第80話 2度目の凸待ち配信 #2
まさか2人目でギャイ先生が来てくれるなんて、正直全然予想してなかった!
一応立ち絵は要してたから問題ないけど。
ギャイってあの
初めて声聞いた!
一ギャイが声出しするのって初めてじゃね?
え、本物!?
多分、ほとんどの人はギャイ先生の声を聴くのは初めてだと思う。
ギャイ先生は同人誌も描いていて、コミケにもサークルとして参加しているけど一切声を出さない寡黙キャラ。
ネットにもそう書かれてるし、現にギャイ先生の声を予想する掲示板なんかもたっている。
そんなギャイ先生の初の声だし。
知っている人が騒がないはずがなかった。
「ギャイ先生。今日は来てくれてありがとうございます」
『うん。ヤマトンとはヴァリアブル・ランド以来だね』
「はい、あの時にもらったサイン大事に飾ってます!」
『ありがとう。実は50万人突破記念の色紙描いたんだけど、住所分からないから手元にある。あとで教えて』
「はい!」
まさかギャイ先生の描いた色紙がもらえるなんて。
しかも、50万人突破記念ってことはこの世に一枚しかない色紙ってことだよね!
感激です!
「早速で悪いんですけど、『ヤマトに言ってほしいセリフ』は何かありますか?」
『急だね』
「来てくれた方への感謝も込めて、今日は何でも言ってあげますよ」
『たくさんある』
「一つでお願いします」
『……じゃあ、「いつまでもへこんでるお寝坊さんなんて、ヤマトは嫌いです!」って言ってくれる?』
「え、あ、はい」
ギャイ先生の一生懸命な声真似、可愛い。
それにしても、なんでこんなセリフなんだろう。
もっとほかにもありそうなのに……
「『いつまでもへこんでいるお寝坊さんなんて、僕は嫌いです! 僕のご主人様なら気持ちを切り替えて頑張ってください』」
『うん。ありがとね。これならモミジンも元気出しそう』
「……ああ、紅葉さんですか。まだ落ち込んでいたんですか?」
『うん。さらに言うとヴァリアブル・ランドでヤマトンが近くにいたのに寝てたから……』
「なるほど、僕の言葉で元気になってくれたらうれしいですね」
『多分元気になると思う』
紅葉って二又紅葉?
え、あのコスプレイヤーの?
マジ!?
ヤマト一気に顔広くなりすぎだろ……
「次に『ヤマトに物申したいこと』何かあったらお願いします」
『うん。特にないかな』
「え、なにもですか?」
『うん。ヤマトンはいい子だから』
「あ、ありがとうございます……」
なんか褒められた。
『しいて言うなら、今度遊ぼ』
「あ、はい。僕はいつでも」
本当は何か言ってほしかったけど、ないならないでも嬉しいかな。
「では次に『もしも、ヤマトと1日入れ替われるとしたら何がしたい?』ですか?」
『役になり切って動いてみたい』
女優の凛音さまと微妙に似た答え。
でも、凛音さまと違ってギャイ先生は本心でそう思ってる気がする。
『そして、漫画のキャラの参考にする』
「流石ギャイ先生です!」
『ありがと』
どこかの誰かとは違う
おんなじ答えなのにこうも違うのはなんでだ?
流石漫画家!
清楚はやっぱり違うね~!
「ちなみになんですけど僕に『配信やオフでやってほしいこと』ってありますか?」
『……配信でイラスト書いてほしい』
「因みに理由は?」
『カナ先生に聞いたけどヤマトン絵もうまいんだよね?』
「はい、一応描けます」
『ヤマトの描き方見てみたいからいつか配信で書いてみて』
「そういうことでしたら、いつの日か描きますね」
プロのギャイ先生に見られるのは恥ずかしいけど、書いてみるのも悪くないかもしれない。
まぁしばらくは予定で埋まってるから先になるかな。
「では最後に『お風呂で体を洗う時何処から洗いますか(頭意外)』」
『……エッチ』
「え、いや、違います! 別に聞きたくて聞いてるわけじゃありませんよ!」
『うん。一番最初から配信見てたから知ってる。変態枠なんでしょ?』
「知ってるなら変なこと言わないでください……」
心臓に悪い。
自覚はあるけどさ、直にそういわれるとどうしても慌てちゃうね。
ホント、なんで僕ってこんな質問選んだだろう。
『私の洗うところはその日で違うかな。調子がいい時は腕から、逆に悪い日はお腹から。何もする気がない日は首からっていろいろある』
「どうしてそういう風に洗ってるとかあるんですか?」
『ないけどルーティーンってやつかな? 私がお風呂に入るの朝だから』
「お風呂で調子を確かめるってことですね」
『そういうこと』
おお!
