第63話 オフコラボ feat.レベッカ・カタストロフィー #4


レベッカさまに言われ、後ろからレベッカさまのしているゲームの観察をしていると、分かったことが一つある。


このゲームで、僕が何かに気づくことってほとんどなくない?


レベッカさまはコメントを見ずに、実況をしながらゲームを進めているので、コメントの対応は僕がしていると流石にレベッカさまの方ばかりを見ることはできない。


『と、ここの問題は理科の教科書にも載っていると思うから、分からなかったら見直した方がいいかもね』



教科書なんてもうないよ!

卒業してすぐに捨てたな……

いい思い出だったな……

教科書と書いて落書き帳と読む

特に歴史の教科書は落書きの名本だもんな!



『皆様、そんなことしてたんですか? さすがの僕でも落書きはしてませんよ……』

『え、勉強できない子って教科書に落書きばっかりしているイメージだったのに、ヤマトって落書きしてなかったの?』

『僕にそんなことする勇気なんてありませんよ。何より、教科書に落書きするなんて罰当たりです! 作ってくれた人に申し訳ありませんよ!』

『良いこと言うね!』



俺が悪かった!

捨ててしまった教科書。もういないかもしれないけど言わせてくれ、ごめん!

ヤマトってものを大切にする一面もあったんだ

物思いのヤマトきゅんも素敵!



『まぁ、落書きはしませんでしたけど、枕にしたことはありますかね。あの分厚さがちょうどいい高さになってくれるんですよ!』

『前言撤回! しっかり教科書として使ってあげようよ!』



まさかの不意打ち!

確かに枕にするにはいい高さなんだよな……

枕にしたときに教科書の臭いがして頭がリフレッシュされたのを思い出す

俺は早弁するためにバリアとして使ってたな!



『枕にしたのには意味がありますよ。昔聞いたことがあるんです。頭の下に本を敷いて眠るとその本の夢を見るって。そうすれば少しは頭がよくなるかなと思ったんですけど……』

『やってることが、眠ったら覚えるって言ってる人と同じすぎる! それに教科書の夢って何?』

『分かりません』

『夢見たんじゃないの?』

『うわさを聞いたことはあると言いましたけど、見れたとは言ってませんよ』

『……確かに。え、じゃあその行動って意味なくない?』

『はい。無駄な努力でした』

『そういうのは努力してから言おうね』


レベッカさまは、実況をやめて僕と会話をしながらストーリーを進めていった。


早さで言えば国語には到底及ばないけど、それでも普通に早い。


『あ、間違えた』


ここで珍しくレベッカさまが間違えたみたい。


これまでも数問ほど間違えたことはあったけど、今回はそれだけ難しいらしく、選択問題なのにだい長考している。


って、あれ?

この問題の答えって……。


『レベッカさま、この問題の答えは3番ですよ』

『え、どうして?』

『いえ、なんとなくなんですけどそんな気がしたんです』

『……とりあえず、3番で行ってみようか』


レベッカさまが3番を選択すると、赤丸がつけられる。

そして、モンスターに大ダメージ。


『すごい! なんでわかったの!?』

『いや、本当にただの勘なんですよ……』


自分でも正直分かってない。

でも、あの選択肢を見た瞬間、頭の中で3番という言葉が浮かんできた。


だから分かった理由なんて存在しない。



ヤマトすげぇ!

ただの勘でも普通にすごくない?

全然解けなかった……

俺の勘は1と言ってたのに……



『……ヤマトって選択し問題間違えたことあるの?』

『どうでしょう。僕の学校選択肢問題ほとんどなかったのであまりわかりません』


覚えている範囲では、選択肢問題を答え忘れた覚えはたくさんある。


あの時は後でも解けるって思ってたら、時間が足りなくて解けなかったんだよね。


『……まぁ、ヤマトのおかげ難しい問題も突破できたし、早くこのステージも攻略しちゃおうか!』


そこからのレベッカさんは、少しつまずくことはあっても、長く考えることはなかった。


多分、可能性のある選択肢がたくさん出て来て、どれも可能性があったせいで迷ったんじゃないかなと思う。


ステージ開始して、約1時間。

理科Ⅱのラスボス戦で一度負けたけれど、再挑戦にてステージをクリアした。


『……難しかった! 多分今日一頑張ったと思うよ!』

『え、そうなんですか? 実況しながらやってたので余裕かと思いました』



実況してたから、楽そうだと思った!

