第9話 男性教師宅2
「た、玉城君本当にシャワー浴びだした……」
普通に浴びてます。私たち女性がいるのに。
玉城君の行動に思わず私はそう言葉を零してしまいました。
「私たち、一応これでも女性なんだけど……」
「これは信頼されているのでしょうか……もしくは少しも異性として見られていないのでしょうか……」
篠原先生と山下先生も私同様に驚いていました。
それもそうでしょう。一体誰がこの展開を想像出来ると言うのでしょうか。
そんな中、私は他二人の――特に山下先生の言葉に、はっとしました。
『少しも異性として見られていない』
そんな悲しい事実が私の頭を駆け巡ります。
私はてっきり玉城君は危機感がないだけだと思っていましたが、むしろ『危機感がない=見られてもどうでもいい=少しも異性としてみられていない』という事になります。
信頼しているからだという可能性もありますが、私たちと玉城君は出会ってまだ数日です。そんな短期間で信頼関係――それも男性と――を気づけるでしょうか?
……無理ですね。
「はぁ……」
「いや、私なんて相手にされるとは思ってなかったですけど……でも」
「……事実という刃は凄く痛いです」
「じょ、女性に救いはないのですか……??」
「「「はぁ……」」」
飲み会の時とは一転して私たちの心は、季節の移り目にある草花のようにあっけなく萎れ縮んでしまいました。きっと彼女達も枯れるときはこのような心情だったのでしょう。これから草花を見かけたら優しく語りかけたいと思います。
そんな意気消沈している私たちの元に、突然『ガチャ』という音を響かせながらバスタオル姿の玉城君が現れました。どうやら落ち込みすぎて気付かなかったようです。
うん……??
……え?!
「た、玉城君?! (うわぁ………身体すごい)」
「えっ?!ちょちょ!玉城君?! 服!、服を期忘れてるよぉおおお!?」
「あっ……わたし……(あっ 刺激強いっ)」
私は遂に拝んでしまいました。男性の裸を。それもイケメンの男性の。
細いながらもしっかりとした筋肉がついていて、あんな身体で抱きしめられたら私……………あっ、ダメです理性が………
気付いたら私たちは玉城君をベットに押し倒していました。
「はぁ……はぁ……」
「た、玉城君……」
「ふう……ふう……」
頭がどうにも上手く働きません。それに玉城君を私に染めたいという醜くくて身勝手な欲望が溢れてきました。
……こんな事をした時点で男性強姦罪で捕まるでしょう。
教師として失格です。 …………でもっ……!!私は……!!
「……は、恥ずかしいけど………………皆なら良いよ……?」
恥ずかしそうに顔を隠しながら弱々しく口にする玉城君。
本当は怖いだろうに……それでもそうやって私たちを否定しないでくれて……。
葛藤していた私は、そのあまりの魅惑と背徳感と興奮で自分の理性が完全に蒸発したのが分かりました…………。
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