第9話 驚愕
「お疲れ!2人とも!」
ついさきほど圧倒的能力を見せつけて新種のカラーミーを撃破したセルカ。まるで何事もなかったかのような清々しい笑顔でレアトとエボに話しかける。
「2人のとこは強かった?!新種のカラーミなのに大したことなくて残念だよね!」
「凄いですね、、」
「まぁマンさんはドスフェリスだからな。これぐらいやって貰わないと。」
「そーゆーエボも余裕だったんでしょー?」
「それはそーですけど?」
確かにエボさんの戦いを見ていない。きっとエボさんのことだから一瞬で片付けたのだろう。
自分はというと何か別人格のようなものに支配されただけで自分の力なのかわからない状態だ。
「そういえばストローさんの魔法は結局なんなんですか??」
「変身の魔法だよ!!シンプルでしょ?!レアトの魔法は??」
「エボさんが言うには操作の魔法らしいです。」
「マンさんこいつはきっと俺らと同じステージまで来ますよ!楽しみですね。」
「それは楽しみだね!戦えるのを楽しみにしとくよ!とりあえず戻ろっか!」
「ですね。きっと他の3人も終わってるでしょう。」
「はい。」
俺の初陣にしては上出来だったと思うが、それと同時に違和感を残す初陣となったのは俺とエボさんしか知らないがそれよりももっと深い何かがあることは今はまだ誰も知らない、、、
***
「ハセリさん!帰ったよ!」
本当にストローさんは化け物だとつくづく思う。一応新種のカラーミーを倒したにも関わらず帰りの速度は異次元でついていけないほどだった。俺が遅いのに気づいて最後はエボさんとストローさんは俺のスピードに合わせてくれた。
本当に優しい人たちだと思う。結局俺のスピードに合わせたおかげで着いた時には皆揃っていた。
「皆お疲れ様!レアトも初陣お疲れ。」
「はい。ありがとうございます。」
「レアト君どうだった??」
心配してくれたりあが話しかけて来てくれた。
「初陣にしては最高だったよ。でもまぁ違和感は残ったかな。」
「違和感ぐらいなんて事ないよ。大丈夫。」
りあもやっぱり優しかった。
「ねぇ、りあはさ、、」
「はーぃ!皆揃った事だし僕も話したいことあるから聞いてねぇ〜!」
ハセリさんの声に被さった。
「え、なに??」
「やっぱり今はいいよ。ハセリさん優先で。」
「わかった。」
「さて!今回!みんなは新種のカラーミと対峙したわけだけど、まずは感想聞こうかな??どうだった?ブルーカラーミーは?」
「余裕だったよ!!」
「いつも通り排除しました。」
「私のところもなんなく。」
「余裕でしたよ!レアトも余裕だったもんな?!」
「そーなの?レアト!?凄いじゃん。」
「一応倒せはしました。けど余裕ではないです。エボさんが調子に乗ってるだけです。」
「まぁ一緒だって!ですよね?ハセリさん!」
「エボが言うんだったら一緒でいいんじゃない!!皆余裕だったって言うしハズロも勿論余裕だったよね?」
コクリ
ウノフェリスのハズロレアルがゆっくりと頷く。その動きだけでも強いと言うのは今のレアトには伝わっていた。
(「、た、いて、な、そ、、わ、、レ、、。」)
ズキン!
頭に激痛が走る。
この幻聴の正体を俺は暴かないといけない。
確実に俺が暴走してしまう原因の一つはこの幻聴だ。これはエボさんにも言えないし、何かとてつもないモノな気がするから1人でどうにかしたい。
「そかそか。なら良いんだ!今後そいつらより強い敵が出てくるからね。」
この一言で皆の空気が変わった気がした。実際おれも驚いた。しかしそこまで驚いてもいない。なぜならフェリスの中にフツロと言う未来視の魔法を使うフェリスがいることを知っているからだ。
「強い敵と言っても僕もまだ詳しい情報はわからない。けどまだカラーミーだから皆大丈夫だと僕は思ってるよ。」
「あ、それと!レアトの魔法が操作の魔法っていうのをみんなに言いたかったの!」
「きゅ、急になんですか!びっくりしますよ。」
「いやーフェリスにこんなに早くなるなんて思ってもなかったから皆に自慢したくて!」
「自慢するならレアト本人がするもんでしょ。」
エボさんのナイスツッコミが入る。別に自慢したいわけではないが。
「実は気になってたんですけど、ハセリさんとかの魔法はなんなんでしょう。エボさんとストローさんとりあは知ってるんですが。」
「あ、確かにフェルテフェリスの魔法は気になるよね!えっとーエスパのはねぇー。」
「ハセリさん!」
「え、どしたのエスパ。」
「こいつに知られるの嫌です。」
「わがままだなー。まぁいいけどね。らしいレアト!ごめんね。じゃあハズロのはねぇー。」
チラッ
ハセリさんの視線がハズロレアルの方を向く。
きっとおちょくってるんだろう。ハセリさんの顔がにやけてるのが分かる。しかし、ハズロレアルはびくともすんともしない。
「もう分かったって〜。ごめんレアト!ハズロのも秘密。そして、僕の魔法はねー。」
「なんと!と」
バガン!!
