complicatedとcomplex

どこかでこんな話を聞いた。

「洗濯機と犬の違いは何か、それは、complicatedなのかcomplexなのか、ということだ。どちらも複雑であるということを表すが、本質的な意味は全く違う。洗濯機はcomplicatdだ。精密に設計された部品の集まりで、理解は専門的な知識がないと難しいが、一つ一つ分解すれば必ずメカニズムや機能を把握することができる。一方、犬はcomplexだ。解剖学的な所見から各部分の機能はある程度把握することができるが、犬そのものの機能は誰もわからない。また、哲学的な用語を使うなら洗濯機のアレテーは把握することができるが、犬のアレテーに絶対的な解は存在しない。このような点に生物と物体の明確な違いがある。complexな存在が生物なのである。


人間はcomplexな生物として存在している。そして、知能を持つという特異的な性質により、さらに複雑性が増している。また、地球規模のつながりを持って生きているので、complexの中で生きているcomplexな生き物として存在している。だから、必ず人間理解には不完全性が伴う。「自分のことも他人のこともわかるはずないんだ」とわかること。それがわからないと分からないことがわからないといういわゆるchaosになってしまう。人間はcomplexであり続ける努力をしなければならない。


分からないことを自覚して、生きていくこと、それができればもう少し生きやすい世界になるのかな、と思う。

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エッセイ センスオブワンダー @The_sence_of_wonder

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