4thステージ:アカイハコへようこそ
4-0:アカイハコ ~魔女裁判~
『さて、ここからは参加者皆様が面識のある状態でゲームを始めたいと思います。それぞれ初めて会うもの、ゲームの最中であったものもいるでしょう。その中で友情を芽生えたことでしょう。軋轢が生まれたこともあったでしょう。そう、これが因縁というものなのです。ここで思う存分因縁と向き合い、殺しあいなさい。そして裏切りあいなさい。幸福実現のためにはそれが必要です』
アカイハコ運営のキサラギは、参加者10人に自分の想いを語った。電話越しでの会話でしかしらない彼の姿や、思想に困惑するもの、怒るもの......。だが、そのほとんどはゲームの進行を早くするように進言しているものだった。
「さっさと始めましょ。ここまで来たら私だけでも生き残ってみせるわ」
「そうやな。こっちは
「同感です……」
キサラギは仮面の奥で笑みをこぼした。だがそれは参加者の誰にもわからない。ただ、彼が参加者たちを讃えていることは拍手によって伝わっていく。
『素晴らしい心がけです。それでこそ、私が選んだえりすぐりの人たちだ。あなたたちには価値がある。とても興味深いです。それでは、皆様のご期待に応えて4thゲーム【魔女狩りゲーム】を開催します。それでは<彼>が皆様にカードを1枚配ります。それを誰にも見られないように自分だけ見てください』
キサラギが合図をすると、どこからやってきたのか炎上ゲームでも審判として現れた紳士服のっぺらぼう<彼>が部屋の天井すれすれになりながら歩いてきた。<彼>はキサラギの言った通り、10人にカードを配っていきその場を去っていく。参加者たちは<彼>を見送った後、カードを裏返して見た。すると、人間のデザインが書かれていた。あるものは剣を持った男、あるものはホウキにまたがる鼻の曲がったとんがり帽子の女だった。首をかしげながらも参加者たちはそのカードを机の上に裏向きにしておいた。それを確認するとキサラギはまた語り始めた。
『さて、ここからはロールプレイイングゲームです。皆様にはカードに書かれた役割の通りに動いてもらいます。当然、それに反したりした場合はルールに関係なく死にます。ご了承ください。では、ルールを説明します』
ここで、キサラギの映像が消えてルールが開示された。
<ルール>
1.【魔女】【魔法使い】【勇者】【司祭】【僧侶】【村人】の役割に分かれて『昼』と『夜』それぞれを1ターンとして役職通りの行動をする
2.各役職の役割は以下である。
〇魔女:夜のターンに一度、参加者一人指名する。指名された者は殺害される。
〇魔法使い:夜のターンに一度行われる魔女の指名に参加できる。
魔女が指名した人間が割れたときに、指名した中から一人選ぶ権利を得る。
〇勇者:夜のターンに一度、自分以外の参加者一人を指名する。指名された者が魔女にも指名されている場合、殺されない。
〇司祭:夜のターンに1度、参加者一人を指名する。
その人間の役職が魔女か人間かをキサラギに確認する。
このとき、魔法使いは人間側として扱う。
〇僧侶:夜のターンに一度、死亡者一人を指名する。
その死亡者の役職が魔女だった人間だったか確認する。
この場合も、魔法使いは人間側として扱う。
〇村人:夜のターンは行動できない。スキルなどなし。
3.魔女側の勝利条件:魔女は魔女の人数と人間側の人数を同数以下にする。
魔法使いの勝利条件:人間側として魔女の全滅を狙う。魔女の人数が2人以下で、人間側が自分を含み3人以下になったときに魔法使いのみが勝つ。魔法使いと魔女が同数になった場合、魔女の勝利とする。
人間側の勝利条件:昼のターンに行われる「裁判」で魔女だと思われるものを一人指名する。これにより指名されたものも死亡となる。
4.ゲームの役割以外の行為・違反があった場合、キサラギの権限により脱落とする。
参加者たちは開示されたルールとにらめっこをしながら、自分の持っている【魔女】【魔法使い】【勇者】【司祭】【僧侶】【村人】のカードのどれに当てはまるのかを確認した。
三吉 壮太:魔女
矢坂 亮:魔女
飯田 豪:魔法使い
大村 美雪:勇者
緑川 葵:司祭
犬上 愛美:僧侶
天童 竜成:村人
富山 美咲:村人
北条 雅樹:村人
藤宮 誠:村人
ルールと自分の役割を確認した一同は、固唾を飲んだ。
キサラギは彼らにゲーム開始の合図を送る。
『それでは、4thステージ:魔女狩りゲームを始めます。なお、初日の裁判による処刑は省略とさせていただきます。まずは皆さま、ご自由にご歓談ください』
キサラギもルールもスクリーンごと消えていった。
代わりに参加者全員のスマホに新たなゲームが始まったことが知らされた。
【4thステージ:魔女狩りゲーム】
参加者:10 名
ファイナルステージ進出条件:魔女側か、村人側で生き残ること
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます