第2話 俺と言わないでくれ 200文字の物語

「振り込んだからな」


「有難う父さんじゃあ」


「あぁ……それと…… 」


「なに? 」


「家には息子は居ないんだ……もう息子はな…… 」



「…… 」



「息子は詐欺仲間に埋められた。後戻りできなくなる前に脚を洗って欲しい、そのせめてもの気持ちだ。頼むから親を悲しませるな」



「…… 」



「ごめんな、ごめんな、父さんが守ってやれなくて……じゃあな」








 その後一人の少年が自首をして詐欺グループが一斉摘発されたと聞いた。

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