第61話 オフコラボ feat.レベッカ・カタストロフィー #3
出前アプリでお弁当を注文してから、僕はゲームのほうに戻った。
さっきゲームオーバーになってしまったので、今はレベッカさまがプレイしている。
『えーっと、【問題 円周角の定理を6つ答えよ】……ヤバい。4つしか覚えてない』
問題を見ればわかるけど、レベッカさまは僕と同じ数学の問題を解き、現在のレベルは48。だいぶ先に進んでいる。
どうしてこんなにレベルが高いのか。
答えは簡単で経験値のいいモンスターばかりを倒して先に進んでいるから。
流石やり込んでいるだけのことはある。
因みに僕は、途中から問題の意図を全く理解できなくなった。
今レベッカさまが解こうとしている問題も全く理解できないもん。
これって数学だよね?
『えーっと、【同じ弧に対する円周角は等しい】【同じ弧に対する中心角は円周角の2倍】【直径に対する円周角は90度になる】【弧の長さが同じなら円周角・中心角も等しい】……あと2つ何だっけ!? ヤマト分かる?』
『全然わかりません』
ヤマトにそれを求めるな。
ヤマトが分かるわけない!
難しすぎない?
あー、これ受験に出てたな~。
レベッカに解けないものをヤマト様に解けるわけないでしょ!
コメント欄、少し僕に対して失礼すぎない?
まぁ、本当のことなんだけど……。
現在、僕はコメント欄を見ているが、最初はコメントを見るの禁止にしていたけど、レベッカさまの配信はスパチャがたくさん飛ぶため、せめて反応しようということになり問題を解いていない方がコメントに反応することになった。
『えーっと、【円の内接する四角形の対角の和は180度になる】あと1つ!』
『レベッカさま、時間が!』
『え? ……あ』
ここで時間切れとなり、レベッカさまは問題を解くことができずに不正解。ペナルティーによりレベッカさまはダメージを受けた。
因みに相手モンスターが同じ問題を解き、残りの一つを正解し、レベッカさまに大ダメージが入る。
『あー! 残り一つは【円周角・中心角の大きさは弧の長さに比例】だった!』
『よく覚えてますね。僕全く分かりませんでしたよ』
『ヤマトはそうかもね。でも普通だったら覚えてないと! 高校受験の問題なんだから!』
……ふつう覚えなくね?
いくら勉強してもこれを覚えるなんて無理がある。
これって数学の問題だよね? 国語の問題じゃないよね?
安心しろ、数学の問題だ。それもかなり高難易度の……。
解ける方がおかしいよ……
『リスナーの皆様も解けないみたいですよ?』
『え、ふつう覚えるよね!?』
いや、覚えねぇよ!
俺大人だけど、使う機会って全くない
受験勉強の時に「これいつ使うんだよ!」って言いながら勉強したの思い出したな~
これに関してはヤマトの方が普通。レベッカの方がおかしい。
『とのことですけど……、何か感想は?』
『え、えーっと……あ、次の問題行かないと!』
『逃げましたね』
【問題 次の4つの公式を求めよ。 円の面積、円錐の側面積、球の表面積、おうぎ形の面積】
既に僕には全く理解できない文字がたくさん。
そもそも公式って何?
『これは前の問題に比べれば簡単だね』
『えっ』
『答えは【πrの2乗】【π×半径の2乗×360分の中心角】【4πrの2乗】【πrの2乗×360分のa】ですね』
レベッカさんが記入し終えると、回答には4つの赤丸がつく。
つまり全問正解。
『ヤマトはこの中で何か知ってるのあった?』
『πだけは知ってました。クラスの男子が叫んでたので』
『あー、確かに、男子中学生はこの言葉好きそうだね~』
……ああ、
俺も中学の時叫んだな~
必ずいるよね、下ネタがあったらそれで遊ぶ人。
私の学校の男子もよく使ってた。
男なら必ず一度は通る道……
男子「これあの子のπだよ!」女子「男子サイテー」これが日常だったな。
分かるっ!