ギャイ先生は朝風呂派か!
微妙にエロイんだよな~
それが一ギャイの作品の秘密……
こういうお風呂の入り方もあるんだ。
今度僕も試してみよ。
「と、いうことで漫画家の一ギャイ先生でした!」
『ご主人様たち、またね』
そのままギャイ先生は通話アプリから抜けていった。
と、同時に再び誰かが入ってくる。
前回と違って一切雑談する暇がない!
「先ほどギャイ先生が抜けられたばかりなのに、もう次の方が来られました。挨拶お願いします」
え、もう。
早すぎ!
誰、誰?
ウルフちゃんか?
『よぉ、ヤマト! 50万人おめっとさん! このオレが直々に来てやったぜ!』
「……ということで3人目は竜田ラノ様です」
『ご主人様どもよろしくな! オレはガーデンランド2期生の最恐生物、竜田ラノだ! 気に入らねぇ奴は食っちまうぜ!』
……だれ?
知ってる?
知らない……
え、怖いんですけど
『え、これどうすればいいの?』
ラノ様はいい感じに困っている。
それもそうかも。
いつもはあのあいさつで、リスナーが反応してくれているのに今回は誰も反応してくれない。
多分配信画面をつけながら見てる感じかな?
せっかくだしフォローしてあげよう。
「『みんなのアイドル! 最恐の恐竜ティラノサウルスの竜田ラノだよ! 私のことを忘れるなんて、ご主人様たちひどい!』」
ああ、思い出した!
思い出したから泣かないで!
いつもと違うあいさつで気づかなかったよ!?
知ってるよ! ガーデンランドのラノちゃんでしょ!
「うん。皆様がラノ様のことを知っていてよかったです」
『よかねぇよ!? あのあいさつのせいで最近オレの配信でよく求められるんだぞ!』
「え、なんかそれは本当にすみません」
『え、あ、わかってんならいいんだよ!』
それはさすがに申し訳ない。
まさか僕自身がラノ様に迷惑かけていたとは。
親衛隊にはああいってたのに恥ずかしい。
「それじゃあ早速なんですけど僕の配信って見ましたか?」
『ああ、見たよ。いやマジで、すげぇってお思ったよ。普通に大型新人じゃねえか、ってな!』
「そう言ってもらえると嬉しいです。で、早速なんですけどラノ様にとって僕は男の子ですか? 女の子ですか?」
『お、来たな! まぁ行ってしまえば普通に男だな。って言うよりもいたずら小僧だわ!』
「小僧じゃないですけどね……」
まぁ、ラノ様をからかってるからいたずら小僧って言えばそうなのかも。
そう言われると
ラノに対してはヤマトってよくからかうよな
あれか? 好きな女子に悪戯したくなるって言う……
じゃあヤマトはラノのことが好きってこと!?
「全然違います。僕がラノ様をからかうのは反応が楽しいからです」
『それよく言われるわ』
「そうなんですね。というわけで竜田ラノ様でした! ありがとうございます!」
『勝手に終わるな! まだ何も聞かれてねぇぞ!』
「聞いてほしいんですか?」
『当り前だろ!?』
「じゃあ聞きますね」
流れるようなラノ虐!
ラノ虐うま!
流石ヤマト様、流れるようにラノ虐するね!