ハセリさんがぶっ飛んだ。
「へ?」
穴が空いた壁。どこまで飛んだか分からないハセリさん。あまりの光景にみんな驚きを隠せない。
思いっきり蹴りを喰らわした犯人はハズロレアルだった。
「おい!いくらハズロさんでもそれは許さねーぞ!」
エスパさんの怒りの声が響きわたる。
「うわーすごいね!僕も混ざる!」
「馬鹿ですか、マンさん。」
「アリス!回復を!」
「もーそー焦らないの!」
気がつくとハセリさんが元に位置に戻っていて壁も直っていた。
「まぁ今のがヒントかな!でもハズロ!やるなら言っといてよね!」
「失礼した。あなたの魔法は言うべきではない。」
「そかそか。ハズロが言うならそうなんだろうね。分かったよ。とりあえず皆なんかごちゃごちゃしちゃったけどレアトが正式にフェリスになって、今度また新種のカラーミが来るからその二つだけ分かってくれたら今日はいいよ!解散!」
「は、はい。」
開いた口が塞がらないまま解散した。
***
「いやぁー凄かったな。ハズロさん」
「エボさんもやっぱりそう思いますよね。」
「やっぱりハズロさんは強いね!いつかやりたい!」
なぜかあのあとストローさんとエボさんと3人になっていた。
「さすが七不思議ですよね〜。」
「だね〜。」
「七不思議???」
「あ、そっかレアトは知らないのか。このフェリシダットの七不思議を。」
「ハズロさんの詳細とハセリさんの詳細!」
「あ!マンさん言うの早いですって。ちょっと怖い感じで行こうとしたのに!」
「皆さん2人の詳細は何もしらないんですか?」
「ハズロさんに関しては顔と魔法だけだが、ハセリさんは知らないことが多すぎる。まず一つ質問だが。レアト、今ハセリさんの顔思い出せるか?」
「え、あ、はい。」
「あれ??マンさんやっぱりこいつおかしいです。」
「だね。おかしい。」
「そうなんですか?」
「あぁみんないざ思い出そうとすると無理らしい。レアトが思い出せるならいいが。それ以外にもハセリさんは謎が多いんだ。」
「そして、三つ目はね、この施設フェリシダットの詳細だよ!」
「そぉ、なんで出来たのかいつからあるのか誰も知らない。」
「あとはカラーミの詳細と異世界の事と魔法の詳細だね。この辺はフェリシダットとは関係ないからいいや!」
「嫌ストローさん。多分そこが一番大事です。」
「確かに大事ですよ。マンさん。でもレアト実際のところほとんど分からないままだから気にしなくていい。てゆうか気にしても無駄だ。」
「でも今日の青いカラーミのことハセリさん知ってたね!」
たしかに今日の会議でハセリはそんなことを言っていた気がする。謎が増えるばかりだ。
「あと一個はなんなんですか?」
「ラストはな、、、」
ゴクリ
(7つ目が一番やばい気がする。)
「七不思議が6個しかない事、、、」
ブハッ!
思いっきり吹いてしまった。
「やったぜ!!見ましたマンさん!初めて成功しましたよ!」
「まさか成功するとはね、、」
「おちょくらないでくださいよ!このオチってことは全部嘘なんですか?」
「いや、悪いが全部本当に知らない事だ。でもフェリシダットは安全なところで怪しいモノなんて一個もないから大丈夫だぞ!」
「ならいいですけど。」
***
(今はただいつか来る大きな戦いのために強くなろう。)
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