第12話 初任務②
この王国の真相を知るべく派遣された2人だが、新たな目的が2人には出来た。
「この炎を放ったやつを見つけ、倒す。」
「さすがに許さない。絶対に倒す。」
このことをきっかけに先ほどまでの臆病なレアトは消えていた。
「とりあえずいつこの人達に手を合わせましょう。それが今の私達にできる事です。」
「そうだな。」
ドンドンドンドンドン!!
2人が手を合わせたその瞬間。まるでタイミングを見てたかのように炎の向こうから大きな足音が聞こえてくる。
「やはりいたのね!!」
「なにが!!」
少し慌てるレアトに落ち着いているりあ。戦場の経験の差がやはり出る。
「カラーミーよ!おそらくブルーかそれ以上!」
ドンドンドン!
大きくなっていく足音。2人はまだかと待ち構える。
ドン!!!
今までで1番大きい音がする。それと同時に大きな影が2人の真下に現れた。
「!!!危ない!」
りあはレアトを押しその落ちてくる影から守った。りあもなんとか避けることに成功し2人はその影の正体を確認する。
「オ、オレンジ???」
上から落ちてきた物体はカラーミーだと2人は予想していだが、オレンジ色に染まった肌のカラーミーだとは思っても見なかった。
驚く暇も無く、オレンジ色のカラーミーは攻撃してくる。
巨大な体から放たれる右の大振り。当たれば威力は絶大だが、巨大なので動きが遅く2人はジャンプすることで避けることに成功した。
スタッ
2人は同じ場所に着地する。
離れるとあぶないと分かっているからだ。
「レアト君私がこのカラーミーを倒します。でも情報が欲しいのですぐには倒さず徐々に倒すので隙があれば攻撃してください。私が技を出す時は手出し無用で!」
コクッと頷くレアト。2人は会話する時間などなくりあが早々と言った言葉をレアトは聞き逃さない。
りあとレアトの2人がカラーミーに向かう。
りあのレベルになるとカラーミーなどは一撃で倒せる。しかし新種のオレンジともなると話が違ってくる。今後のためにできるだけ情報はほしい。ブルーカラーミーの時とは違い今はこの一体しか確認できていない。時間をかけて倒すとりあは決め、最小限のダメージを与えていく。
りあは基本的に体一つで戦う。その拳は刃のごとく相手を切り刻むほどの威力。
カラーミーにたくさんの切り傷ができていく。
その攻撃にカラーミーが痛がるのは目に見えて分かる。
(隙があればって、、隙ねーじゃん。)
りあの戦いが前初めてりあを見た時と違いすぎて驚いている。
ドカン!
大きな音がした。カラーミーの大振りがりあに直撃したのだ。
スタッ!
遠くまで飛ばされたりあ。しかし、華麗な受け身でダメージを最小限にする。
しかし、その隙をカラーミーは見逃さない。
口から炎を出してきた。
ボウッ!
炎がりあの方に向かっていく。少し出遅れたりあ。もしこれが先ほどのまでの炎と同じ温度なら少し危ないと踏み、風翔で迎撃する。炎と風翔がぶつかる。
炎と風の押し合い。少しずつ炎をかき分けて行くが負けじとカラーミーも炎の威力を上げていく。
(隙があれば攻撃してください。)
レアトはこの言葉を忘れていなかった。
「
レアトがミハエルアルマで大剣を出す。
「
ガキツカイで自分の身体能力を上げ、カラーミーのうなじ目掛けて大剣を降る。
ザシュ!
見事に大剣がうなじを切る。
それと同時に炎も消え、りあは助かる。
りあの元へ駆けつけるレアト。
「少し油断したけど攻撃してくれると思ってた。ありがとう。」
どうやらあの隙はわざとらしい。
避ける事もできたが、レアトのために隙を作ったというなんとも危なっかしい行動に出た。
「あの炎を受けて分かったけど、この炎の原因では無さそうね。温度が違いすぎる。オレンジというのもおそらく火を扱うというところだけね。」
「そしたらあのカラーミーを調べて、」
ムクッ
カラーミーが起き上がる。レアトの大剣での攻撃はダメージはあったものの絶命までは行かなかった。
カラーミーは死ぬ未来が見えているので全ての力を振り絞って炎の攻撃をしてきた。
「うなじを切ったのに!!また来るよ!」
ビュー!!!
