第5話 魔法

「まずばみんなと再開の会話でもしていくから、その間にりあはみんなの紹介しといてあげて。」


「わかりました。とりあえずここにいるレアトくんとアリス以外はフェルテフェリスだから。」


「それは分かってるよ。」


「エボはまぁ知ってるでしょう。クワトロフェリス。あとはわたしがトレスフェリスで、マンさんがドスフェリス。そしてあなたにまだ魔力をとばしている敵意剥き出しの人がエスパシオブログエア。スィンコフェリスで私にも敵意剥き出しよ。多分こちらの世界の人が嫌いなんでしょうね。」

「最後にウノフェリス。ハセリ様と同等かそれ以上って噂の人。名前はハズロレアル。誰も仮面の下の顔を見たことがないらしい。」


仮面をかぶる人がいたのだが、並ぶまで気が付かなかった。どこか懐かしい気がするその仮面。ハセリさんより強いか同じくらいと聞いて寒気がたった。

今はあまり見ないでおこう。



「一応今本部にいるフェルテフェリスはこの5人よ。フェリスは結構多いしアリスもフェリスだから、レアト君はもっと頑張って私たちぐらいまで強くなってね。」


「、、う、うん。」


正直無理な気がするがここまで来たならやってやる。


「やぁ久しぶりだね!レアト!」


「嫌そこまで久しぶりではないです。」


思わずしおんにするかのようにツッコミを入れてしまった。


「ハハッ!ツッコミなんて初めてだよ!レアトは面白いね!りあとアリスも久しぶり〜」


「お久しぶりです。ハセリ様。」


「お久しぶりです!」


「アリスちゃんはフェリスなってばかりだけどすごい魔法だと思うから頑張ってね!」


「ありがとうございます!」


「りあはレアト君と仲良くしなよ!」


「承知しています。」



そんな会話をしている中俺はフェルテフェリスたちの威圧のせいかなにか分からないが気分がずっと悪い。

エスパさんの敵意の件はエボさんが中和してくれているらしいので、そのせいではない。

ほかにもっと敵意とまでは行かないが、何か感じる。

これはきっとフェリスになるために訓練したおかげで気づけることが出来たのだろう。

エスパさんの威圧ほどでもないし、この違和感はほっておいても大丈夫なやつだろう。


この違和感に気づけると言うことはきっとフェリスになれる日も遠くはないはずだ。


「さて!みんなとの再開の会話も終わったし、とりあえずレアト!!みんなに挨拶しよっか。」


「え、挨拶ですか?」


「普通の挨拶だよ。はいさっさとする!」


ハセリさんに呼ばれて彼の横に立つ。

フェルテフェリス達の視線を一斉に浴びて緊張が走る。


「こら!エスパは威圧しすぎ!ダメだよ〜。期待の新人なんだから!」


「すいません、ハセリ様。」


この一言でエスパさんの敵意は全くと言っていいほど無くなった。


「えっとー結城レアトです。りあと同じ世界から来ました。」


同じ中学から来ましたの感覚ですごいことを言っていることは分かる。同じ世界からなんて一生に一回言うかどうかだろう。


「フェリスになるために頑張ります。」


「よし!レアトの挨拶終わり!」


「え、もう終わりですか??」


「他に知りたいことなんてみんな無いしね。エボぐらいかな??マンちゃんは強さだけ気になる子だし。もういいよ!」


「えぇ〜ハセリ様〜もっとレアトの話聞きたいですよ〜。」


「はいはい。あれは無視しますよ〜。」


エボさんがハセリさんに変な文句を言いつつ俺の自己紹介??は終わった。


「とりあえずここから本題!明日か明後日ぐらいし大量のカラーミーが色んな方向から来るんだけどー数も多いから兵士の子たちだけじゃあきついから君たち5人だけでいいかなぁって思って!みんな鈍ってるでしょ??」


