第113話 案件配信コラボ feat.雨猫ハリン 『育成! 前編』
『で、育成はどうすればいいんだ?』
「ホーム画面に戻ると『育成』と言うボタンがありますのでそれをタッチして、シナリオを選択すると始まります」
『シナリオはこの【人気者への軌跡】だな?』
「です。今はそれしかありませんから」
多分今後に追加されていくと思うけど、今のところシナリオは【人気者への軌跡】しかない。
因みに、どういうシナリオかはセリフを読んだ時に少し触れているから、ちょっとだけわかる。
「シナリオを始める前に育成するライバーを決めます。今回僕はせっかくなのでガチャで出た僕自身を使いますね」
『じゃあ私はガチャで出た魔怜さんを使うか』
「で、次に育成するサポートの設定ですね。この育成ゲームだとライバーとアーカイブメモリーを合わせて7枠まで埋められるみたいです。今回は【おまかせ】でしたいと思います」
『ん? ライバーとメモリーは別じゃないのか?』
「みたいですね」
『じゃあ、何か違いがあるのか?』
「はい、枠にライバーがいると育成していくうちに親密度が上がっていき、獲得できるポイントが増えるみたいです。そのほかにもこのあとやる予定の『箱バトル』で同じ会社に入れると能力値が少し上がるようですね」
『メモリーは?』
「メモリーも親密度があるみたいですけど『箱バトル』で能力は上がらないみたいですね。ただ、育成でスキルをゲット出来て、それが『箱バトル』の時に役立つとのことです」
『選び方も重要ってわけだな』
「はい、他にもいろいろありますけど、プレイしながらやっていきましょうか」
『オッケー』
ヤマトを選択して、サポートをおまかせにする。
僕の方に出てきたサポートは
【『夢見る少女』 夢見サクラ ☆3】【『世界のママ』 真魔キュア ☆3】【『伝説のV』 綺羅めくる ☆3】【伝説の自己紹介動画 S】【でびる♡がーるず A】【ラノ虐 B】【ヤマト様親衛隊 B】
の七つ。
なぜかライバーではない親衛隊も入ってるけど、このイラストの先頭にはウルフ様がいるから問題ないのかな。
対するハリンさんのサポートは、
【『大型新人』 神無月ヤマト ☆3】【真魔キュア ☆1】【ガーデンランド X】【Vの原点 S】【恥ずかしがり屋の悪魔侯爵 A】【でびる♡がーるず A】【ごろろっくクイズ大会 A】
の七つ。
僕の方がライバーガチャが強かった分、高ランクのライナーが多いけど、ハリンさんはアーカイブガチャが強かった分、Bランクのメモリーが入っていない。
『今見て思ったけど、私って【ごろろっくクイズ大会 A】当ててたんだな』
「普通に当たってましたよ。気づかなかったんですか?」
『Xが気になりすぎてた』
「あー、気持ちはわかります」
実際、僕も今の今まで気づかなかった。
ごろろっくクイズ大会と言うのは、毎年夏に行われるクイズ大会でごろろっくのライバーたちで行われる大型企画の一つ。
ごく稀に個人勢や他の事務所のライバーが入ったりすることがある。
僕の身近な人で言うと、真魔キュア様が何年か前に参加していた気がする。
因みに優勝賞品は温泉旅行券。
温泉好きの僕からしたら羨ましいことこの上ない。
「さて、お互いに準備が整ったみたいなので早速育成していきましょうか」
『オッケー』
ほぼ同じタイミングで【育成開始】のボタンを押し、ついに育成を始めることができる。
このゲームの一番最初に流れるのは、学校長の声で話されたモノローグと学校の風景。
「因みに、学校長の声は僕が担当させていただきました」
『え、まじ?』
「マジです」
え……。
マジで?
やっぱり。
トリッターに情報で乗ってたぞ!
最初ガーデンランドの社長の声かと思ったらヤマトの声という情報を知ったとき、何度も聞き直したわ。
全く違和感ない!
「コメント欄にもありましたけど、声のモデルはガーデンランドの社長様になります」
『私、ヤマトの声真似リアルタイムで聞いたの初めてかも』
「『え、そうだったか?』」
『あー、私の声。なんか変な感じするわ』
「よく言われます。あ、早速育成が始められるみたいですよ」
軽く話していると、学校長の話は終わっており、早速育成が始められるようになっていた。
実際の学校でもこんな感じで校長先生の挨拶は無視されるんだろうなー。
「えーっと、育成では【勉強】【歌】【ダンス】【ゲーム】【コミュ】【メンタル】の6つの項目を使って育成していくみたいですね。【レッスン】のボタンを押すと6つの項目と現状のステータスが出てくるみたいです」
ヤマトの現在のステータスは【学力:53 歌唱力:154 運動神経:82 根性:98 トーク力:135 メンタル:105】という風に打ち分けられている。
高っ!
