第19話足立家の事情
「上がって…散らかってるけれど…」「じゃあお邪魔しま~す」さきと真澄は足立家にあげて貰った「熱は?」「うん37度代」「どれ?」さきは手を伸ばし足立の額に手を当てた「…清水さん?」「うん?まだ少し熱いわよ。37度後半ね。」「さき?」「何よ?」自然体なさきに足立も真澄もフリーズ状態である「食事は?」「今朝から何も…水分はスポーツ飲料があるからそれを飲んでた」「汗は?」「汗?」「パジャマ着替えた方がいいと思うけれど?40度あったんでしょう?」「うん凄くしんどかった」「体力あるならシャワーかお湯に浸かってさっぱりするのもいいわよ」「お風呂入ってもいいの?」「高熱じゃないから汗をかいたままの方が気持ち悪いでしょ?小さい子なら体を拭いてあげるのもいいわよ?何なら体を拭きますか?」腕捲りをするさきに「いえ大丈夫です。お風呂に入ります」頷いて「さっぱりしてきて。その間に食事を準備するわ」「食事?」「お粥を作ろうかと」さきが答える「俺お粥苦手なんだ」足立は即答する「贅沢❗」ますみが呆れる「でも今朝から食事摂ってないんでしょう?いきなりご飯は胃に負担になるわ。雑炊っぽく味付けすれば食べられるかしら?」「それならいける」「了解」さきの提案に足立は頷く「生意気❗足立の癖に」「何だよ足立の癖にって」「ほらさっさと風呂に行く。レディの前に下着1枚は駄目よ?」「そんなこと普通に無いよ。パジャマ着るし…」「あっそう」二人の会話はいつもの調子に戻っている「真澄さんと話しているうちに足立さんも元気になったみたい」「なによ。それ」「だって本当に姉と弟の会話だったもの」「あんな手の掛かる弟要らないわよ❗」さきは真澄と会話しながら小さめの鍋に洗った米と水をいれて火にかけた「足立さんて食べられないもの無かったかしらね?普段気にならなかったけど?」「多分一般的に大丈夫だと思うよ。食べられないって聞いたことないもの。」「そう。では鶏肉使おう」「出汁でも取るの?」「小さめにカットして別の鍋で出汁をとっておこう」真澄はさきを手伝うこともなくただ見ている「真澄さん足立さんのベット布団をひっくり返してシート変えてあげた方がいいんじゃない?」「でもさ男の人の部屋に入るのは気が進まないわ。」「そうよね。失礼ついお姉さんみたいだったから…」「もうさきったら。何か他に手伝えることは?」「食器を取り出してくれる?あとネギを…」「ベットは私が承ろうかな?」突然男性が現れた「えっ?誰?」固まるさきと真澄「あなた達こそ誰?何でうちのキッチンで食事の準備してるの?」「あっあのぅ?」さきが恐る恐る声を掛けると「徹のお友達の方だよね?」男性は足立を名前で呼んだ「はい職場の同僚、同期です」「そう、ありがとう。ではまたあとで、君も此方へ」父親らしき男性は女性を伴って足立の部屋へいってしまった「ビックリしたぁ。」真澄が呟く「本当に驚いたわ。」さきも頷く「足立君ご両親が来てるならそう言えばいいのに」「両親が来てるってどういうこと?」そこへ本人が風呂から上がって出てきた「スッキリしたよぉ」「足立君さぁ、ご両親が来てるなら先に言ってよ」「えっ両親なら京都にいる筈だけど?」「知らなかったらしいわね?」「どういう事だよ。」「今足立君のベッドのシーツ取り返してるわ」「ちょっと‼️」急に立ち上がって自室に行ってしまった「シーツの交換頼まない方が良かったかしら。余計なこと言っちゃったかも」「そんなことないわよ」「あんなに慌てていたもの…」「見られたくないものでもが有るんじゃないの?」「そうなのかしら?」「きっとそうよ。足立君の家族って少し変わってるから…」真澄は困った顔をしている「余計な詮索はしないわ。他人の事心配している場合じゃないから」「さきも何かあるの?」「いつもの宿題よ」「一体何の宿題なの?」「個人的なことだから話すつもりはないの。ごめんなさい」「良いけどさ。私もごめん。つい突っ込んだ」
一方「そこのシーツ引っ張って❗」「ねぇ誠さんあの娘達なんだと思う?」「同期の同僚だって言ってただろう。その通りだと思うけど」「そんな落ち着いてていいの?」「慌ててどうにかなるのかい?」「ならないよ」ドアを開けて徹が入ってきた「徹、元気そうだね?」「お父さん達も何で突然やってくるのさ」「あら自分の家に帰ってくるのに承諾がいるのかしら?」「滅多に帰ってこないくせに自分の家なんて良く言うよ」「あなた達が嫌がるからでしょう?」「はぁ?」「彩子と徹が嫌がるから…」「僕らのせいにしないでよ」「ちょっと待った。今少なくとも徹は病人だし同僚の方が食事の準備をしてくれているんだよ。あちらへの対応が先だと思うよ」「シーツは直したからリビングに行きましょう」「ああ交換してくれてありがとう」「どういたしまして。シーツは洗濯機にいれておくかい?」「籠でいいよ。て言うか俺が持っていくよ。」「お前はお客さんと母さんのそばに居なさい」やんわりと諭すように息子の背中を押す
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