「え、暴れていいの?!ハセリ様!」


戦闘狂のセルカさんは大喜びだ。


「了解です。」


りあは冷静な返事を返す。


「ハセリ様が言うのなら。」


俺に敵意剥き出しだったエスパさんもハセリさんの言うことは聞くらしい。


「よっしゃ!!もちろんレアトも連れて行けってことですよね?!」


エボさんはいつも通り、、


「え?????」


「そーゆーこと。エボはレアトの訓練がてら暴れてきてね。」


「いきなり戦いの場に出るんですかーー!!??」


「そうだよー習うより慣れろって言うでしょ?」


いきなりにもほどがある。しかもエボさんとだなんて何をされるかわからない。


「まぁ!そーゆーことだし!また明日集まってね!!あ、ハズロだけ残ってて〜。」


「了解」


とても男らしい声を発するハズロレアル。

今日彼が発した声はこの言葉だけだった。


***


ハセリさんの部屋を後にして俺はエボさんと訓練室にいた。


「つーわけでレアト!戦いの場に行くわけだが、このまま行ったら確実に死にはしないが怪我はする!!」


「でしょうね。」


「理由は簡単!魔法がまだ使えないからだ!なので、レアトの魔法を開花させる!もう開花はしてるんだけどあとは使うだけだな!


「え、もう開花してるんですか?」


「魔力の制御ができたらもう開花してるのも同然!あとは自分の魔法を知るだけ!!」


「あのりあが使ってた雷落とすやつですか??」


「お、りあの魔法見てたのね。ちなみにりあは空の魔法を持っている。空に関するものならなんでもできる。うまく使えば最強だな。」


空に関するものとか最強だろと思いつつもそれに匹敵する人があと4人もいるのに驚いた。


「俺の魔法は見たほうが早い、、いくぞ。」


「はい。」


そう言って瞬きをし目を開けるとそこには2人のエボさんがいた。


「じゃじゃ〜ん、さて俺の魔法はなんでしょー?」


困惑する俺に2人のエボさんが話しかける。


「え、いやわかんないですよ。分身とかですか???」


「残念、まぁ確かにこの使い方じゃそう思うか。じゃあこっちだな。」


すると目の前には2人のエボさんしかいなかったのに剣や本、食べ物や犬など様々なものが一斉に生成されていった。


「これで分かったでしょ。まぁ簡単に言うと創造の魔法だね。俺の知っているものは魔力が尽きない限り造ることができる。しかも生き物もできるからこうやって自分を造ったら一生創造できるというわけだ。あ、ちなみに生き物は耐久性は脆いよ。」


「チートすぎるでしょ。」


「あぁチートだよ。だから俺はクワトロフェリスなんだ。今日マンさんに蹴られた時に壁に打ち付けられてたのは俺が創造した俺だ。」



初めて魔法と対面したが、ここまですごいのは知らなかった。フェルテの人たちはチートだし他のフェルテフェリスの魔法も気になる。


「りあ以外のフェルテは説明が大変だし、俺もしらない人がいるからね。明日の戦いさっさと終わらして見に行こう!」


「それは頑張ります。」


「一個言うとりあの側近のアリスは音の魔法の持ち主。もしかしたらフェルテフェリスになる可能性はあるね。」


「気になってたんですけどフェルテフェリス以外のフェリスは何人ぐらいいるんですか。」


「え、知らなかったの?ハセリ様も適当だね。確かね〜フェルテフェリスを抜いて10人くらいかな?いつもは彼らが兵士を引き連れてカラーミーを倒すんだよね。よっぽど強そうだったら俺らが単体で行くんだけど。」


「え、でもりあは前兵士と一緒だった気が、、」


「あーりあはフェリスになってすぐにフェルテフェリスになったからね。まだ1人では心配ということで兵士を連れて行ってる。」


りあは天才だったのだ。フェリスになりたてでまだ魔法の可能性が残っている状態でトリスフェリスになった。


「一個嫌なのは俺よりも番号が上にいっちゃったところかな。一応フェルテ達は番号順だし。」


「まぁそういう話は時間がもったいないから辞めるとして、レアトの魔法を開花させるためにに君は今からフェリスと戦ってもらう!」


「え、フェリスですか??」


「うん、俺だと勝負にならないからね。じゃあやろっか。」


「でも、まだ来てないんじゃ。」


「後ろみろバーカ。」


振り返るとそこには自分とよく似たフェリスが立っていた。

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