強化してない状態の初期でこれって高すぎだろ……
流石ヤマト様!
チートすぎる
学力はもっと低い!
色々と言われているけど、このステータスが高いのは分かった。
因みにハリンさんの方の画面を見てみると、そこには魔怜さまのステータスが出されていた。
【学力:77 歌唱力:82 運動神経:78 根性:107 トーク力:45 メンタル:99】
うん。
見比べてみると、すぐに計算できない僕でも僕のステータスが高いことが分かる。
何でこんなに高いの! とか言う前に言いたいことは1つ。
『僕って運動神経よさそうに見えますか?』
運動は苦手な部類なのに、なぜか運動神経の項目だけが無駄に高い。
ここは70より低くても問題ないと思うんだけど……。
それは【ラノ虐】だな
今実装されている中で唯一の初期ステに影響を与えるメモリー
【ラノ虐】効果で上がってるだけ
Bランク上位の【ラノ虐】効果
まさかラノ虐がそんな効果持っていたなんて……。
ただラノ虐されているだけのメモリーじゃなかったんだ。
「レッスン以外にも【お休み】【デート】【お出かけ】【通院】【配信】【バトル】とありますけど、この【スキル】と言うのはなんですか?」
『普通に考えればスキルを取得することができる項目だと思うけど、このゲームってメモリーで取得することができるんだよな?』
「分かるご主人様はいらっしゃいますか?」
それは、手に入らなかったスキルを手に入れるためのものだな。
ライバーやメモリーの持つスキルが出るけど、育成でゲットできなかったときにその項目を使う
最後まで育成して手に入れられるのは3、4個だけど、かなり重要になってくる
そこを使いこなすかどうかで上級者かどうかわかる。
『あー、かなり重要な項目みたいだな』
「ですね。とりあえず、今は育成になれることだけを考えてやりましょうか」
そこから僕たちの育成は始まった。
ストーリーの内容として、僕たちプレイヤーは選んだライバーのマネージャーとなり、一人前のVtuberにする、というもの。
育成は3年間設定で1年間のターン数は24ターン、合計すると1プレイ70ターンと少しになる。
そのターン数にライバーを育成しないといけないけど、育成する合間に目標が出て来てその目標を達成できなければゲームオーバー。
目標は設定したファンの人数を突破しないといけない。
育成を成功させるためには最終的にファンの人数を少なくても70万人以上にしないといけない。
この最終目標はライバーによって異なっていて、そのほとんどが現在のチャンネル登録者数に近い数字になっている。
因みに最高は100万人。
ファン数を増やす方法は【配信】をするしかなく、一度も配信をしなかったり、配信数が少なかったらクリアすることができない。
かと言って【レッスン】を全くしないまま配信しても、【配信失敗】になってしまいファンは増えるどころか減ってしまう。
このゲームでは【レッスン】と【配信】の使い分けがかなり重要になってくる。
『ねぇヤマト、このゲームってフルボイスなんだよね?』
「そうです。そこそこセリフ多かったですね」
『最高かよ!』
「喜んでもらえているなら何よりです」
実際に僕もストーリーを見ていてとても楽しい。
ストーリーではライバーだけではなく、教師やナレーションまでフルボイス。
更に、ライバーによってはいつもでは見られない絡みもあるおかげで、ファンとしてはドキドキが止められない!
今までストーリースキップしてたけど、めっちゃおもろいな!
最高ー
フルボイスパネェ!
ヤマト様最高!
『ちゃんとメモリーの方もボイスのもいいな!』
「はい。まぁその分セリフも多かったですけどね」
今思い出しても、あの量は一発で合格をもらえないとかなりの時間がかかると思う。
それをこのゲームを通して改めて実感した。
「……育成って難しいですね。3年で70万人って難しすぎます」
『そりゃそうだろ。3年以上活動して70万人行ってないライバーさんも多い上に、私たちのライバーやメモリーはレベル1のまんまなんだからな』
「やっぱり育成も大事ってことですね」
それにしてもハリンさんが70万人突破の厳しさをしっかり学んでいることに感激した。
2ヶ月前までは『余裕だろ』とか言いそうな感じだったのに。
特訓が終わった後もしっかり勉強してたんだ……。
「あ、僕の方は1年目が終わりました」
『ヤマトも? 私もさっき終わったー』
「それじゃあお互いに現在のステータスを公開しませんか?」
『オッケー。じゃあ。せーのっで行こうか』
「分かりました」
『せーのっ!』
お互いで公開されたステータスはこんな感じ。
【神無月ヤマト 学力:199 歌唱力:351 運動神経:204 根性:255 トーク力:302 メンタル:311 ファン数:450,598人】
【デビリット魔怜 学力:220 歌唱力:195 運動神経:150 根性:398 トーク力:145 メンタル:245 ファン数:310,589人】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます