第10話 いつもの日々

今日の戦いでそうとう成長したとレアトは自分でそう評価していた。

ただ、彼自身の謎の部分。フェリシダットの謎。色々な謎が彼を悩ませていた。



***

「くわっ〜、もう疲れたよ。今日は帰って寝よう。」

(今悩んでも仕方ないだろうし)


「何故か私も疲れたからもう帰りますね。」


「2人ともお疲れ様!ちょっとレアトだけ残って!」


「りょ、了解です。」

(早く帰りたいのに、、)


2人でりあを送った後エボさんが僕を残した理由を説明してくれた。


「あー単刀直入に聞くけどあれなに??」


おそらくあれとは自分が暴れていた時のことだろう。

「自分でもさっぱり、記憶も曖昧で、」


「やっぱりそうか、心配だがとりあえず訓練してあれが出ないようにしないとな。とりあえず来れる日は基本来い。俺は基本残ってるから。」


「いない時もあるんですか?」


「基本的にはみんな任務に行ってるからな。どこからか知らんが任務が届くらしい。フェルテフェリスはほとんどが指名制だから今の俺には来ないだろうね。レアトの教育係だし!まぁいつかレアトも行くことなるだろうしその時は俺も一緒に行くんじゃない?」


「そーなんですね!じゃあそれまでにもっと慣れておかないとですね。」


「そー!だから来れる日は来てね!」


「了解です。」


そう言ってヌエボはレアトを帰らした。


(個人的にレアトのこと調べるか、、)


***


そのまま家に帰宅したレアトはすぐ眠りについた。明日は普通の登校日。正直めんどくさいが行くしかない。


ピリリリリリ!!!

目覚まし時計が甲高い音を耳に届けてくる。

今日は珍しく母の声より早く起きた。


「レアト〜!もう朝よ、、あら珍しく早いやん。」


「たまたま起きれた。」

寝癖を掻きむしりながら洗面所で顔を洗う。


余裕を持っての登校も悪くはない。

今日は晴天なので気持ちが良く、昨日の悩みが嘘かのようにレアトの心は穏やかだった。


「おはよう〜レアト!なんか今日機嫌いいやん!」


珍しくこの声も悪くはないように覚えてきた。

聞き覚えのあるこの声が少し安心する。


「あ、そういえば、昨日の課題見せてくれない??」


「え、俺も言おう思ってた。レアトも昨日休んでたん??俺普通に寝坊してだるいから休んでんけど、」


「俺は〜そう俺もだるくて、、とりあえず課題はどうにかするよ。」


***


フェリシダットのことで頭がいっぱいすぎて、授業内容が全くわからない。どうしたものか、、、

唯一英語だけはなんとか追いつけるのだが、、


レアトは高校の授業に苦戦していた。最近色々なことがあったレアト。学校のことなど二の次にして訓練をしていたので授業についていけなくなっていたのである。


(こんな全くわからない授業するなら訓練して〜)


ちらっ

りあの方に視線を向ける。

彼女はしっかりとした姿勢で授業を受けていると思いきや綺麗な姿勢で目を閉じて寝ていた。


(りあも授業中寝る人なんだ、、じゃあ俺も寝よ。)

そう言ってレアトは眠りについた。


「結城くーん。寝てないで授業聞いてください。ただでさえ小テストの点数悪いのに、」


「へっ?」


先生に起こされてレアトは変な返事をした。

クラスのみんなはクスクスと笑っている。


(めっちゃ恥ずい。やらかした、、でも、りあも寝てたのに、)


