僕は、いつでも大変だ。KAC20232
裏耕記
じいちゃんのプレゼント
大変だ!
じいちゃん、プレゼントにぬいぐるみを送ってきた!
僕は、こんなので遊ばないのに。
何でだろう。妹の誕生日と間違えちゃったのかな。
この前、ちゃんとお話ししたのに。
自転車で沢山お出かけしてるから、ボロボロになっちゃったんだよ。
合体ロボットが格好良いんだよ。
移動中ゲームして大人しく電車に乗ってたんだよ。
じいちゃんが誕生日プレゼント間違えないように、僕の好きな物を沢山教えてあげたのに。
じいちゃんに電話してもらおう。
教えてあげるんだ。もうすぐ誕生日なのは僕だよって。
「ねえ、お母さん。じいちゃんに電話してよ」
「爺ちゃんにお礼の電話するの?」
「違うよ。じいちゃん、妹のアコと誕生日を間違えてるみたいだから教えてあげるんだ」
「間違えてないわよ。ぬいぐるみは、ソウにって」
「僕、要らないよ。アコにあげる」
「せっかく貰ったものをあげるなんて駄目よ」
抱えたぬいぐるみをアコに渡そうとしたのに、お母さんは駄目だって言う。
「だっておかしいじゃん。じいちゃん、僕の好きなものを知ってるのに、なんで女の子が喜びそうなぬいぐるみなんだよ! ほら、アコが欲しそうにしてるよ!」
アコは無邪気に欲しがってる。
「じゃあ、爺ちゃんが何でぬいぐるみをくれたのか考えてみようよ。最近、ソウが遊んでいるところを思い出してみて」
最近のお気に入りはロボバトルだ。
合体ロボは、変形するし、格好良い。
「思い出したよ」
「最近遊んでいる時、1人ばかりじゃない?」
だってアコは別のロボの足を折っちゃったんだもん。
一緒になんて遊べないよ。
「そうだけど」
「爺ちゃん、アコと一緒に遊んで欲しかったんだと思うよ。アコ、いつもソウと遊べなくて寂しそうだよ」
それは何となく分かってたけどさ。
「……」
「アコと仲良く遊んであげて欲しいな」
「わかった」
「わかってくれるって信じたよ! ほらこれ、爺ちゃんからもう一つプレゼント!」
僕は、いつでも大変だ。KAC20232 裏耕記 @rikouki
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