いい感じにご主人様たち盛り上がってくれたし、あとでラノ様に謝っとこ。
「それでは『ヤマトに言ってほしいセリフ』は何かありますか?」
『そうだな。オレは弱肉強食が好きだからな。「僕はラノ様に負けた負け犬です」って言ってくれよ! 出来るんだよな?』
「屈辱でしかないですね」
『おうおう、なんとでも言え!』
これはさすがに屈辱でしかない。
よし、そちらがそう来るのであれば、こちらも仕掛けさせてもらいます!
ラノ様の声で、
「『私はヤマト様に負けた負け犬です! ぜひ、ヤマト様の好きに使ってください。わんわん』うんうん。可愛い負け犬ですね」
『んあっ!? 私死んでもそんなこと言わないよ!』
「はい、『私』いただきました!」
『あっ!?』
ごちそうさまです!
最高です!
流石ヤマト様!
ラノ程度には屈さない
「いやーすっきりしましたので次に行きましょうか。多分ラノ様はこれ多そうだなー」
うん。
多分次の質問に関してはラノ様が一番多いと思う。
まぁ1個だけの予定だから問題ないよね。
「では次に『ヤマトに物申したいこと』を1つだけ、お願いします」
1つのところ強調してきた
ヤマト自身分かってるってことか
まぁ、一番ラノが多そうだよな
さぁラノ様、いつでもきていいですよ!
『そうだな。……一つしかないな』
「え?」
『まぁ、ヤマトが身構えるのは分かってたけどオレが言いたいことは一つ。ラノ虐した後謝んな。自分で言うのは何だけど、あれはあれで楽しいからさ。リスナーも喜んでくれてるしな』
「……つまりラノ様はドMってことですね」
なんだ。
そうだったのか
今まで謝ってたヤマトがかわいそう
ラノ様サイテー
『ドMじゃねぇ! コメントも勘違いすんな!』
「まぁ、そういうことなら謝らないようにします。ドM竜さんのためにも」
『誰がドM竜だ!』
「あはは、では次に『もしも、ヤマトと1日入れ替われるとしたら何がしたい?』ですか?」
『話そらしたな! ……まぁ入れ替われるんだったら、普通に性別調べる。ヤマトがどっちか知りたいからな』
確かに。
なぜその考えを思いつかなかった!
普通過ぎるけど、逆に納得
ヤマト様の体を調べる!?
「僕の体を隅々調べるって、ドMスケベ竜ですか?」
『性別を調べるだけだ!』
まぁ入れ替わったら、すぐに性別なんてわかるんだけどね。
「じゃあ次に『配信やオフでやってほしいこと』はありますか?」
『いや、特にねえな』
「そうですか。因みに僕はラノ様には1か月間、僕の考えた挨拶をやってほしいって思ってます」
いいなそれ
採用
採用
それした方が絶対に良いって!
『死んでもしねぇ! あんなの恥ずかしくてできるか!』
「では恥ずかしくなければしてくれるってことですか?」
『……そん時考える』
「じゃあ思いついたら送るので、その挨拶してくださいね!」
『いいぜ!』
よし、今度考えて絶対にしてもらおう!
それにしても時間も少ないし、巻きで行かないと!
「じゃあ最後に『お風呂で体を洗う時何処から洗いますか(頭意外)』」
『そうだな。最初髪洗って次に顔、で体洗うんだけど……脇、かな?』
「……恐竜に脇ってあるんですか?」
『あるわ!』
……えっろ!
マジか……
この人はまともな場所だと思ったのに……
実はこの人男の子だったりして
「……えーっと、最後に実は男の子という疑問ができましたが、今日はガーデンランド竜田ラノ様に来ていただきました! ありがとうございます!」
『気にすんなって、なんだ男の子って!?』
「ありがとうございます!」
『ちょ、おい!』
これ以上続けたら時間かかりそうだったから強制的に切り、もう一度付け直す。
3人ですでに30分越え。
少しペース上げていかないと!
「あ、次の方が来てくれたみたいです! お名前の方、よろしくお願いします!」
『どうも。ご主人様がたお久しぶりです。シンガーソングライターやってます。ライムです』
「ということで、4人目はライムさまです!」
……うん。何でいるの?
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