the sense of wonder

日の光とともに起きて、外に出て肺に朝の冷たい空気を吸い込む。ふらっとその辺を歩いて、季節の風景を感じる。


空模様、気温、そこにいる人、近くにいる虫、いろんな要素が合わさってできる今日の景色は今日、この時間、この一瞬しか見られない。しかし、私たちはずっと自然の中で生きている。筆者は自然はアイロニーだと考えるが、その所以は、何かが崩れたらこの景色ではなくなってしまう、そんな万華鏡のような不安定な姿でありながら何千、何万年もの間地球の営みを安定的に支え続けているからである。自然は変わり続けることで平衡を保っている。動いているけど止まっている。動的平衡。

地球規模の動的平衡の中で生きていると自覚し、今限定の景色を心の奥底から味わって、エネルギーチャージする。自然の優しさで胸がいっぱいになるとき、今日も生きているんだと実感する。


「The sense of wonder 」 自然の美しさに目を見張る心と訳されるが、筆者はこの言葉を、地球規模の動的平衡の中で生きることを自覚し、変化を受け入れ、今ある一瞬の自然の優しさで胸がいっぱいになる気持ちのことだと解釈する。もっと簡潔に言おう、今も変化する自然をみて、刻々と変化する「今の景色」を心ゆくまで楽しんで、パワーをもらうことができる感性のことだ。写真は一瞬を切り取ってしまうので変化はわからない。それよりも外に出て、写真を見たり動画を見ることではわからない刻々と変化する自然を感じること。

それが「the sense of wonder」であり、今の社会の必要なことであると思う。


忙しくなると、自然に目を向ける余裕がなくなったり、社会のペースにのまれて疲れ果てたり。そんなときは何も持たず外に出て、道ばたの花、木々に目を向ける。耳を澄ませて自然が作り出す音楽にひたってみる。自然が放つ季節のにおいを味わって、木々の幹に触れる。

全身を使って自然の穏やかな時間軸とパワーをもらう。そうすると、また頑張る元気がわいてくる気がする。



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