第4話

 俺が中学生になったころある変化が訪れた。考えてみれば当然のことだ。俺が一つ成長すれば、おばあちゃんは一つ年を取る。俺の成長に呼応するようにおばあちゃんは小さくなっていった。ある日の早朝台所でドスンと音がした。おばあちゃん最近転びやすくなったな、と自室で考えていた俺はその後いつまでもおばあちゃんが動く気配がしないことを心配して台所へ向かった。おばあちゃんはしりもちをついた態勢から立ち上がれなくなっていた。慌てている俺を微笑みながら安心させようとするが、どうにも立ち上がることができない。かなり腰を痛めたようだ。

「大したことないから大丈夫よ。」

 そう繰り返すおばあちゃんの反対を押し切り、俺は救急車を呼んだ。

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