カラーミーの炎が空気を切り裂く音と共にレアトはどうしよかと考えていた。
「大丈夫。今回は出遅れてないから。」
「雷降1の型
一瞬にしてりあが目の前から消えた。
「え、」
炎がレアトの目の前にきた瞬間レアトの視界は変わっていた。カラーミーが自分の目の前にいて右を向いている。
ゴトッ
レアトがこの状況を理解出来ずいるまも目の前のカラーミーの首が地面に落ちる。
ドガン!
それと同時に体も倒れ、レアトはカラーミーが絶命したと理解する。
それと同時に真横にりあが現れた。
「どぉ?トレスフェリスの技は、」
「技なのは分かったけど何が起こったのかがわからないから説明を、、」
「私の魔法空。空に関するものならなんでもできる。その中で雷降。雷を発生させる技の応用の1の型瞬光雷撃、自分が雷になることで高速移動が可能になるってこと。それでレアト君を移動させてカラーミーを倒したの。」
「で、でも首なんてどうやって、」
「手刀だけど?」
「しゅ、しゅとう?」
「そ、手刀。手に刀で手刀。知らない?」
「いや知ってるけど。」
(大剣での攻撃でもダメージを与えるほどだったのに、雷の早さの手刀で首を落とすなんて、)
「まっ!これがフェルテフェリスの力ですよ!」
りあのテンションが上がっている。
りあは魔法を使う時なぜかテンションが高くなりいつもの性格では無く陽気になるのだ。
「す、すごいね。」
ドンドンドンドンドン!
先ほどと同じ音が再び聞こえる。休む暇もなく次の戦いだ。
「休暇する時間ないよ!」
「うん。」
構える2人だが、実際現れたカラーミーには驚いた。数が多すぎる。10体のカラーミーがこちらに走って来ていた。
「第二ラウンドにしては数多くない?!レアト君はそうだな、、2体相手にしてほしいかも。ちょっと本気出すから頑張って2体倒してね!」
「ガ、ガチか。了解。」
無理やり決まったがやるしかない。なにせりあは8体を相手にするからだ。
「そーりゃ!」
ボカン!
りあがカラーミー2体を蹴り飛ばす。
「じゃあ後頑張ってね!」
りあの声援にやる気が出る。
(さて頑張るしかないか。)
レアトとカラーミー2体が対峙する。
***
(さぁ頑張ると決意はしたもののどうする。
一体は倒せるけど、、)
「おい!カラーミー!俺はお前らを叩きのめす。覚悟しやがれ!!」
「ガァーーー!!」
「ヴァーーー!!」
レアトの煽りに応えるかのようにカラーミーが叫び出す。それと同時にカラーミーの口から炎が飛び出してきた。
「なっ!
ミハエルアルマで盾を出すレアト。
バン!
弾けるような音と共に盾で炎をガードするレアト体を丸めて炎が当たらないようにする。
「バァー」
耐えているレアトを嘲笑うかのようにもう一体のカラーミーが顔を覗かせてくる。
ドギャン!
カラーミーがレアトを蹴り飛ばす。家屋の燃えた後の炭に飛ばされたレアト。
「ウォエ!」
腹を蹴られた衝撃で胃の中のものが逆流してきた。そのまま吐ききったレアトには相当はダメージが入っている。
「
ダメージが回復していく。
(回復はしても魔力が減るからあまり使いたくない、、、熱いのはいやだけどやるしかないか、、)
「
みるみるうちにレアトの体が硬くなっていく。
炎ではもう溶けないほどの皮膚が硬化したレアト。カラーミーに向かっていく。
カラーミーはそれを気にせずに攻撃をする。炎の連続玉をレアトに向けて放つがレアトはそれを気にせず受けとける。
もう一体は炎では無意味は事に気づきレアトに近づき渾身の蹴りを飛ばす。レアトはこの攻撃は受けずに避け、カウンターを喰らわす。硬化した体での攻撃なのでかなりのダメージがカラーミーに入る。
それに応じてもう一体のカラーミーも打撃に切り替えて攻撃してくる。それも華麗に避け反撃を喰らわしていくレアト。
これではダメだと気づいたカラーミーは2体1で打撃戦をすることに決めた。
一体のカラーミーが蹴りを飛ばすそれを綺麗なジャンプで避けるレアト。ジャンプで避けた先にもう一体のカラーミーが打撃で攻撃し、レアトにダメージが入る。
ただダメージが入るのはいいもののレアトは硬化しているのでその分カラーミーにもダメージが入る。
(お、、い、し、う、、ね、か。、、だ。)
ズキン!!
レアトの頭に痛みが走った。
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