会話

「個から私ですか、仰られている意味がわかりません。個=私でしょう。皆それです。それが、個人から私に、集団ならまあ、まだわかりますよですが、それは、正しい説明がなされないと。」

「あなたの混乱も分かる。私も間違ってるかも知れないし、対義語のひとつだよ。集団の対立をなす個人と、社会のカテゴリーをなすもの。と思ってくれ。私も、私に、私が、今いった通り、それについては一人称。ということを言いたいんだ。」

「はあ、まあ、微妙な違いですね。ですが、認められなくはないが、社会のシステムといったいどう関わるのです?承認欲求は?死は、正義は?答えられますか?無理でしょう!我々は、何故働いているのか。生きるためでしょう、そこには、集団よりも大きな社会があり、国がある。いったい何の話をしようというのですか?」

「死が怖い人には」

「僕は、明日のほうが怖いですけどね」

「それが、何であるか一緒に、話し合いたい。あなたが生きやすくなるように、それは、なんでもないというのを教えたい」

「教えたい?だったら教えて下さいよ!明日の朝起きたら会社が存続しているかどうかをね。それどころか、給料のあがらないその日々を、教えて下さいよ!毎日7時に出勤して9時まで、外を歩き回って訪問してまるで、犯罪者のように罵られる日々を、何もできない人間は、ーーいいですか!あなたは、今すぐに謝罪すべきだ。僕に、」

「それはやってはいけない。」

「はっ。ほら」

「君に、快楽が生まれるだろうから。」

「あなたは!」

「君は今安堵しているから、そこにいまだいるんじゃないか。」

「ふざけるな!」

「今すぐにでもあなたが生きやすくなるように、そのために私は、話そうと思う。個人から、私に移行したのは、あらゆる改革で前時代の否定から入っているんじゃないか?ならば、個人から集団ではなく、個人から私という視点をもってしまったのではないか。この視点こそがネット社会での私というふうになっていく。個人と集団は対立している同じ所属を、結局共有しているが、私というのには成立しえない事情がどこかしこにもある。」

「言っている意味が分からない。」

「集団と個人は逃れることができないが、私という視点は、所属をその今いる人たちと共有できないということだ。」

「短く簡潔に」

「会社から逃げ出せるということだ。」

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る