第204話 100万人突破記念配信&3DLIVE配信開催決定!


歌ってみた紹介のスライドショーを閉じ、通常の配信画面に戻す。


今日最後の重大発表が、今日一番大切な発表になる。


「重大発表2つ目は、なんと!」


このタイミングでドラムロールを流す。

そこまでするほどではないが、これを流すことでご主人様にワクワク感を味わってほしいと思い流した。


【ダダンッ!?】という音とともに、2つ目の重大発表に関するスライドショーを配信画面に乗せる。

スライドショーのタイトルは【神無月ヤマト 100万人突破記念配信&3DLIVE配信 開催決定!】


「今週の土曜日、別の言い方をすると明後日に100万人突破記念配信&3DLIVE配信を開催します! パチパチパチ」



ええぇ!?

急すぎない?

聞いてない!

マジか……

やば、急いで有給取らないと!



この急な発表にコメント欄は爆発しそうなくらいに盛り上がっている。

ここからは分かりやすいようにスライドショーを交えながら、説明していく。


「コメント欄が爆発しそうですけど、時間がないので駆け足で行きますね。配信時間は午前10時から16時の約6時間で予定しています」



なっが!

長時間配信じゃん

レベッカとコラボして以来の長時間配信?

いや、メン限で【ひふみよ感謝祭】して以来



「予定では16時終了になっていますが、もしかしたら少し伸びるかもしれません」


こればかりはご主人様たち次第によるため、僕にはわからない。


「配信内容に関してはまだ秘密ですが、基本1時間ごとに違う内容の配信をするという感じになります。その時間に何が来るかは本番当日までのお楽しみ!」



良し! 急用を装って仕事休みとれた!

土曜日受験生登校日だけどさぼります!

アーカイブ楽しみにしてます!

ああ、リアルタイムで見たい!



「今僕から公表できる内容は1つ。今回の記念配信は一昨日決まったため、ゲストを集めることができませんでした。なので最後の3DLIVE配信は僕一人でぶっ続けで歌います! 楽しみにしててください」



一昨日決まったんなら流石にな……

ゲスト居なくてもヤマト様の歌聴けるなら問題ない!

YAMATO!



「あ、それとさっきチラッと見えたけど、受験生! 高校受験に失敗した僕からのアドバイス。今君がしようとしていることは今後の人生で後悔しない? しっかり考えてから僕の配信にきてね!」



ヤマトが言うと重みが違う!

ヤマト自身高校受験に失敗してるから真剣なんだな……。

受験生! 自分の道を間違えるんじゃないぞ!



コメント欄は様々な言葉が飛び交うが、一つ訂正すると僕の場合はしっかり勉強して落ちただけで、ご主人様たちが思っているようなことは断じてない。


なら、どうしてあんなことを言ったのか。


確かに僕の配信に来てくれるのは嬉しいけど、受験勉強をおろそかにしてまで来てほしいとは思わなかった。

むしろ受験勉強の癒しとして僕の配信を見てほしかった。

それだけのことだ。


ただ、そのことを言おうと思ったらすでにコメント欄で大盛り上がりを見せているため、ここで言えそうにない。


これ以上話が広がってしまったら僕としても困る。

そろそろ時間なのでここで終わらせよう。


「では皆様、そろそろお別れの時間がやってきました。今回の配信楽しんでもらえたでしょうか?」



楽しめた!

重大発表に驚きを隠せなかった

土曜日の配信楽しみにしてます!

受験勉強頑張って配信はアーカイブで見ることにしました

ヤマトの配信を見るために仕事頑張ってきます!



「本日は僕と楽しい時間を過ごしていただきありがとうございます。行ってらっしゃいませ、ご主人様。またお会いできる日を楽しみにしております」



行ってきます!

また来るねー!

土曜日楽しみにしてるぞ!

行ってきまーす!



***



配信が終わり軽く一息つく。


流石にNG無しは精神に答えた。

赤スパの件に関しては自信への罰のつもりが逆にご褒美になってしまった。


「まぁ、その分精神に大ダメージ食らったからチャラでいいよね」


部屋の電気を消してリビングに降りる。

来夢は相変わらず新スタジオにこもりっきりだ。


今にも新スタジオが来夢の私室になってしまいそうなほどだ。

機能に関しては新スタジオで一夜したらしい。


本来は何か一言注意すべきなのかもしれないが、今回は僕の長時間記念配信の裏方をたった一人で手伝ってもらうだけに注意することなんてできない。


ただ、ご飯を食べるときに新スタジオのことを楽しそうに語ってくるのを見ると、そこまで苦ではないと思える。

そうであれば僕から何か言うことはない。


そもそも、僕自身が来夢に対してああだこうだ言っている暇がない。


「さてと、少し休憩したら明後日の配信に必要なものをまとめないと」


帰って来て2日の間は動画の編集に使ってしまったため、明後日の配信ですることは決まってはいるものの、必要なもの準備が何もできていない。


「この後は頭の中にある配信の内容をしっかり固めて、明日必要なものをすべて買いに行かないと。……いや、本当に。明後日10時からだから明日しか時間ないじゃん」


考えていなかった事実に気づき、急いで部屋に戻り明後日の準備に取り掛かった。


結局配信の内容を考えるのに数時間使い、終わるころには深夜0時を回っていた。


翌日は配信に必要なものを買いに出かけて1日が終了した。


車がないため自転車を駆使して日向市内中を回ったが、丸1日かかったのは完全に想定外だった。

更に昼食時に連絡もなしに外食をしてしまったせいで、1人で待っていた来夢は激おこぷんぷんまる状態。


電機店で洋服のシミをとる機械を買い、渡すことで何とか機嫌をよくすることができた。


大変だった金曜日が終わり、ついに配信当日を迎えた。

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