第3話 日常③

そして時間は過ぎ、昼休みになった。


(今日もいつもどおりひとりで食べますか…。)


と、心の中で呟くが、同時に非常に虚しい気持ちになった。


「まぁ、とりあえず食べますか。」


と、独り言ちながら、弁当を開ける。

あれ心の中でも口でも言ってるのバカみたいじゃないか…。

そんなことは置いておいて、弁当の中身は、唐揚げ、だし巻き卵、ミートーボール、トマト、白ご飯と普通の弁当だ。


「いただきます。」


と言い、だし巻き卵を口の中に入れる。


「うん、美味い。」


と、いつも以上に上手く作ることができていることに満足しながら食べ進めていく。

しかし、食べていく中でやっぱり一人で食べるという寂しさが出てきてしまう。

そんなことを考えながら、まわりを見渡すと、九条さんと目が合った…気がした。


(いや…、こんな俺を気にかけてくれる女子なんているわけないだろ……。)


とネガティブな思考になり、もう一度見てみた。


(やっぱり…、そんなわけないか…。)


次見た時は、九条さんは仲のいい友達と仲良く話していた。


そうこう考えているうちに、弁当の中身が空になっていた。

そして、空の弁当をカバンに直して、暇つぶしのためにスマホをいじりだした。











あれから10分程度たった頃、悠真と栗原さんが教室に戻ってきた。

そのまま2人かこちらに近づいてきた。


「どうした、悠真。」


「可哀想な、ぼっち。」


「うっせぇよ、モテるからって…。」


わざわざモテる事を自慢しに来なくていいだよ…。


「まぁ、本当はただただ喋りたかっただけなんだけど。」


多分こっちが本命なんだろうけど、なんかあれを言われると嘘くさく感じるな…。

そんなことを思っていると、栗原さんが話してきた。


「そういや、今日のネットニュース見た?」


「見てないな、どんな記事だった?」


「うちのサッカー部が載ってあったんだよね。」


「ああ、あれね。キャプテンがインタビュー受けてたんだけど、あの人試合の美味しいとこ奪ってくるからあんま好きじゃないんだよね。チームが勝ってることはいいんだけど…。」


へぇ、と俺はそんな事を思ったが、


(あれ…、俺、除け者になってないか…。)


と思いながら話を聞いていたが、いつの間にか5時間目の授業の予鈴が教室に鳴り響いたのであっ

た…。













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