第45話 第2章 開戦 12

 3階層で加わる魔ネズミなんて、とても素早そうだ。当分3階層には降りれそうにないな。 余裕があるときには周囲を警戒しながらグラと念話で状況確認をする。囲まれないように動きながら魔ミミズを狩って行く。遠距離にいる敵には杖波を放ちながら狩りをしていると、SPが無くなったらしく杖波が出なくなった。武技は使える回数がSPによって決まってるので、SPにも気を配りながら出さないといざと言う時に困る状況になるだろう。こういう経験は余裕があるうちにしておきたいものだ。 杖波が使えないので階段の方に戻りながら狩りをしていく。階段の近くの方が敵の数が少ないので、SPが回復するまでは囲まれる心配のない場所で戦うのが理想だろう。

 魔時計で時刻を確認しながらSPの回復速度を確認する。ラーテイに聞けば分かるのかもしれないが、自分で調べることをしなければ別れた時に困るので、出来る範囲は自分で調べることにした。グランガイズは日本のようにネットで調べればすぐに分かることはない。複数の情報を照らし合わせて情報の正確性を確かめることも出来ない。ラーテイと別れた後は悪意を持って俺に嘘情報を話してくるやつが居ないとは限らないのだ。今のところ、ラーテイの教団関連の話とおやっさんの傭兵団関連の話以外の話は信用できると思っている。自身の所属している組織のことは身びいきで色が付きがちなので、それを差し引いて聞かねばならない。

 杖の先で向かってくる魔ミミズの頭部を酸にかからないように潰すのは、狩りというよりは作業に近い。SPが回復するのを計算しながら、この単純作業をこなしていく。少し余裕ができたので、グラやラーテイとの雑談をしながら戦うこともできるようになった。

 SPは10分で2回復することが分かった。10分単位なのは、魔導時計の砂の色が10分単位だから仕方がない。

階段付近で戦っていて思ったことは、ベテランと思わしき冒険者が単独で奥へと進んでいく光景が多く見られるようになったことだ。不思議に思い、ラーテイに尋ねると、あの者たちは万年銅ランクの冒険者たちで、日々の飲食費と宿代、転移代、そして税金しか稼がないので、昇級できない冒険者たちだと言う。3階層からは素早い魔ネズミが加わるので、稼ぎは少ないが余裕をもって戦える2階層を主な狩場にする冒険者が多いそうだ。一日の狩りで2~3日分稼ぐが、転移代以外が無くなるまでダンジョンに来ないのらしい。転移代まで使ってしまい、教会に借りに来る冒険者も少なくはないとか‥‥‥そりゃ、そんな生活をしていたらランクアップなんてできないよな。

 グランガイズでは精一杯生きると誓った俺は少しでも多く貢献値を稼いでランクアップを目指さねばならない。初日にしては結構な数の魔ミミズを倒したのではないだろうか?グラが倒した魔ミミズの魔石が得られないのは惜しいが、そこは俺の修行のために諦めるしかない。欲張りすぎても、良い結果になるとは思えないからな。

SPが回復した俺は、結構冒険者が増えた2階層を冒険者が少ない場所を選びながら奥に向かって進んで行く。混みだしたと言っても魔物を奪い合う状況にまでにはなってはいない。食事前と比べ明らかに魔ミミズの数は減っているが、逆に狩りやすくなっている。杖波も使う機会も少なく済み、順調に狩りを進めて行った。身体強化と瞬動のコツも大分つかめて魔ミミズを倒す速度も上がってきた。


「そろそろ時間になります。」

「もうそんなに時間が経ったのか。」

 俺はラーテイに16時の10分前に知らせるように頼んでおいたのだ。グラに冒険者が見えない範囲で階段の方へ移動するように念話を飛ばしつつ、俺たちも階段の方へ向かって進んで行く。 階段に辿り着き、1階層へと上がって行った。1階層に着くとグラに階段に向かうように指示をして到着を待つ。待っている間に今日のステータスの最終確認をしておこう。


名前 ユグ・ドラシル 年齢 28

種族 人族 性別 男 

第1職種 冒険者 LV8 銅ランク 

冒険者職種 召喚士 LV5 杖士 LV5


体力(HP)25/25 

魔力(MP) 45/45

技力(SP) 25/25


筋力(STR) 4

器用(DEX) 5

持久(VIT) 5

敏捷(AGI) 5

知力(INT) 7

精神(MND) 4

幸運(LUK)8


所持スキル 

杖術 杖波

所持魔法  

 生活魔法:水作成 食料作成 照明 修理 清掃 身体強化 解読

 召喚魔法:魔物召喚〇5 名前 グラ 消費*4 1/6 親密度 76 1/2


魔法効果継続 生活魔法:解読 5刻2/6

       補助魔法:身体強化 5刻4/6 瞬動  5刻4/6


名前 グラ 消費*4 1/6 親密度 76 1/2

年齢 0  召喚中  6刻3/6

召喚者 ユグ・ドラシル 

種族 魔土竜 LV10 性別 男 


体力(HP)15/15 

魔力(MP) 0

技力(SP)15/15


筋力(STR) 3

器用(DEX) 3

持久(VIT) 2

敏捷(AGI) 3

知力(INT) 2

精神(MND) 2

幸運(LUK)2


所持スキル

強爪

特性 耐酸 耐毒


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る