談したいことがあって。」「私は今茨城の伯母の家に向かってるの。」「そうね。急にごめん大丈夫だよ。気にしないで。」「ねぇ茨城の駅近のホテルにへやを取ったら明日でも会えるし…」「そうだねぇ。プチ旅行でもしようかな。じゃあ後でねさき」「ええ。着いたら連絡してね」「わかった」電話掛かって来たときとは別人のように赤い声で、通話が終わった「なにがなんでもあったのかしら?変な事に巻き込まれていないと良いけど」さきは伯母の家である前野家へと向かった。夜7時前、さきは無事前野家経到着した。「いらっしゃい、さきちゃん運転大丈夫だった?」「はいお世話になります。のぞみさん。末子おば様は?」「玄関で待ち構えているわよ。もう朝からソワソワよ。」「まぁ…」「主人もまだ仕事中だから到着するわけ無いのに-て呆れていたわ」「では直ぐ参ります。」荷物を抱えてさきは前野家玄関の扉を引いた「こんばんは。おば様,お世話になります」「さきちゃんいらっしゃいよく来たわね。さぁさ上がって頂戴」さきは末子の後ろを着いていく「まずは運転お疲れ様,なれない道だから着かれたでしょう?」「はい。少し、でもナビが着いているので大体は行けました。この近所で少しだけ悩みました。」「そんなときは直ぐうちに連絡ちょうだいな。直ぐ教えるわよ。私も運転するからこの辺の道は詳しいわよ」「のぞみさんありがとうございます。是非今度お力を貸して下さい。それとこれを」さきは千葉の銘菓を差し出した「わざわざ良かったのに。ありがとうございます。みんなで頂きましょう。」そこへ真澄からの着信があった「チョッと失礼します」さきは席を立ってろうかに出た「真澄さん着いたの?」「ホテルどこに止まろうかと思って…」「あののぞみさん、駅前のホテルで女性が泊まれるとこってご存じですか?」「お友達?」「はい福島に研修に行ってる同期なんです。」「良かったらうちにいらっしゃいな。どうですか?お義母さん」「のぞみさんがいいなら私は構わないわよ」「さきちゃんうちに呼んで良いわよ」「そんなご迷惑に…」「若い女の子が増えて楽しいわ迎えに行きましょう」「真澄さん、今から迎えに行くね❗」「えっ良いよ。私は他人なのに」「行くから待ってて」「分かった」30分も立たないうちに駅前の真澄を回収することができた「はじめまして、高橋真澄と申します」「いらっしゃい。ご丁寧にどうも。私はさきちゃんの息子の嫁です。前野のぞみです」「今日は急に申し訳ありません」「良いのよ。泊まって言ったのは私なの。若い女性と話す機会なんて無いから是非にとお願いしたのよ」「ありがとうございます」「何かあったの?さっき声が沈んでいたけど,職場の人ともめてるの?」「さきは私がもめるの前提なのね?」「違うわよ。すごく困ってるみたいだったから真澄さんてサバサバしてるから誤解されてるんじゃないかと心配になって…」「確かにサバサバしてる方だけど、一応アウェイだから遠慮してるわよ。私的には…」「ふーん真澄さん的にはね」「チョッとさき随分じゃない?」「うんそれくらい元気なら大丈夫かなぁ🎵」「もうさきったら酷い」「仲が良いのね。本当に同期って感じがするわ」「同期ですよ?」さきと真澄は声を揃えた「まぁ本当に仲良しね。羨ましいわ」

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