そう思いながらりあも見てみると普通に起きていた。


「学業もちゃんとしないと強くなれないよ。」

煽ってきた。

レアトは何故か悔しい気持ちで胸がいっぱいになっていた。


「とりあえずここの問題当たってるから早く解いてくださいね。」


レアトはその悔しさを糧に問題を自力で解いてみせた。



***


〜昼休み〜


「レアト君は勉強できない人なんですか?」


普通に昼ごはんを2人で食べる仲になっているのにも驚きだが、りあがこう煽ってくる人だったのにも驚いてる。


「いや、平均ぐらいならはずなんだけど、ほら色々ありすぎて今はそっちに集中してるから。」


「まぁ確かに命に関わることだしそっちの方が大事かもね。」


意外と共感してくれているのは嬉しかった。


「じゃありあもあんまり勉強できない人ってことで良かった?」


「いや私は賢い。ここの高校のレベルは私からしたら低い。フェリシダットのこともあるから低い高校を選んだの。」


嫌味にも程があるが、フェリシダットのことを考えるとこれが正解なのだなと感心していた。

今日も学校が終わったら訓練しにフェリシダットに行くつもりでいる。部活というものはこんな感じなのだろうと思うと部活をしている人はすごいと思った。


「今日この後フェリシダットで魔法の訓練しに行くけどりあは来る。」


「わたしはレアト君とは違って強いので大丈夫です。今日は任務もないので帰ります。」


「じゃあ何するの?」


「ハセリ様に見せるアニメの予習でもします。結構アニメ好きなので、」


少し恥ずかしがって自分の趣味を話すりあは少し可愛らしかった。


「僕も少しはアニメ好きだよ。しおんがうるさくてさ。」


「レアト君は何見てるんですか?私は結構最近のだと、あ、まずどういう系が好きですか------

結構なお喋りでここ最近で1番の驚いた。オタクなんだなと思いつつもお喋りなりあが面白いので話に乗ってそのままずっとりあの独壇場だった。


***


帰り道をいつも隣にいるしおんと一緒に帰る。


「りあが結構なオタクでびっくりしたんだよね。」


「え、ガチ?めっちゃ嬉しいことやん。俺も今度お話ししたいわ。そんときはレアトも一緒やけど!」


「まぁそん時になったらどうせ話すことになるからいいよ。」


ニコっと笑うレアトの笑顔はしおんも驚きだった。


「りあさんのこと相当気に入ってるやな!そんな笑顔久しぶりに見た気がする!」


「そんなに笑顔やった?」


自分でも信じられないがそうとう笑顔だったらしい。最近大変な日常だが、そのおかげでこの笑顔があるのだろう。レアトの中で一つの決断が出た。


(とりあえず頑張って強くなろう!)


「今日この後俺の家でアニメ鑑賞会でも開くか!?」


「ごめん!今日はちょっと無理なんだ!」


そう言ってしおんとお別れしたレアトは家ですぐに着替え家を出た。


***


フェリシダットに行くための手段として鳥居を潜るともう一つフェリスに渡される特別な機械を使ってまぁようするに某どこでもドアがある。エボさんが考えたらしい。それを使ってフェリシダットに向かう。


「エボさーんきたけどー。」


フェリシダットについたレアトはヌエボを探し回っていた。食堂にもいないし、どこだろうか。

とりあえず訓練室に向かってみると普通にいた。


「あっエボさん!訓練室にいたんですね!」


「お〜レアト!そろそろ来ると思ったから先に待ってたんだ。出迎えしなくてごめんな。」


「今日は何するんですか??」


「今日はレアトの技を増やしていこうと思う。汎用性が高い魔法だから色々できると思って結構考えてみたから習得できると思うからやってみよう!の日だ。」


「エボさんが考えてくれたんですか?」


「まぁ俺は魔法の特性上賢くないといけないからな!勉強がてらって感じだ。とりあえず俺が作る簡単な人形に攻撃する形でやっていこう!」


そう言って始まった技作りの訓練。

技名は決まってないらしいので自分で考えながら習得していく。


「今使える魔法がガキツカイ。ラファエラ。ウランスパエンテ。ミハエルアルマ。の四つで良かったよな?」


「とりあえず自分で意識的に使えるとはその辺ですね。名前のセンスあるでしょ?!」


「まぁ名前のセンスはどうでもいいんだが、多分すぐに使えるやつが何個かあるからそれの習得だな。」


「エボさんの技の名前なにかあるんですか。」


「自分の1番の技には基本あるが結構多いやつもいる。りあさんとかは多いタイプだな。今度聞いてみるといい。俺は終奥だけだな。」


「終奥って???」


「あれっ言ってなかったか?まぁようするにフェルテフェリスだけが使える最強の技。それが終奥だ。」

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