第7話再会
あっという間に2週間が経った。今日は枝里子の家で話を聞かせてもらう日だ。仕事中は、集中しようと脇目も振らにパソコンに入力中だ。おかげで側にいる同僚先輩の話が耳に入らず「清水さんどうかしたの?」と何度も声をかけられた、「企画書を書き上げようと集中していたので。スミマセン」「イヤ良いんだ。たいした話しはしてないから…難しい企画なの?」「いえ、今日で書き上げたかっただけです。」「僕で良ければ相談に乗るよ?」「はいありがとうございます。出来上がったら目を通してもらえますか?」「うん良いよ。」「よろしくお願いします」さきは集中しようとしてかえって集中出来ていなかったらしい。「出来なかった…」「急ぐ案件じゃないんでしょう?月曜日に続きをすれば良いさ」同僚に声をかけられ「そうします」とニッコリ笑う「週末はゆっくり休んでね?」「はいありがとうございます。ではお先に失礼します」さきは鞄を抱えて退出する。「さきお疲れさま」「お疲れ様です。」真澄と足立の二人が階段で降りてきた「急いでるの?」「ええ、約束があって」「デートか?」「違うわよ真澄さん。幼馴染みと逢うのよ」「へぇそうなんだ。楽しんでおいで」「ありがとう。また来週ねぇ」さきはいつもとは反対側のホームへ向かっていった「幼馴染みって男かな?」「女性かも知れないでしょ?」「あんなに嬉しそうな顔をして彼氏でも出来たのかなぁ?」「聞けば良かったじゃないか?」「聞けないわよ、そんなこと」「友達なのに?」「足立くんさぁ自分なら聞けるの?」「実質的に僕はそんなに親しくない」「告白したんでしょ?」「だからって聞ける訳じゃないだろう?」「それもそうね」さきの乗る電車がホームに入ってきてさきたち乗客をのせて駅を離れた「足立くん飲みに行かない?」「良いよ」二人は横浜で降りて繁華街へと消えていった
一方、さきは枝里子と待ち合わせの駅に向かっていた。着替えなどが入った鞄は、職場近くの駅ロッカーに預けてあったので荷物を抱えて電車に乗り込む。40分程乗って待ち合わせの駅に到着「この辺で分かるかしら?」前もって改札口の近くでたっていると「お待たせ。」と小走りで枝里子がやって来た「そんなに待ってないです。私も付いたばかりですから」「そうなんだね。それじゃあ行こう。」枝里子は駅前に向かって歩きだした「あの電車じゃないんですか?」「うん車だよ。大丈夫運転は上手だからさ」枝里子はKEYを目の前に差し出す「そういう意味じゃないんですけど?」「この方が家の目の前まで行けるじゃない?」「結構距離有りますよね?」「大丈夫馴れてる、私警官だし‼️」「分かりましたお任せします」「良いよ乗って。荷物は、後部座席に載せて」そして助手席にさきを誘う「ありがとうございます」さきは一礼して助手席に乗り込む「ちゃんとシートベルトしてね。今時の車ってシートベルトしてないとうるさいからねぇ」「はい大丈夫です」カチャと音がしたのを確認して発進する
「ねぇさき、記憶がないって言ってたわよね?」「ええ、そうです。覚えていません」「いつからいつまで?」「保護される前の事は何も覚えていません」「そうなの?」「ハイ着ていた服や靴等に名前が有ったのでさきと言う名前だと言うこととポシェットの中にあったメッセージカードから7月7日が誕生日だと言うことくらいです」「ああポシェットねぇ。色違い私も持ってたよ。」「本当?当時のはやりだったんでしょうか?」「そうね。あの頃女の子はあのポーチを持ってたわよ。」「私も欲しがったんですかねぇ?」「私もさきとお揃いで買ったんだって。欲しい色は赤だったけれどさきちゃんママが買った後で私は黄色だったな。同じ色が無かったのよ」「仲良しだったんですね?」「ええ、。いつもさきに守ってもらったの」「守る?」「私は意気地がなくて、さきがいつもかばってくれた。泣き虫だったからなぁ」「私は強い子だった?」「喧嘩が強いとかじゃないのよ?しっかり意思を言える子だったのよ」「意思を?」「そうなの。嫌なのは嫌ってはっきり意思表示できる子供だった。」「小難しい子供だったんですね-」「意地悪なことはしないかっこいい子だったわ」「そうですか?それなら良いなぁ」「憧れだった。さきちゃんままの影響だと思う」「どうして?」「さきちゃんままがそんな感じだったの」
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