え、今日一なん?

そんなに大変そうじゃなかった……

余裕そうじゃなかった?



『まぁ、実況しながらする余裕はあったんだけどね、問題が難しくて、頭があまり回らなかったよ』

『そういえば、レベッカさま、今日初のデスでしたもんね』

『うん、1回もやられるつもりはなかったんだけどね。だからとっても悔しい!』



……確かに。

今日1日が長すぎて全然気づかなかったけど……

確かに初めてやられてた。

そう考えると、今日1頑張ったってのにも納得いくな……



『レベッカさま、次はどのステージ行きますか?』

『うーん、あと残っているのは英語と地歴公民だから……英語を先にやっちゃおうか!』

『はい……僕は絶対に役に立てないので応援しておきます!』

『うん。でももし何かわかったことがあったら言ってね。さっきの科学では助けられたから!』

『分かりました。ということでご主人様がた、ついにレベッカさまの英語が始まりますよ! 本場の英語を見ながら一緒に学んでいきましょう!』



おお!

レベッカって英語をしゃべることあんまりないからな……

たまに単語を言うくらい?

普通に楽しみ!



リスナー様たちも楽しみにしているように、僕も少しだけ楽しみ。

レベッカさまは英語よりも国語が得意と言っていたけど、それでもアメリカ出身の外国人。

英語だって絶対にできるはず!


『あー、ご期待に沿えないかもしれないけど、多分英語はあんまり話さないと思うよ』

『え、そうなんですか?』

『うん、英語は学べるかもしれないけどね。だから、みんなは私の答え方を見ながら学んでね!』

『ということらしいです。英語を聞くことはできないかもしれませんが、しっかりと説くところを見て、僕たちも英語の勉強をしましょう』



はーい!

はいっ!

ヤマト様と一緒に英語の勉強ができるなんて幸せです!

英語を覚えるには外国人の彼女と付き合うといいらしい。



『へー、外国人の人と付き合うと英語が上達するんですか。知りませんでした!』


僕がコメントに対応している間に、レベッカさまはゲームを始めていた。


最初の問題は比較的簡単な穴埋め問題。


【問題 次のカッコに入る文字を入れなさい。 I ( ) ken】


『簡単だね。訳は【私はケンです】。この中にはいつのは【am】だね』


宣言通り、【am】を入れると赤丸がつけられる。


『ヤマトはさっきの問題の答えは分かった?』

『はい、いくら僕でも英語の挨拶くらいできますよ』

『ふ~ん、じゃあ今から言う英語を訳してみてよ。【Nice to meet you】』

『……えーっと、こ、こんにちは?』

『それはhelloね。答えは初めまして。これくらいできないと英語の挨拶ができるとは言えないよ』

『出直してきます』



レベッカの英語スゲー!

本場の英語だ!

日本人はどうしても単語すべてを読んでしまう癖があるからな。俺もだけど

やっぱり発音からだいぶ違うね



『まぁ、私の英語なんてアメリカに言ったら普通だからね。それに、うまく発音できなくてもある程度は伝わると思うから、英語ができない人は外国に行くことがあったとしても伝える努力だけはしてね!』

『だそうです。皆さま、最低限の英語だけ勉強して、あとは気持ちで伝えるようにしましょう!』



おー!!

……話しかける勇気がないので。

外国に行く予定がありません

人に伝える力があったら、陰キャなんてやってない……

そもそも外国怖いから行きたくない。

家から出たくないです!



