第2回のお題「ぬいぐるみ」

 お題の「ぬいぐるみ」をみて、思考が止まった。

 小さい子ならいざしらず、ぬいぐるみを手元に置かなくなって久しい。

 ぬいぐるみから連想したのは、三つ。

 ぬいぐるみの話。

 ぬいぐるみにまつわる話。

 ぬいぐるみに関係する話。

 ぬいぐるみを喋らせるファンタジーなものが多いと考えた。喋らなくとも、ぬいぐるみにまつわる不思議体験、SFやホラー、ミステリーなどと相性が良さそうである。

 プレゼントした、あるいはされた思い出なども書きやすい。UFOキャッチャーで手に入れる話も思いつく。

 それら一切を除外して、他の人が書かないものを選ばなくてはと頭を巡らせる。


 はじめてぬいぐるみを手にしたのはミミズクのぬいぐるみだった気がする。誕生日プレゼントだったらしい。が、いまはもう手元にはいない。知らないうちに見知らぬ森へと旅立っていった。

 そんな話もいいかもしれない。が、思い出を美化している気がして却下した。


 とりあえず、ぬいぐるみと人形の違いを調べた。

 境界線をはっきりさせておかないと、ぬいぐるみの話を書いたつもりが人形だったではよろしくない。

 読む側はそんな細かいことなど考えていないから気にしなくてもいいというのは甘えで、少なくとも作者は知っていなければいけない。知った上で、人形を出しても「これはキャラクターものだし、ぬいぐるみに用いられている生地でつくられているからぬいぐるみなんですよ」と読み手にわかる書き方をしておかなければ、相手に失礼な気がした。

 ぬいぐるみに関して調べていると、「そもそも、ぬいぐるみはいつからあるのか」の疑問が湧く。

 ぬいぐるみから連想されるものにクマが多いと知り、「なぜぬいぐるみはクマなのか」にも興味を持った。

 クマのぬいぐるみを元にしたクイズをする話を書こうと思いつく。だが、クイズの話は過去にさんざん作ったし、ネタに困ったから安易にできるものを選択したと思われたくなかった。

 なにより、クイズの話を書くのは簡単だけれども、問題を考えて作るのに手間と時間が必要になる。

 どうしようかと悩みながら調べていくうちに、二つのネタをまとめたものを書こうと思いつく。なにより、自分が知らなかった話だったので、書こうとする意欲が湧いたのだ。


 本音をいえば書こうとする前は、ディズニーのダッフィーの話にしようとしていた。

 却下した理由は、ぬいぐるみには違いないのだけれども、ディズニーの話になってしまうから。お題が違うと思い、ダッフィーの元となったものを調べていくうちに、ぬいぐるみを初めて作った人に辿り着く。

 最初に作られたぬいぐるみがクマじゃないとわかり、「これは行ける」と選んでしまう。

 テディベアがベタすぎたので、なんとか違い視点から書き出せないかと考えあぐねていたところ、思わず飛びついてしまったのだ。

 でも結局、テディを使わざる得なかった。

 調べたものをそのまま書いてはいけないのだけれども、割合としても多くなり、反省すべき点である。

 おまけに、なぜぬいぐるみにクマが多いのかについても、踏み込んだことが書けなかった。まったくもって、反省すべき点ばかりである。

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