ぬいぐるみ家の友達

四葉翠

第1話 ぬいぐるみの友達

クマぬい「やぁ、僕はスタンダードなクマのぬいぐるみだよ」


友達「それ毎回言わないとダメなのか?」


ク「毎回姿が変わってるじゃないか」


友「変わってないよ、ずっとクマだよ」


ク「いつか変わるんだよ」


友「今はどんな所に送るぬいぐるみ作ってる?」


ク「無視しないでよ……あそこで作ってるぬいぐるみはサンドバッグにされる予定」


友「酷くない?可哀想に……」


ク「デフォルメされてるけどモデルはデビルベアーって言うやばい魔物だね、動くよ」


友「待って、動く?魔物?あれ?前まで普通のぬいぐるみが全世界の店舗に並ぶよとか言ってたじゃないか」


ク「アレは嘘だクマ、クマクマ。でも嘘とも言えないクマ、全世界の中には異世界だって入るクマ」


友「クマ語尾止めろ」


ク「分かったよ、止めるよ。可愛いのに……。クマらが作るぬいぐるみは異世界に送られる事の方が多いよ。でもこの世界用のぬいぐるみが作られないわけじゃないよ、ほらあそこの悪魔のぬいぐるみが作ってる狼のぬいぐるみがあるでしょ?」


友「あれ……新ぬいぐるみのぬいぐるみ?ややこしいな、新人?どんな用途のやつ?ヤバいやつじゃ無いよな?」


ク「人じゃないよ、ぬいぐるみだよ。新しい人だよ。人手が足りないからね。あとアレは愛玩用のだよ、異世界にも送るけどちゃんとこの世界でも売られてるよ」


友「人って言ってるのはクマも同じだろ。作り手の見た目がアレだけど、ちゃんと愛玩用なんだ安心したよ」


ク「今回はちゃんと言うよ。この家で作られてるぬいぐるみは戦闘用だったり、愛玩用だったりと結構色んな用途に使われるんだよ。この世界で製造しているわけか簡単だよ。僕らの事を殺しに来る人間がいないんだ」


友「え……?世界によっては殺しに来るの?」


ク「そうだよ、大変なんだよ。この世界に来る前だって8割くらい殺されたんだからね。今はそろそろ7割まで回復出来たかな」


友「えーー……、ぬいぐるみ作って送ってるだけなのに?」


ク「そう、作って送ってるだけなのに」


友「良かったね、回復してきて」


ク「そういえば、あそこで猫のぬいぐるみが作ってるのは、この世界で人を殺すためのぬいぐるみだよ」


友「待て、さらっと言うな。この世界で人を殺すための……?」


ク「ぬいぐるみさ」

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ぬいぐるみ家の友達 四葉翠 @YotsubaMidori

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