第11話 初任務
「終奥、、僕もできるようになるんですか?」
「いーやまだだね。基本的には俺らフェルテフェリスしか使えない。なるための条件の一つだからな。かと言ってみんなの終奥を教えるつもりもないし俺のも教えない。それぐらい大事な技ってことだ。例外もあるが基本的には最後の技だからな。」
「でも、使う時あるんですか、みんな使わなくても強いのに、」
「そーだな。使う機会なんてそうそうないだろう。そんなことよりお前の特訓の再開だ。」
そう言って終奥という言葉を知るだけ知って訓練を再開したレアト。レアトが終奥を習得する時はくるのだろうか。
***
学校に行き、帰ってすぐに訓練すると言う生活が二ヶ月ほど続いた。
レアトの体付きは変わり身長も伸び筋肉もついた。体術もヌエボに教えてもらった為そうとうなレベルまで達している。
その間にあったテストでレアトは赤点をとり痛い目を見るのだが、、
そんなことは置いて、ついにレアトの初任務が開始される。
「ついに初任務だけど、任務について詳しく聞きたいんだけど。」
「ちゃんと聞いてないの??今回は私の任務にレアト君が同行する形だけどこれからの任務は前渡された携帯みたいなやつに乗ってるから適当に探したらいいと思うよ。」
現代的な部分が多いんだなと感心しながらエボさんに渡された携帯を見てみると任務と言う部分が表示されていた。そこを押してみるとズラッと任務が出てくる。星でその任務のレベルを表しており今回行くレベルは星9。フェルテフェリスで余裕レベルらしい。
レアトのレベルがどこか分からないためこの任務をりあと同行するということらしい。
今回は例外だが、任務には行き先しか書いておらず何をしたらいいか分からないが基本的には調査と時々出るカラーミーを倒すだけらしい。なぜ星が高いのかは向かう先の環境が悪いからだとりあは言う。
「環境が悪いだけだと良いんだけど、前のフェリシダットにカラーミー達が襲ってきたのも不可解だし新種のカラーミーも出て来たから今回の任務はそう簡単に行くか分からないから気を引き締めていきましょう。」
「わ、分かった。」
「レアト君はブルーカラーミーは倒せるの??倒せるのならばもし出て来た時よろしくね。」
「一応レアト君のレベルを見るためだから。」
半ば強引に戦えと言われているが正直倒せる自信はある。この二ヶ月での自分の成長は凄いと自負してるし技のバリエーションも多い方だと思う。やれるだけの事はして来た。あとは実践だけだ。
「行きましょう。場所はゾージーニ王国。燃え尽きた王国。火が燃え続けて被害が広がっているのでその火の始末と調査です。」
そう言って俺とりあはフェリシダットを後にした。
***
移動は車で行くらしい。やはり現代的だ。
道がしっかりとした道ではないのでどこでも走れるように改造はしてあるらしいがそれをりあが普通に運転しているのには驚愕した。
〜移動中〜
「運転できるんだね。」
「こっちの世界には免許なんてないからレアト君も練習したら乗れるよ。結構楽しいから今度練習できる時したら??」
「そうさせて貰おうかな。」
側から見ればただのドライブデートだ。
星9の任務に行く2人だとは思えない。
「1人の時は飛んでいくんだけどね。そっちの方が早いし。」
「空飛べるの???」
「魔法が魔法だからね。1人でしか使えないから今回は車だけど。とりあえず気を引き締めましょう。」
それから約2時間お互い一言も発さずただただ緊張が漂っていた。
「そろそろ着く頃よ。」
急に言われて肌に緊張が走った。言われてみれば暑くなってきた気がする。りあも上着を脱いで半袖状態だ。
「今思ったけどりあはその格好で戦うの?前見た時はガッチリしてたけど、、」
「前のあれはなんというか、、調子に乗ってただけよ、、いつもは体一つで戦うから。」
そんなところに気を使っていてやはり女の子なんだなと一瞬思ったが、そんな考えはすぐに消えた。
目の前に崖が現れたのである。
急ブレーキをかけなんとか落ちなかったが、これにはりあも驚いていた。急に目の前に現れた崖。2人は車を降りて下を確認する。
下を見てさらに驚いた2人。下にはなんと燃え盛る火がうようよと立ち上っていた。今まで崖が見えなかったのは火が放つ蒸気で隠れていたからである。
「こんなにも温度が高いなんてわからなかった。」
「でもなんで崖の下で火が燃えて上まで消えないんだろう。」