『まぁ、皆さんならそう言うってことがなんとなくわかってましたよ。僕もそっち側なので』

『何共感してるの? 次の問題に行くよ!』


ゲーム画面を見ると、すでに新しい問題に切り替わっていた。

レベッカさんはその問題を難なくクリアして、先に進んでいく。


しばらくすると、英語の問題でも選択肢問題が出てくる。

レベッカさまなら簡単に解けるかと思ったけど、なかなか苦戦しているみたい。いまだにどれを選択しようか悩んでいる。


『ヤマト、どれがいいと思う?』

『レベッカさまに解けない問題が僕に分かると思いますか? 何より英語ですよ?』

『英語って言っても、スペルを当てる問題は難しいんだよ。日本人だって、漢字を埋める問題の時に間違えたりするでしょ。それと同じだよ』


分かりやすいたとえ。

日本人なのに日本の言葉が分からない人がいるように、外国人なのに英語を解けない人がいるってことだよね!


『2番だと思います』

『因みに理由は?』

『ただの勘です。頭の中で『2』という数字が鳴り響いてるだけなので』

『……よし、2番にしよう!』


レベッカさんが【2】と入力すると赤丸がつけられた。


『やったー! やったよヤマト!』

『や、やりましたね。当たって良かったです』

『これで裏ボスに行ける!』

『……裏ボス?』


聞きなれない言葉が出てきた。さっきまではラスボスだけだったのに、急に出てきた裏ボスというのは何だろう。


『あ、ヤマトは知らなかったね。裏ボスって言うのはね、このゲームにある指定の問題を一発でクリアすると、戦えるボスだよ。そのボスを倒すと、いくつかアイテムがもらえるんだ』

『それがさっきの問題ですか?』

『うん。英語のラスボスは特に難しいからね。準備万端で行きたいんだ! ……お、モンスターが出てきた!』


裏ボスとのバトルが始まったが、そこに出てきた問題文のヤバさに、あまり驚きを隠せない。


文章にして約20行すべてが、英文で埋め尽くされていた。


『……OK。解けました』

『……え、早くないですか?』

『この問題は何回もやったことあるからね。慣れたおかげでどこを見ればいいかとかわかるようになったんだよ。これで良し!』


レベッカさんは、読むことのできない速さで、英単語を打ち込むと赤丸がつき、いろいろな道具を手に入れた。


『さてと、最終戦に向かいますか!』


レベッカさまの最終戦、それはもう見事なものだった。


問題に流れてくるのは、いくら見ても全く分からない英文に、いくつもの問題。

更に、1問の制限時間は60秒のみ。

残った時間は次の問題へと加算される。


レベッカさまは裏ボス討伐で手に入れた、『翻訳薬』や『時間遅延』などのアイテムを使いながら着実に問題を解いていった。


僕はというと——


『「あーっと! ここでレベッカさま、問題を読んで手が止まってしまったぁ!? 時間は一向に迫ってきてます。間に合うのかぁ? 解説のヤマトさん、どう思いますか?」』

『「ええ、これは少し手が貯めっているように見せかけて、先の問題の解答を見つけていると思います。『翻訳薬』と『時間遅延』のアイテムは残り1つずつですからね。時間が残っているうちに問題も解いておこうという考えだと思います」』

『確かに! 『翻訳薬』と『時間遅延』の効果時間はリアルタイムにして約60秒! この時間はなるべく有効に使っていきたい!』


一人二役で、レベッカさまのプレイを実況・解説していた。


本当はレベッカさまの役に立とうと思ったけど、問題を見た瞬間にこれは何の役にも立てない! って思ったんだよね。

で、何しようかなって思ったら、レベッカさまが言葉を発さなくなって、レベッカさまの声をアテレコしようと思ったけど1回やったから、せっかくだし実況・解説しようって思って、こうなった感じかな。


『「さぁ、ここでアイテムの効果が切れてしまいました! レベッカさま、一気に問題を書いていく! 残った時間が追加されて、今現在の制限時間は約200秒になってます!」』

『「いい傾向ですね。これはクリアまで一気に近づいた感じがします」』



すげぇ、スポーツ観戦してるみたい。

声がマジモンの実況・解説だから違和感が半端ないんだよなぁ

分かってはいたけど、やっぱり声真似のレベル超えてるな……

声がよくて分かりやすい!



