第18話 11章 October three

セオとスチュワートとグレースの時代が出発点となることを世界は大いに祝福してくれた。グレースが亜種白路の人質となって約40年、セオが若いながらにスパイとして忍耐を持って活動に従事して約20年、スチュワートがグレースのフィアンセとして家のために自分の人生に折り合いをつけてから10年の時が過ぎていた。


グレースはセオのために黒を、セオはスチュワートのためにオレンジを、スチュワートはグレースのために緑を拝した。そしてそれと同様にグレースはスチュワートのために紫を、スチュワートはセオのために金色をセオはグレースのために赤を拝した。


グレースは象徴的にブロンドヘアを黒髪に戻した。反転、逆噴射を意味する必要があったからだ。


セオの家はリブロと名乗り、グレースの家はジュリアードと名乗り、スチュワートの家はコンサヴィと名乗ることとなった。

リブロ、ジュリアード、コンサヴィの3家をMjustice-Law家とし、今後は血族以外の血の流入が申請された場合、元老院の多数決により必ず審議を必要とすることが決定した。常任理事となったのはビル、シャルル、セバスチャン、スカーニー、ジョン、アマンダ、アレックス、エリザベス、翠蘭はアーサーとヴァージニアと共に議長役を担うこととなった。


「これにより、グレースへのGossipの接触を一切禁止とする」

「ちょっと待ってよ!なんであたしだけなのよ!セオやスチュワートは」

式典の恭しさを台無しにするのが恵らしい。

「セオやスチュワートはしっかりしてるから、取り決めにしなくたって友達はちゃんと選べるからいいの!今ちょっと黙ってて!」

バロウが小声で早口でそう言った。俺の隣に座らせてよかったと思いながら宣言を続ける。

「グレースの接触障害に関しては完治目的のための治療として引き続き接触制限を継続する。グレースの滞在が予想されるすべての組織と関連機関からGossipは退去しなければならない。期限は9月26日までとする。左にはセオが右にはスチュワートが配置され、セオは基実と、スチュワートは帝都とその場所を共有する。Mjustice-Law家において基実はリブロを名乗り、帝都はコンサヴィを名乗ることとなった。

また、実務ではスカーニーと翠蘭とグレースがジュリアードに所属し、セオと基実とゲオルギがリブロに所属し、アルバートとスチュワートと帝都がコンサヴィに所属する。三閉免疫症候群は亜種白路の上司として活動を再開するが、右炉の家はコンサヴィと、左吾の家はリブロと、央観の家はジュリアードと協力して従事するように。

Gossipのカマキリと蚊は特に危険だと判断されたものはMjustice-Law家について講習とトレーニングを行わせること。また優先的に劉志漢やイワンに提出するものとする」


2023年10月、長い戦争がついに終わろうとしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る