第8話
その日は朝から肌寒かった。カーキのフライトジャケットを学生服の上に羽織り、俺は高校へ登校した。ぼーっと黒板を眺め続けて三時間目の物理が終わるころ、俺の担任が青い顔して教室に飛び込んできた。俺は担任に連れられて教官室に向かった。そこでは事務員のお姉さんが悲しそうに俺を見つめながら受話器を持っていた。渡された受話器の向こう側は俺の母親だった。口を利くのはいつ以来だろう、そんなことを考えていた俺に聞こえてきた言葉はあまりに残酷だった。
「おばあちゃんが倒れて動けない。」
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