やっぱり全国どこでもそうなんだ。
僕はまったく気にしなかったけどね。
むしろ3.14がπに変わってくれたおかげで面倒くさい計算をする必要がなくなって喜んでたな~。【π×x=xπ】って答えればよかっただけだし。
『さてと、πの話はここまでにして、次に進もうか!』
『ですね。まぁ、僕は問題がまったくわかりませんけど』
レベッカさまがゲームを再開しようとすると、家のチャイムが鳴った。
『あ、出前来たかな。ヤマト、私少し見てるから代わりにやってて!』
『え?』
レベッカさまはそれだけ言い残し行ってしまう。
渡された直後、モンスターとのバトルが始まってしまう。
おいおい!
ヤマトにこのレベルは無理だろ!
幼稚園生の高校受験の問題を渡して解かせるのと全然変わらんぞ!
オワタw
なんかさんざん言われてる。
仕方ない。これだけは使いたくなかったけど、使うしかないよね!
『リスナーの皆様。大変長らくお待たせしました。ここから僕、本気出したいと思います』
どうした急に?
今までは本気じゃなかったのか?
本当は頭がよかったりして……。
ヤマト様の本気気になります!
【問題 柱体の体積を求める公式を答えよ】
お、簡単じゃん!
これならヤマトでも行けるだろ
これだったら数学ができない俺でも行ける!
さぁ、ヤマトの本気見せてくれ!
みんなすごいな。
こんな難しい問題が簡単なんて。
僕なんて問題の意味を理解することすらできないのに。
大体柱体? って言うの何。せめて図形見せようよ!
そしたら解けるかもしれないからさ!
レベッカさまがここまで進めてくれたのに、適当に答えて失敗したら申し訳ない。
それにこれはまだ数学編。
この他にも国語、英語、理科Ⅰ、理科Ⅱ、地理、歴史、公民とあるのに、時間をかけるわけにはいかない!
仕方ないね。
ここは僕の本気を出すとしよう!
『「リスナーのお兄ちゃん、お姉ちゃん、僕に答え教えて」』
……ぐはっ!?
え……だれ?
耳が壊されかけた!
え、え……何?
て、天使が見える……
あれ?
なかなか答えが出てきてくれない。
仕方ない。もう一回お見舞いしよう!
『どうしたのお兄ちゃん、お姉ちゃん。僕、早く答えが知りたいよぉ。なんで教えてくれないの?』
少し泣き声で言うことでみんなの母性本能をくすぐる。
言う! 言うから泣かないで!
柱体の公式だよね! 今調べるからね!
簡単って言ってて答えが出て来てないの草
俺がヤマトちゃんに一番に教える!
いや、僕だ!
コメントする暇があったら調べろよ
お、いい感じにコメントが盛り上がってくれてる。
やっぱりロリ、ショタ声はなかなか使えるね。
『ヤマト! 今戻ったよ!』
『あ、やばっ!?』
『お? リスナーたちと何か話してたの? 私にも見せて~』
ヤバい! と思った時にはすでに遅く、レベッカさまは僕の横からコメント欄をのぞき込んだ。
柱体の公式は底面積×高さだよ!
底面積×高さ!
底面積×高さだから、これを記入して!
底面積×高さだよ! だから泣かないでね~
底面積×高さ
底面積×高さ
底面積×高さが答え! レベッカが来る前に記入……あっ
あ
あ
ヤマト終了の知らせ。
カンニングがばれる! 早く隠せ!
底面積×高さ
あ~あ、やっちまったな!
『ヤマト、これはいったい何デスか?』
『え、えーっと、これはですね……』
ヤバい、レベッカさんがものすごく怖い……!?