リスナー様たちにもなかなかな好印象。

よし!


『「ああっと!? レベッカさま、ここで痛恨のミス! 大ダメージが入ってしまう!」』

『「これは痛いですねぇ。ここでラスボスがミスをしてくれればいいのですが……」』

『「さぁ、どうなるでしょう! っと、ここで今夜のスペシャルゲスト! 神無月ヤマトさまが来てくれました! 神無月さま、よろしくお願いします!」』

『よろしくお願いします』



一人三役!?

ハードル上げていったぞ!?

ちゃっかりと自分のことスペシャルゲストって言った?

勉強の実況に勉強できないやつ呼んで大丈夫か?



『「早速ですが神無月さまはレベッカさまの現状をどう見ますか?」』

『そうですね。問題無いと思いますよ。ラスボス様がミスをしてくれたらですけど』

『「確かに、神無月さまが言う通り、相手がミスしてくれないとレベッカさまの攻撃は始まりませんからね」』

『「さぁ、ここでラスボスの攻撃が始まり……おおっと!? 絶好のチャンスでミスが出てしまった!? ラスボス、焦ってしまったか!?」』

『何はともあれ、レベッカさまのチャンスです!』

『「ここは一回アイテム回復を使うべきですね。今のまま問題を解き続けても、一撃では倒せない。ならここは残りHPを回復してでも次につなげるべきだな」』

『ヤマト様の言う通りですね。レベッカさまもそうお考えのようですよ』


レベッカさまはアイテムを使い自身のHPを回復した。

残りアイテムは回復アイテムが少々。そして『翻訳薬』と『時間遅延』が1個ずつ。


『「回復でターンを使ってしまったレベッカさま。ここでラスボスが行動に出る!」』

『これは少しまずいかもしれません』

『「それはどういうことでしょうか?」』

『「簡単ですよ。確かにレベッカさまはHPを回復した。けどそれはラスボスが特大攻撃をしてきたら意味はなくなります」』

『「お二人は先ほど、回復した方がいいとおっしゃっていませんでしたか?」』

『言いましたよ』

『「ですが、レベッカさまはここでHPが全快する回復アイテムを使ってしまった。ここはリスクを冒してでも、数の少ない回避率アップの回復アイテムを使うべきでした。あれを使えば3ターンの間回避率が90パーセントになりますからね」』

『これでは先ほどと同じように、ミスを願う形になってしまいますよ』



確信づいてる

やっぱりそうだよね!?

流石のレベッカさまでも焦りが出てしまったっか……

これで倒されてしまったら、この後の攻略は困難になる!



『あー、やってしまった!』


レベッカさまも気づいたらしく、コントローラーを机に置き、祈るように両手を握る。


ラスボスは1問、2問と次々に正解していき、10問目になったところで間違えてくれた。

でも、これでは残ることができるかぎりぎりのライン。


『「ここでラスボスの攻撃!? HPが減っていく! ……た、耐えた! 耐えました!? 残りHP12、ぎりぎりです!」』

『ですが、一ターン前とはあまり状況が変わっていませんね』

『「神無月さまの言う通り。レベッカさまもそのことは分かっているようですよ。ここで回避率上昇の回復アイテムを使っている。HPは前回にならないけど問題ないでしょう」』

『「さぁ、再び相手モンスターの攻撃! 1問、2問、3問……11問正解したー!?」』

『これは回避無しないと終わりですね!』

『「モンスターの攻撃は……外れた!」』

『「レベッカさまは後1ターン回避率が上昇しています。ここで出来る限り問題を削っておきたいですね」』

『「レベッカさまはそのまま問題を解いていく! どうしてアイテムを使わないのでしょか」』

『「……すみません。私に聞かれてもわかりません」』

『僕もです』



ああ! 途中までちゃんと実況できてたのに!

この実況肝心なところで役に立たねぇ!?

しっかり効果見ようよ!

惜しい!



そんなに言われても、翻訳効果と時間遅延の効果しか知らないんだから仕方ないじゃん!

むしろここまで頑張った僕のことをほめてほしいよ!


『『回復アイテム:回避率アップ』は、効果が持続している間他のアイテムが使えないんだよ! だから、アイテムを使わずに問題解いてるの!』

『「だ、だそうです。レベッカさまありがとうございました。さぁ、気を取り直して見ていきましょう! レベッカさま、アイテムが使えない状況だというのに難なく問題を解いて行っているー!」』

『「これはレベッカさまだからできることですね」』

『僕だと一切問題を解くことができませんよ……』

『「さぁ、5問解いたところでタイムアップ!」』

『「これは、次で行けるかもしれませんね」』

『その前にここの攻撃を回避しないと……』



頼む! 回避してくれ!

ラストチャンス!

ここで生き残れば最後に行ける!

ここで落ちたら先が長くなってしまう!



リスナー様たちも僕と同じように祈ってくれている。

ここがこの問題の正面場!


ラスボスは1問目に正解、そして2問目……ミスをした。


『「これは攻撃が当たった!? だが、正解数は1問!」』

『「ぎりぎり耐えられると思います」』

『「ラスボスの攻撃……た、耐えた! 残りHP3!?」』

『これがラストターンですね。頑張れレベッカさま!』


レベッカさまはすぐにアイテムを使用。

そして一気に問題を解き始める。


1問、2問、3問と次々に正解していき14問目のところでタイムアップ!


『「レベッカさまのラスト攻撃は……命中!? ラスボスのHPが0になる! レベッカさまの勝利です! ……もう少し勝利の要因に浸っていたいですが、お時間が来てしまったようです。今回は実況は私神無月ヤマト、解説席には神無月ヤマト様、スペシャルゲストに神無月ヤマト様に来ていただきました。お二人ともありがとうございました」』

『「ありがとうございました」』

『ありがとうございます。……ということで、レベッカさまクリアになります!』



実況・解説・スペシャルゲストが全員一緒な件について……

見てるこっち側が緊張したよ……

ヤマトがいてくれたおかげで、飽きずに見れた!?

次はいよいよ社会!



『レベッカさまお疲れ様でした』

『お疲れ様。今何時?』

『もう6時過ぎですね。夕ご飯にしますか? お風呂にしますか?』

『お風呂まだ入ってないよね? 先に夕ご飯にしようか。何か頼む?』

『レベッカさまの家にある冷蔵庫の中に何か入ってないんですか?』

『同期たちがたまに遊びに来るから、入ってはいるけど、私何も作れないよ?』

『大丈夫です。僕が作りますね!』

『ホント!? じゃあ私お風呂入れてくるよ!』

『お願いします! ……というわけでご主人様がた、しばし休憩時間に入りたいと思います。お昼と同じように配信はつけておきますので、僕たちの姿を見るもよし! いったん配信を切って休むもよし! 再会は……8時からにしますか?』

『良いと思うよ』

『それでは再開は8時から、ぜひ来てくださいね!』



ずーっと見てます!

やらないといけないことあるから終わったらまた来るね!

ヤマトって料理で来たんだ……

なに作るのか楽しみ!



視聴人数は一気に減ってしまったけど、それでも3000人も残ってくれていた。


「ヤマト、冷蔵庫は自由に見ていいからね! コンロの下の物入に調味料とかあるよ!」

「分かりました!」


冷蔵庫の中には卵はもちろん、そこそこ食材はそろっている。けど、メインとなるものはあまりない感じかな。


冷凍庫の中は……鶏肉?

ということはあれができるかな。

だけど、あれを作るにはこの家に必要なものが全部そろっているか……


確かコンロ下の引き出しだったよね。


コンロ下の引き出しを開き、中を確認するとそこには塩コショウに油などが入れられていた。


そしてお目当ての酢に小麦粉もしっかり入っている。


これで、あれが作れる。

延岡市発祥のあれが!


さぁ、お米を炊いてから料理を始めようか!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る