ぬいぐるみが死者そのものであるなら、ぬいぐるみが並ぶ意味も変わりますね。仏間にぬいぐるみが並んで、これはおばあちゃん、これはおじいちゃん、これは……とひとつひとつ語ってゆく光景を思い描いてしまいました。
形があると、忘れることの罪悪感がひとしおという気がします。
いろいろ考えてしまう短編でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
死者そのものが並ぶ部屋、なかなかに恐ろしいですよね。おっしゃるような、ぬいぐるみひとつひとつを語れる家があったり、はたまた段ボールにしまい込んでしまう家があったりと、その家の家族関係が浮き彫りになるよなぁ……と。
罪悪感、そうですね。遺された側からすれば堪ったものではないように思いつつ、忘れられたものが積み上がっていくのはとても残酷だなと思います。
短いものですが、死の形についてじっくり考えながら書いたお話だったので、そのように考えてもらえて嬉しいです。
読み進めるうちに、この世界の「ぬいぐるみ」が担う役割に気づいて、ハッとさせられました。主人公が懊悩しているように、答えは出ませんね……死者との寄り添い方や、今後の生き方について考えずにはいられない世界の物語を拝読して、お香のように柔らかくて儚い余韻に浸っています。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
短い文字数のなかで少しずつぬいぐるみのことがわかるように、また死に対する答えの出ない虚しさがにじむように考えながら書いていたので、そのように言っていただけてほっとしています。
現実世界でもここ数年で生き方ががらりと変わるようになりましたし、あらためてこのような話題をじっくり考えるいい機会でした。