あ、オワタ
レベッカガチギレ中
外国人特有の訛りが出た
触らぬ神に祟りなし、ヤマト様申し訳ございません。
レベッカは普通にしているときは感じられないけど母性が強いからな。
『れ、レベッカさま? 少し落ち着きましょ!』
『shut up、ヤマト? 私は何してるかを聞いてるデス』
『……か、カンニングを、してました』
声振るえてる
そら振るえるわな
怖すぎだろ
流石にこれはヤマトが悪いな。
『ヤマト? カンニングはいいことデスか?』
『い、いけないことです』
『じゃあ、なんでカンニングしたデスか?』
『こ、答えが分からなかったので……』
レベッカさまの顔を見ることができない。
でも、どうしてこんなに新鮮な気持ちになってるんだろう。
怒られているのに変な気持ちの正体。
それはあっさりと分かってしまった。
そうだ。僕がここまで本気で真剣に怒られるのって、生まれて初めてなんだ。
母さんは基本僕たちを怒ってくれない。
ダメなところは優しく注意して、同じことを繰り返さないように言ってくれる。
父さんはダメだったところをぼかすように言い、気づかせ、どうすればいいかのアドバイスを教えてくれる。
だけど二人とも本気で怒ったりしない。
それは僕たちを思ってていうのもあるだろうけど、何よりも少ない家族の時間を大事にしたいから。
だから、怒る暇があったら注意して切り替えてくれる。
だけどレベッカさまは違う。
しっかりいけないことは注意してくれる。
そして優しい。
『答えられなかったらいけないことして良いんデスか?』
『……ダメです!』
だからこんなに心に響くんだ。
『良いデスか、ヤマト。解けないなら解けないでいいじゃないデスか。大事なの自分の力で解こうとした行動と、間違いを恐れない気持ちです』
『うぅ……』
『さぁ、私の胸に飛び込みなさい。受け止めてあげますから』
『ママーーー!!!』
両手を広げるレベッカさまの胸に僕は思いっきり飛び込む。
別にやましい気持ちはない。
ただ、レベッカさまの胸は母性の塊だったことだけは覚えている。
良い話やな
俺、小学生のころカンニングしたのを悔やんだ
自分はテストのやり直しでカンニングしたわ。
学生時代の時にこの配信見たかったー
これが、レベッカが『非常識組』のママと呼ばれる所以!
更にレベッカだとどんなに気まずい空気になっても元の空気に戻すことができる!
『さぁ、ヤマト! 気を取り直してゲームやろうか! この問題解いたらお昼食べよ!』
『はい。柱体の公式ですよね。……【底辺×高さ÷2】!』
さっき見たコメント欄が一瞬で頭から吹き込んだので、僕の知る唯一の公式を記入する。
何の公式だったかは忘れちゃったけど……。
案の定、答えは間違い。
自分にダメージが入り、敵の攻撃を受けて倒れてしまった。
『……やられましたね』
『でも、自分の力で解いた方が面白いでしょ。勉強もゲームも同じ、最初っから答えを見て進んでいっても何も面白くないんだよ。せっかくなんだし苦労して攻略しないとね!』
『今後は気を付けます』
『うん。それじゃあお腹空いたし続きはお昼ごはん食べてからにしようか。それじゃあみんな、いったん休憩ね! 配信したままにしておくから、私たちの日常を聞きながらお昼ご飯を食べるもよし。いったん切ってから、再開するときに繰るもよし! ということで次は1時からゲーム再開するね!』
『それじゃ13時になったのでゲームを再開するよー!』
あの後、昼ご飯を食べた僕たちだったけど、特に何もなかった。
というよりも、届いた弁当を食べながら普通に世間話をしていたら時間なんてすぐに過ぎて行ってしまった。
『ヤマト、ここからは私が解いていくから後ろから見ててね!』
『はい。頑張ってください』
流石レベッカ、午前の雰囲気を完全になくしてる。
レベッカのこういうところ、マジすごいよな。
ヤマト、今後は気をつけろよ
『私まだゲーム始めてないから配信見れるんだけどさぁ、もとはと言えばみんなが注意すればいいことだったんじゃないの?』
あれ?
これ俺たちも……
怒られるパターン?
いや、ヤマトが聞いてきたから……
『ヤマトのせいにしないの! この子はまだ15歳。本来なら高校生なんだからね! いい、新人で若いVtuberを育てていくには私たち先輩Vtuberや、長くVtuberを見ているリスナーさんたちがしっかりしないと! 君たち絶対に面白半分で答え教えたでしょ? いい、ヤマトはまだ若いんだからみんなでしっかり育てていかないといけないからね! 分かった?』
お、おお、そうだな!
ヤマトはまだ新人。新人だからって何でも許しちゃだめだよな!
