💖第7.5話 キスでとろけた顔を見て良いのは私だけ
私はしばらくの間『うううう~~~~~~』と唸りながら
「これまで十何年と一緒にいて
結局、今後もディープキスをしてもいいかどうかの話にまた戻ってきて、私はさっきのこともあってもうヤケクソに拒否する。
「そんなこと言ったって恥ずかしいものは恥ずかしいし、ダメなものはダメ!」
「そっか……残念。じゃあいつものキスならしてもいい?」
「もー……しょうがないなぁ」
そう言ってすぐにちゅ、ちゅっと何度も唇が触れあう。
しばらく続けていると、不意に私の口内に再び舌が入って来た。
「んんっ……ちゅ、ねぇ、らめらって言ったのに……」
「ごめんね。彩朱花のこと本当に大事だからちゃんと言うこと聞いてあげたいのに、我慢できなくなっちゃった」
普段の千賀なら、私がダメって言うことがあったらちゃんと聞いてくれるのに、それを破って来たのは多分千賀の理性が飲まれているからじゃなくて、きっと私の『されるのが嫌だからダメって言った訳じゃない』『そもそも本当はダメなことなんて無い』『もっとして欲しい』って言う気持ちが、全部全部見透かされているからだ。
それに対して『本当はもっとしたいんでしょ?』っていじわるすることも出来たのに、千賀は私の建前を守って悪者になってくれた。
「千賀ぁ……千賀もキス、きもちい?」
「うん、気持ちいいよ。彩朱花も好きなだけ、いっぱい気持ちよくなっていいからね」
心も体も溶かされてとろとろになっている私はもう、いつになく甘えたくって堪らない。
それを千賀が全部受け止めてくれるんだから、こんなに気持ちのいいことはない。
……やっぱり私の表情はずっととろけてたと思う。
◇
体を洗ってから、私たちは並んで湯舟に浸かる。
いつもは、部屋にいる時みたいにバックハグで密着してたりするけど、今日は横並び。
「あのね、千賀」
「……なに?」
今日はちょっと……いや、かなり。
いつもよりいっぱいキスしたし、初めて舌も入れちゃった。
だからって訳じゃないんだけど。
「普通のキスだったら、いつでも自由にしていいよ」
「いつでも……」
「いや、TPOは弁えてよ!?」
そこはちゃんと言っておかないと、ほんと何するか分かったもんじゃないもんなぁ!
授業中にしてくるくらいだし!
「てっきり人前で見せびらかしながらしてもいいのかと思った」
「一番最悪なやつ!」
「……流石にしないよ。キスでとろけた顔を見て良いのは私だけ」
「そういう問題?」
最悪なことしそうだと思ったけど、しない理由も最悪だった!
「千賀ってさ、いっつも私にちゃんと許可取ってからするでしょ?」
「唇にはね」
「それ以外は無許可でしてんの!?……ってしてるなぁ」
寝てる間にほっぺにキスしたり、あと昨日はぺろぺろされたな……まさか他にも余罪ある?
「舌は……やっぱりダメ?」
「それは……」
「それは?」
「ダ、ダメって言った時はダメなんじゃないかな……」
それはつまりダメって言わなければしてもいいということ。
「今はダメ?」
「今日はもうダメ!」
ばしゃっと水しぶきをあげながら手をバツにする。
だって、またすぐスイッチ入っちゃうからね!
「それじゃあ、まぁそんな感じで……」
「うん、わかった」
「そろそろお風呂あがろっか」
「そうだね」
千賀は私にキスをして、湯船から出る。
今日は本当に色んなことがあったなぁ。
明日は祝日だから、とりあえず明後日に入部届出さないと。
それからバイト探しもね。
やること沢山あるぞー!
────────────────
◇あとがき
いつもありがとうございます!
今回は宣伝のため、あとがきにしました!
1万5千字の読み切り短編『ツン×ツン百合カップルが成立するまで』を先日公開したので、こちらでもご報告させていただきます!
タイプ違いのツンデレな2人の女子高生が、知り合ってから付き合うまでを描いた内容になっていて、主観が交互に入れ替わりながら、最初はツン100%の態度にだんだんデレが混じっていく様を書きました!
1話読み切りなので、がっつり気合を入れて仕掛けをふんだんに盛り込んで、描写の密度も上げましたよ!
……こっちの作品が見劣りしているような気がしてきたので、その内こちらもテコ入れの加筆修正をしようか検討しています……。
逆に言えばそれくらいに満足の行く出来になったので、新しい百合作品を探している方はぜひ私の作者ページまで!
最後に。
ありがたいことに、この小説も100フォロワー、2000PVを突破しました!
連載開始から1か月半、沢山の方に見て頂けて本当に嬉しいです!
これからもどうぞよろしくお願いします!
それでは、今週もありがとうございました~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます