第2話同期

さきは、ランチを一緒に摂った高橋真澄と一緒だった「今日は急な買い物に付き合ってくれてありがとね」「ううん。気分転換になったわ」「もしかして昼間の村井さん?」「ええ、気にしないつもりだったけれど渡辺さんとか気にしてくれて、ちょっと気になってきたの」「当然よぉ。あんな挨拶のしかた」「挨拶?なのかしらね。」「売込みだわよ」「売込みって、私に売り込んで何の得が?」「さきはもっと自分の評価をあげるべきよ❗」「うん?何を」「もうさきったら自己評価下げすぎだわよ。ねぇこのパスタ美味しいわよ、味見してみる?」「どれどれ、うんニンニクが利いてるわね、美味しいけれど他人と話す時気になるわ」少し味見してさきは思わず呟いた「こちらのニンニクは無臭でございます。ご心配無くお召し上がりくださいませ」側にいたスタッフが片付けをしながら説明してくれた「そうなのね。ご丁寧にありがとう。思いっきり食べられます」とパスタのお皿に手を延ばす「あら私は気にする相手なんて居ないもの。」真澄はパクパク食べている「私だって特別な人は居ないわよ?」「さきはそう言ってもお誘いがあるでしょう?」「お誘い?」「何度か玉砕した話聞いたけど?」「玉砕って‥」「最近、足立君が告白したって」「誰に聞いたの?そんな話」「足立君だよ」「足立さん本人が真澄さんに話したの?」「うん。さすがに彼もショックを受けたみたいよ」「そんな。でも真澄さんと足立さんってなかが良いのね。」「大学からの腐れ縁だからね」「腐れ縁ね。それこそ理解し合ってるんじゃあ」「それはない❗少なくとも足立君は私を理解するなんて有り得ない」「そんなに強く否定しなくても良いんじゃない?」「いや無理無理」「そうなの?私なんかより余程相性が良さそうだけれど?」「長い付き合いだけど男女の付き合いは無理よ」「足立さんて好い人よね?」「でも付き合いはしたくないんでしょ?」「足立さんだからじゃないの。」「うん?」「今はそれよりもしたいことが合って-」「今相手捜さないと売れ残っちゃうわよ?」「良いわ。」「さきさぁ自己評価見直しなよ。親御さんも心配してるんじゃない?」「そうでもないわ」「村井さんみたいにアピールしてくる人もっと増えるわよ」「なぜ?」「自分にもチャンスがあるかもって思ったら近くにいる人はチャンスと思うんじゃない?」「私は誰ともお付き合いするきがないんですって」「私に言っても仕方がないわよ。せいぜい皆にそう言うのね」「考えすぎよ。そんなわけ無いでしょう?今まで何もなかったし」「見てなさい。きっと後悔するから」「私が悪いのかしら?」「さきは何も悪くないよ」「何も起こらないことを祈るわ。だって何も起こってないのよ?」「だからこれからよ。昼間の村石さんよ」「真澄さん面白がってるでしょ。」「うん。わかる?」「鬼が笑うわよ」「どうだろうなぁ。報告ヨロシク」「いやよ」「つまんなーい」「私で遊ばないでよ」「何かあったら相談に乗るよ?」「経験豊富?」「いいや、違うけれど。法律は勉強したからね」「そう言えば法学部だったわね。」「そうよ。無駄にはしないわ」「心強い味方だわ。でも司法試験受かったのにどうして地方公務員になったの?」「さきだって外国語ペラペラなのに通訳でもないし、外国語関係の仕事してないでしょう?」「私は外国に行く事が合った時に困らない為に学んだのよ?」「今の仕事で?」「イイエ自分がやりたいことのためよ。」「そうなの。今の仕事辞めちゃうの?」「その予定はないわ。長期に休んで外国に行く予定も全く無いわよ」「いずれってことね。」「そうよ。いずれは…」「こりゃあ当分恋愛は無いね。」「だからずっとそう言ってるじゃないの。」「わかった。でもね、足立くんは良い奴だよ。同級生だから肩を持つわけでは無いけど、真面目で良い奴だよ。お薦めだよ。堅物だけど」「それでお薦めなの?変でしょう」「そうかなぁ」

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