第9話 桃・神さまは突然に
覚醒したキジコ、しかしゴブリンシャーマンには歯が立たない。
『クソぉ』
『さてと舐めプはここまで、念力タイムだぜ』
キジコの身体が宙を浮く。そして縛られるように念力がキジコを苦しめ始めた
『ぐぐぐぅううぅぅぅぅ』
苦しい声が出るキジコ。それを見てゲラゲラ笑うシャーマン。
『肉便器どもは片付けたし、次は本命の2人の男侵入者。ごーぶごぶごぶごぶ、全員リョナにまくってやる』
シャーマンが嘲笑った時、天井から魔法陣が出現し、レーザーが降り注ぐ。シャイニングレインである。当然シャーマンは避ける
振り向くと眉間にしわを寄せながら念力で縛られた手をピクピク広げたマウリがいる。冒険者として何もせずには終われるかっ、と言わんばかりに眉間にシワをよせている。
『念力でまともに動けないのになお悪あがきをするか、痴れ者が。今度こそひねり潰してy』
その時だった。
一部の隙間のない暗い洞窟に太陽が差し込んだ-いや陽光が広がったのだ。
斬れた、洞窟が斬られた。シャーマンよりも1メートル高い位置から斜め斬りの一閃が走った。そして斬られた上半分の洞窟だったその巨大な岩のかたまりは滑るように崩れ去った。
そして洞窟だったところに強引に光が入る。もう洞窟ではなくなったから。強いていうなら岩壁の迷路である。
『ええぇぇぇえぇえ、どうゆうことぉおお!?』
これにはさすがに驚きを隠せないシャーマン。するとそこに刀を持った狂人と、葉っぱをつけた全裸が歩み寄った。
『アーハッハァ!漫画の剣豪キャラがでっかい山とか斬るのってこんな感じだったのか、豪快で超気持ちがいいぜ!!』
『太陽は差し込んだ。人間には日の光が必要だ、そう僕という名の太陽がね』
桃寺桃太郎とアダム・トイブーである。
『あらら、マウリとキジコとやらが大変な目に遭っているよ』
『洞窟斬って正解だったな。女神どもの様子が一目でわかる、最初からやっとけばよかったぜ』
『ダメダメ桃寺くん、それをしたら中の女性たちも君によって斬られるじゃないか』
やってくる2人の様子を見たキジコとマウリ、安心感半端ない
『お前らがぁお前らが
シャーマンが問う。
『ほうゴブリンが人語を介すか、おもしろい(しかもコイツ妙な邪気放ってんなぁ)』
『そうだと言えばどうしますかゴブリンシャーマン。』
『決まってらぁ、ここのメスゴリラみたく念力の餌食にすらぁ!!』
シャーマンが2人に念力をかけた
『Absolute Emptiness 』
シャーマンの仕掛けた念力が解除された、全て解除された。マウリもキジコの念力が全て。
『なっ何が起こったんでぃすかぁあああ!?』
シャーマンは驚愕する』
『僕以外の全ての魔法を強制的に解除する絶対的支配領域。それがこの魔法、Absolute Emptiness さ。』
かっこいいポーズをとりながらアダムは答える。その隙を逃さずシャーマンに肉薄する桃寺桃太郎。
彼の戦闘スタイルは刀による斬撃、そこに魔法は関係ない。
『桃寺くん、あとは頼むよ』
『言われなくともぶった斬ってやるぅ!』
『グギャバラガバゴゲスぅオォオ!!』
それは躱すには難しく、あまりにも速い太刀。避けようと思った時にはすでに腹部に刀身が触れていた
しかも刀身から鮮やかな紅い炎が現れる
『冥土の見上げに見せてやる!
花宝流奥義、
桜の花びらのような火花を散らす斬撃がシャーマンを激しく焼き斬る!
『チクショぉおがぁあああぁあ!!』
そしてシャーマンはぶった斬られた。やつの身体から邪気が消えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
洞窟もぶっ壊れ、ゴブリンは全滅、捕えていた女性たちは全員解放。ゴブリン側の圧倒的敗北である
『女神キジコ!』
キジコを呼ぶ声がする、桃寺桃太郎だ
『桃寺よく聞け!ワシ戦いへの臆病を克服したぞい!』
キジコは自信満々に言う。だってワシ頑張ったもん
『そうか...』
すると桃太郎は突然キジコに対して刀を投げた。
びっくりしたキジコは身構え魔法陣を展開するが、刀はキジコに掠ることなく岩壁に刺さった
『な、なにするんじゃあぁぁあ!?
『大丈夫かいマウリ』
『アダム様、えぇなんとか。すみませんゴブリンシャーマンに手も足も出ず...』
『それについては酷い言い方をするが鍛え不足だとしか言いようがない。まぁしかし生きていてよかった、褒美に肩を揉んであげよう』
アダムはマウリの肩をほぐす
『そこまでしなくても...』
『フフフ遠慮はいらないさ』
その様子を見たキジコはとあることを思う
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