「それはゾージーニ王国が地下にあったからよ。けどやっぱり火のせいで地上まで燃えてるみたいね。おそらくどこかに降りる場所があるから準備して探しましょう。」
そしてレアトの初任務は本格的に始動していく。
***
かなりの高温で汗がダラダラと流れ落ちていく。現実の砂漠よりも高温な気がする。目の前には大きく広がった炎達。
王国が燃えているという嘘のような状況にいざ立つと命の危険がすぐそこまで来ているがした。
「端でこの温度だと中心はかなりやばいかもね。」
2人で降りる場所を探しながらりあが言う。
トレスフェリスのりあがこう言うのだからかなりやばいらしい。
緊張が走る中2人は降りれそうな場所を見つけた。
「かなりの坂道だけどなんとか行けそうな道になってるからここから降りましょう。」
「分かった。でも火はどうする?かなりの温度だから体が、、」
「その点に関しては大丈夫。私の魔法でなんとかなると思うから。」
「
2人の周りに風が舞う。風というより暴風のその風はみるみるうちに僕たち2人を囲って火から守ってくれる。
風翔は風を出す技らしい。
「私じゃなかったらやばかったかもね。今台風の目の中にいると思っといて。出たら危ないから。」
「う、うん。」
りあの魔法に驚愕を受けながら崖を降りていく。
10分ほど降りただろうかついに地面が見えた。
何メートル降りたか分からないがとりあえず一安心だ。
「風翔でなんとか火は大丈夫だけど温度が高すぎるから危なくなるうちに調査して無理しないうちに上に戻りましょう。多分今日だけじゃ無理だから。」
「とりあえず辺り一体の火の処理をします。レアト君は自分の体守っててください。」
一体どうやって火を消すのかと思ったが、怖かったので自分の体を守ることを優先した。
「風翔!!!」
さっきまで僕たち2人を守っていた風がどんどん強くなっていく。そしてみるみるうちに周りの火が強風で消えていった。
「ふぅ。一旦消せる範囲まで消せたと思うけどどうでしょうか。」
フッ
周りを囲っていた風が消えて視界が晴れる。
視界の先には火が消された後が見事に広がっていた。炭だらけの景色に前までここに国があった名残があった。
「周りにも無惨じゃないか。なんでこんなことに、、」
「それを調べるために私達がいるんです。行きましょう。」
視線の先にはまだ立ち登る火が残っていた。2人は火が消えている範囲を調査することにした。
***
「とりあえず一緒に調査しましょう。別々で調査したらまた火が出て来た時にレアト君を守れません。」
確かに僕は今この火をどうにかできる手段はない。時間は掛かるが2人で調べることになった。
炭の上を歩いていく2人。周りに気をつけながら中心に向かって進んでいく。調査すると言ってもやはり調べるべきはこの火の出所だ。
ズサッズサッズサッグシャッ
ゆっくり歩いているとレアトが何かを踏んだ音がした。炭には変わりないのだが、明らかに音が違うので2人はそれを確認する。
「炭だけどこんなさっきまで違う音するなんておかしい気がする。」
レアトが自分の足跡の部分を調べようと手を近づけてた時、りあが叫んだ。
「待って!!」
ビクッ!
体がその声に反応した。
「それ、、死体です。」
レアトが踏んだのは死体だったのだ。レアトはあまりにも近づきすきで気が付かなかった。りあは少し前を歩いていたのでそれが死体だと気づいたらしい。
「ヒッ!!」
レアトがあまりにも驚きすぎて腰が引ける。
訓練して体は強くなったとはいえ、精神はまだ未熟。人の死体を見るのなんてもちろん初めてのことだ。
腰が引けて動けないレアトにりあが駆け寄る。
「落ち着いてレアト君。大丈夫です。私がいるから。」
「はっはっふー。」
深呼吸をしてすぐに落ち着くことに成功したレアト。りあもそれを見て一つ息をこぼした。
「やっぱりそうよね。亡くなった人だっているよね。」
改めてその燃えた死体を確認した2人。
そしてもう一度周りを見渡す。死体を確認した後だから分かる。
そこら中に死体があった。
りあはそれを見てなにかを確信した顔をした。
「死体がこんだけあると言う事はやはりそうね。」
「どーゆー事?」
「この王国は一気に火の海になったと言うことよ。」
「なっ!でも、確かに、そうじゃないと説明がつかないよな。」
「何かが故意にしたに違いない。この任務ただでは行かなさそうね。」
***
ニヤリ
何者かはどこかで笑う。
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