俺たちが間違ってた!
……なんかレベッカの言葉に流されてない?
レベッカがヤマトのママに見えてくる……
『れ、レベッカさま、流石にそこまでしていただかなくても大丈夫ですよ。僕ももう15歳。いつまでも誰かに頼りっきりじゃだめなんですから』
『ヤマトがそういうなら。……でもまだ子供なんだから、しっかり大人を頼ってね』
『分かりました』
『それじゃあ、さっさとゲーム進めていこうか! 私少し本気出すね!』
そこからレベッカさまはコメント欄を一切見ることなく、ゲームを進めた。
あ、レベッカ集中モードだ。
この時のレベッカ、コメ欄全く見ないんだよな。
でもその分ゲーム攻略速度が一気に上がる。
配信者としてそれはどうなん?
ヤマト様、レベッカさまの行動をアテレコしては?
アテレコか。
確かにこの静かな時間をどうにかした方がいいと思うけど、僕のアテレコがレベッカさまの行動にちゃんと当てはまるかな?
……いや、せっかくなんだし、やってみよう!
『「よーしっ、それじゃあ行くよ! この問題は、あれをこうして、これをこうして……できた!」』
レベッカさまの動きと合わせるようにしっかりアテレコする。
レベッカさまが解いている間は、僕は問題を解けないから、レベッカさまの動きに合わせて適当なことを言い、終わったタイミングで「できた」と言い切る。
一寸の狂いもなし!
レベッカの終わったタイミングでヤマトも言い切ってた……
勉強ができないのに、なんでこういうことはできるのかが謎
流石ヤマト様というしかありません。
略してサスヤマ!
サスヤマってなんかあだ名みたい!
コメント欄を見ていると、レベッカさまは既に次の問題に進んでいた。
『「よし! この問題をさっさと解くよ! ……あーこれね、これは簡単だね。これをこうすれば……はい正解!」』
今度もずれは一切なし。
流石の僕でも少し引いちゃうかも。
別にレベッカさまの行動が読めているわけではない。
ただこのタイミングかな? ってタイミングがたまたま合って成功しているだけ。
でもコメント欄には僕の考えが伝わることはない。
……ヤマトのアテレコ凄すぎね?
今のもズレなく本当にレベッカがしゃべっているように聞こえた……
本当はレベッカが喋ってるんじゃ……
なんかレベッカがいつもよりかわいく見える。
『喋っているのは僕ですよ? あ、「この道は右だね。そしてそのまままっすぐ。……敵が出てきたけど弱いしスルーだよね。もうすぐボス戦なのに、ここでダメージを受けるわけにはいかないしね」』
……おかしいおかしい!?
何でヤマトの言うタイミングでレベッカがおんなじ行動してるの!?
ヤマトが予知能力レベルのことを平然にやってのけている件
サスヤマ!
これでこそ我らがヤマト様です!
『僕に予知能力なんてありませんよ。ただ、レベッカさまの先の行動がなんとなくわかるだけです。問題の答えは分かりませんけど』
自分で言っていて「何言ってんだこいつ」と思ってしまうけど、仕方ないとしか言えない。
だってわかっちゃうんだもん。
それ自体おかしい!
何言ってんのこの人?
私たちでも理解しがたいことを平然とやってのけるヤマト様……まさしく神です!
いや、神は言い過ぎ……でもないか
アテレコをしながら、コメント欄を見る。
普通にやると大変だけど、勉強を解くよりかは簡単かな。
『あ、レベッカさまがラスボス戦に突入しましたね。えーっと、次の問題は証明問題……正面問題ってあれですよね? なんか文字をたくさん書かないといけない面倒くさいやつ』
それであってる。
実際証明問題は暗記の部分あるから。
俺中学まで数学好きだったけど証明問題で一気に嫌いになった。
証明は普通にムズイ。
『あ、レベッカさまが証明問題を解くみたいですよ。『これは……少し手強いかな。時間制限もあるし、ゲームでたくさんの文字書くの大変なんだよね。でもこれとかないとまた最初からだし、ここはできるところまでやって……ううん。もしここで倒れてしまったらまた最初から。それだとまた私がしないといけないわけだから、ヤマトがこのゲームを楽しめない! ここは無理してでもこの問題を成功するべき!』……レベッカさま』
僕がアテレコを終えるのと同時にレベッカさまの指が目にもとまらぬ速さで動き文字を打ち始める。
自分でアテレコしといてうっとりするヤマトおもろ!
