第112話 案件配信コラボ feat.雨猫ハリン 『幸運! 幸運!!』
「えぇっ!?」
『嘘、2枚抜き!?』
は?
マジか……。
2枚抜き来たー!
運良すぎだろ……
誰が来る?
まさかの2枚目に少し驚く。
この虹色が最高レアリティなんだよね……。
こう、ポンポン出ていいものなの?
「それでは、行きます!」
『どうぞ』
虹紙をタップすると再び画面が暗くなる。
【みなさ~ん、コンちゃ~。天才きちゃぞー! バカじゃないからにゃー!】
うん。
僕が☆3に選ばれて、このゲームにも出るくらいだから、当然この人もいるよね。
【『伝説のV』
綺羅めくる様
個人のVtuberで、全Vtuberの中でも最古参のライバー。
Vtuberと言うコンテンツが世の中に浸透してきたのもこの人の力無しでは語れない。
それほどまでの人。
自称天才だけど、普通にバカの部類に入る。
でも、そこが可愛いととても評判があり、そのバカさと特徴的な語尾で今でもなお、その人気は衰える所を知らない。
現在のチャンネル登録者数は408万にと、Vtuberの中で最も多い。
「綺羅めくる様が、当たりましたね……」
Vtuberはヤマトしか見てないけど、この人は知ってる。
現Vtuberのトップ!
大当たり引いてて草
ヤマトの次のアタリじゃん!
やっぱり綺羅めくる様もアタリの部類にはいるんだ。
ゲームでの性能はあまり知らないけど、僕の方がこの人よりも上って、年期的にどうなんだろう……。
『ヤマトもまだこの人と一緒に配信したことないんだよね?』
「当り前ですよ。そもそもの接点がありませんし、デビューしたての僕たちからしたら大先輩ですからね。おいそれと誘うことなんてできません」
『ま、それが普通だよな』
「ですです。それでは最後の1枚行きますか。これ以上当たるわけありませんしね」
『あ、今フラグが立ったような……』
最後の紙になると、再び金、そして虹色へと昇格していった。
「……なんて、言えばいいんですかね?」
『知らん』
やってんな。
2枚目までは疑わなかったけど、3枚目は流石に……
俺、一万課金したのに☆3まだ1人……
ヤマトは運も天才レベルだったな……
「やってません!」
何だろう。
いつもは驚いてくれるコメント欄が今日はいつもより冷たい。
というよりも、なんか負の感情を強く感じるんだけど!?
「では、最後の1枚、行きます!」
『どうぞ~』
画面が再び暗くなり、聞き覚えのあるセリフと声が聞こえてきた。
【僕の得意分野は演技に声真似、歌などいろいろですね。あ、今嘘だと思いましたね。『本当だもん!?』さぁ、誰の声か分かりましたか?】
この声の正解は夢見サクラ様。
このセリフを収録した時、僕がVtuberで知り合いだったのはサクラ様とレベッカさまの2人だけで、声真似をする際、台本に【Vtuberのみ】と書かれていたので、よく知っていたサクラ様の声真似をした。
おお!?
来たか!?
マジで?
リセマラなしの一発目でかよ……。
天才の域超えてるよ!
【『天才』 神無月ヤマト ☆3】
まさかの最後の最後に自分を引くという、最高の結果で僕のライバーガチャは終わった。
「最後に出てきたのは神無月ヤマト、僕自身でしたね!」
『これが今回のアタリなんだよね? どう? 自分を引いた感想は?』
「なんでしょうか。自分の言ったセリフをこうして改めて聞くと変な感じですね」
『なんとなくわかる! 私もリメイク配信をする前に初配信とか見直したけど自分の声が嫌で恥ずかしかったわ~』
ハリンさんはライムと似たようなタイプなんだ。
僕はゲームになってるって考えると違和感があるってだけなんだけどなー。
「では、今回のライバーガチャの結果、僕がキュア様、サクラ様、めくる様、ヤマトの4人がアタリ」
『私がデビリット魔怜さんという結果でしたー! いやー、まさかヤマトが3抜きするとはなー。しかも、ヤマトは当たる確率が低いんだろ?』
「らしいんですけどね。恋夢も僕を引くために課金したらしいですし。一発目で出るなんて、相当運がいいですね」
『私の運は次のガチャで覚醒するからな! それじゃあアーカイブガチャに行くぞー!』
「分かりました」
画面をスライドするとすぐにアーカイブガチャのところに移動できる。
アーカイブガチャにもライバーガチャに似たようなものがあるみたいで、アーカイブガチャの場合は低い順から『B、A、S、X』と分けられていて、当然一番のあたりは『X』になる。
「『X』は現在では2枚しか実装されていないみたいですね」
『ライバーガチャで考えるとBが☆1、Aが☆2、Sが☆3って感じだからSが出ればあたりだよな?』
「そうなりますね。ではパッとガチャを回していきましょうか。初回は無料でS以上が1枚以上確定らしいので」
『育成にはこのアーカイブガチャが必須になってくるんだよな? ライバーガチャで振るわなかった分アーカイブガチャはいいのが来ますように!』
ハリンさんと同じタイミングで『アーカイブガチャ』を回すと、ライバーガチャとは違い画面には配信を見るモニターが映り、10個の『再生ボタン』がモニターの中から出てきた。
僕の方には銀が8個、金が1個、虹が1個のという結果。
対するハリンさんは銀が5個、金が3個、虹が1個、そして、黒色が1個。
『えっ!?』
「僕にはない色がハリンさんのところには出てますね。これって……」
おおっ!?
