最愛〜ある女の子の話〜

最上司叉

第1話

私は皆にナイショで付き合っている先生を殺した。



ここはある高等学校。

私はそこで先生に出会った。


先生の最初の印象は頼りないタイプだった。

授業を受けているときも何故か危なっかしい感じの科学の先生だった。

私は特に好きではなかったがある時偶然見かけたことで好きになってしまったのだ。

その出来事とは生活指導の先生に捕まった人を助けたのだ。

私の中で頼りなかった先生のイメージがガラッと変わったのだ。

その生徒は具合が悪く授業を休んで教室に戻るところだった。

運悪く生活指導の先生に捕まったのだ。


先生は

「この生徒は体調がよくなかったので休ませました」

「どこが体調不良なんだ?、元気じゃないか」

生活指導の先生は怒っている。

「保健室で休ませました」

「もういい、さっさと帰れ」


私はそれを見ていて好きになってしまったのだ。


とはいえ先生と生徒。

なかなか難しい。

私はそれから科学準備室に入り浸るようになった。

最初は授業で分からないと嘘をつき先生と一緒の時間をつくった。

今ではすっかり仲良くなったつもりだ。


「先生質問、彼女いますか?」


先生は飲んでいたコーヒーを慌てて置いてむせている。


「いませんよ」


「私が立候補します」


先生はまたむせた。


「冗談ですか?」


私は


「真剣です」


「分かりました、考えます」


とそこで今日は帰ることにした。

私は諦めない。


次の日また次の日と科学準備室に行き先生に迫った。

そのうちに先生は


「分かりました、付き合いましょう」


私は舞い上がってしまっていた。


「先生、もうすぐ私の誕生日なの」


「おめでとうございます」


「誕プレ楽しみにしてるね」


「分かりました」


先生は少し困っていたが私はお構いなしだ。


私は気分良く家に帰った。


そして次の日


朝高等学校に行くと友達が話していた。


「科学の先生女と歩いてた」


「彼女いたんだね」


私はそれを聞いてしまった。

私という者がありながら何で?

私は怒りと悲しみが同時にこみ上げてきた。


私は急いで科学準備室に向かう。

私は入るなりこう言った。


「先生昨日の女は誰なの」


「後でちゃんと説明しますからまずは落ち着いてください」


「落ち着いてられません」


私はどんどんヒートアップしていく。


先生は少し困りすぐに戻りますからと言い残し何処かに行ってしまった。


私は涙が込み上げてきた。

ふと見ると机の上に飲みかけのコーヒーが置いてあった。


私は嫉妬に狂いその辺のビンを取りコーヒーにまぜていた。

先生は戻ってきた。


「すみません、待たせてしまって」


私は何も答えない。


すると先生は


「これを飲んで落ち着いてください」


ココアを渡された。


私はココアを一口飲んだ。


「実は昨日友達に貴方の誕生日プレゼントを選んでもらっていたんです、すみません、誤解させてしまって」


私は先生の言葉を聞いて驚いた。

浮気していたわけではなかったのだ。


「私のほうこそごめんなさい」


「大丈夫ですよ」


とその時先生は飲みかけのコーヒーを手に取り飲んでしまった。


「?」


先生は味が少しおかしいことに気づいたがもう遅かった。


先生は悶え苦しみだした。


私はさっき混ぜた薬だと思い先生に慌てて近づくが遅かった。

先生は死んでしまったのだ。


「先生?」


私は先生に話しかけたが答えはない。


私は泣きじゃくっていた。


どのくらい時間が経ったのか私は分からないがその時には先生の身体はもう冷たくなっていた。


私は自分のしたことに後悔した。


先生を信じられなかった自分を悔いた。


私は先生の後を追おうとさっきの薬のビンを手に取り飲んだ。


「先生ごめんなさい、私もすぐに行くから」


こうして私の短い人生は幕を閉じたのである



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