マジでヤマトが言っている言葉がレベッカの言っている言葉に聞こえてくる
確かにヤマトのアテレコもヤバいけど、今はレベッカの文字うちの方がやばいって!
普通こんなに早く文字打てる?
コントローラー文字打ちだろ? 普通にしたら百文字打つだけでも数分かかるぞ……
『今レベッカさまの指の動き見てるんですけど相当ヤバいですよ。たまに指が分身して見えます』
やっば!
1年近く応援してるけど、こんな特技あるなんて知らんかった。
残り時間1分!
この速度なら問題ないやろ。
文字はどんどん増えていき、最初から何を書いているかわからない僕でも、今のレベッカさまの凄さは理解できる。
流石にこのレベッカさまをアテレコしようなんて思わないかな。
したら下で、指の動きと僕のしゃべる速度が合わないだろうし。
『…………よし、これでどう!?』
全てを書き終えたレベッカさまが、最後に決定ボタンを押すと長い証明文に赤丸がつき、敵ボスに大ダメージが入る。
更に残った時間分、追加ダメージ!
それによりラスボスは一撃で撃破。
ようやく、1ステージクリアすることができた。
おお!
すげぇ……
普通にヤバすぎるだろ……
ヤマトも最後は見ていることしかできてなかったし
『いや、あのレベッカさまにアテレコするなんて普通に無理ですからね? 指の動きに声を合わせないといけないから、常に早口言葉になってしまいますよ!』
常に早口言葉でしゃべっていると、流石の僕でも噛んでしまう。
『あ、ヤマト。数学ステージクリアしたよ~!』
『お疲れ様です』
『どう? さっきの私、凄かったでしょ!?』
『はい、特に最後の問題に関しては鳥肌が立ちましたよ』
俺たちも鳥肌が立った!
あれは人間業じゃねぇ!
ヤマト様と同じでレベッカさんも人間じゃない?
2年目にして新たなレベッカを見られるとは思わなった……
ヤマトと一緒に配信する人は必ず新しい一面を見せるんだよなぁ……なんでだろうなぁ?
『いやー、最後の問題、答えは頭の中にできてたんだけどね。コントローラーで文字を書くとなるとどうしても時間がかかってしまうからさ、一瞬諦めかけたんだけどね、その時ヤマトの顔が浮かんでね、もしこれを解けずに負けたらクリアするまで私がやりそうになるから、ヤマトにゲームを楽しんでもらえるようにって思いながら、全力でやってみたら解けたんだよ!』
……マジですか。
まさか僕のアテレコがレベッカさんの感情を完璧に当てるなんて……。
……マジか
レベッカもヤバいけど、ヤマトもヤバい!
予知のレベル超えてるよ……
ヤマトって何者?
ヤマト神様……祝福を!
当然、コメント欄もレベッカさまの言葉に反応してる!
僕なんて前は天使だったのに、今は神にまでなってるし、祝福を祈られてるし……。
『え? え? 何々? ヤマト、何してたの?』
この中で唯一何が起こってたかわからないのはさっきまでゲームに集中していたレベッカさまだけ。
僕の口から言ってもいいけど、本人の前で言うのは恥ずかしい。
『あー、ぜひアーカイブを見直してください。そしたらレベッカさまプレイしていた間に何が起こったかわかると思うので』
『えー、今言ってくれないの?』
『いえ、今回の自分の声を聴くのは恥ずかしいので、できれば僕のいないところで見てください』
『はーい。じゃあ、今度の配信で私とヤマトの配信振り返りするね! 切り抜き師さんはこの配信の重要なところをまとめて切り抜いてくれると嬉しいな!』
流石はベテランというべきかな。
切り抜き師にお願いするなんて僕の発想には全くなかった。
『さてと、数学ステージはクリアできたし、次のステージに行こうか!』
『はい』
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