ガチのアタリじゃん!!
やっば……。
まさかハリンのところで出るとは……。
正直、ヤマトの方に来るものかと思ってた。
なんか反応が薄い……。
コメント欄の反応を見るからに、黒色が今回の最高レアの『X』みたい。
「ハリンさんの方はアタリみたいですね。それじゃあ今度は僕の方から見ていきますか」
『ちょっと待って! ヤマトの反応薄いってコメント来てるけど、今どんな気持ちなの?』
「反応が薄いと言われても、僕このガチャ回すの初めてなので、あまり何とも……。」
『あー確かに、知らないことの凄さなんてわからないもんな。因みに、コメント欄には無料ガチャで『X』が当たる確率は全国統一テストで満点取るくらいすごいみたい』
「すみません。あまり実感が……」
『だよな~。難しいって言うのは覚えてるけど取れるわけないもんな』
「あ、じゃなくて、兄さまが毎年実際に取っていたのですごさがあまり……」
『……流石にその返しは想定してなかったわ。先にすすもか』
「ですね。では見ていきますね」
1つずつ見ていく。
ほとんどのアーカイブは切り抜きとかで見たことあるシーンが実際に使用されていた。
そして最後に虹の再生ボタンを押すと、画面が虹色に光出てきたアーカイブは僕がよく知るアーカイブ。
【伝説の自己紹介動画 S】
神無月ヤマトが、動画を撮影しているシーンのイラストが描かれていた。
「伝説って、僕が自己紹介動画してまだ数か月しかたってませんよ」
『いや、あれはいろんな意味で伝説だろ』
だな。
あれでヤマトの名が全国に知れ渡った。
ヤマト様の初配信、懐かしいです。
伝説の誕生の瞬間だな。
何だろう。
こうして僕のことを伝説って言ってもらえると嬉しいような、あの程度で喜ばれて今の僕はそこまでって思われているようで少し悔しいような感じがする。
「さ、次はハリンさんの方に行きましょうか」
『それじゃあ私の方もパパッと行こうか』
銀と金は流れるように紹介して済ませていき、残すところ虹と黒のみとなった。
最初は虹色。
【Vの原点 S】
出てきたイラストは綺羅めくる様の初配信の時のもの。
まさしくVtuberの原点と言えるもの。
『これって何年前のものだっけ?』
「確か10年くらい前のものになると思います。それにしても……」
『ああ、私も見たことあるけど、完全に初配信の時の映像の一部そのまんまだな』
「今回のアーカイブガチャはゲーム用に描かれたイラストと、配信を抜粋したバージョンがあるみたいですね」
『もしかしたら過去を振り返ることができるかもしれないってことだな』
「ですね」
そして、ついに最後の1枚。
黒色の再生ボタン。
【ガーデンランド X】
そのイラストには現ガーデンランドのメンバー全員が描かれていた。
まさに集合写真そのもの。
これはガーデンランド箱推しにはたまらないカードになることは間違いない。
何なら、箱推しではない僕も欲しいくらい。
『このアーカイブメモリー最高じゃん!』
「ですね。多分これを目当てに課金した人も多いんじゃないですか? 僕もこれのためなら10万なんて余裕で課金しちゃいそうです」
『気持ちわかるわ~』
ハリンに同意!
オレも欲しい!
リセマラ三桁しても当たらないアーカイブメモリー
無料で当たるもんなんだ……
「それでは、最後の10連に行きましょうか」
『だな。あと1枚でないかな~』
「一つが『ガーデンランド』と言うことはもう一つは『ごろろっく』ですかね?」
『多分な。詳細見れば確実に……、ああ、間違いないな。Xは『ガーデンランド』と『ごろろっく』だわ』
アーカイブの中でもずば抜けたメモリー
ヤマトには少し劣るけど、当たったら間違いなく勝ち確
出るの事態初めて見た!
全然でないアーカイブメモリーよりも性能が強い神無月ヤマトって、いったい何なんだろう。
最後の10連、お互いに一緒に引いたけど、今回はどっちも虹の再生ボタンを当てることができずに終わった。
「えーっと、今回のガチャの結果僕の方はアーカイブメモリーの【伝説の自己紹介動画 S】が1枚で」
『私が【Vの原点 S】と【ガーデンランド X】の2枚が当たった感じだな』
「そうなりますね。これでガチャは引き終えましたし、次は実際に育成させてみましょうか」
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