第9話

 俺の母親はパニックになっていた。119番に電話することすら思いつかなかったようだ。慌てて高校を早退し家に着くとおばあちゃんは苦しそうに顔を歪めて床に横たわっていた。慌てる母親を一瞥し俺はすぐに救急車を呼んだ。おばあちゃんは前と同じように

「大したことないから、心配ないから。」

を繰り返していた。

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