第17話 Gossip & Enemy
Enemyが管轄するこの島の大部分は流浪遺伝子を持つGossipに属する。亜種白路がSWLと呼ばれるように流浪遺伝子は時々Gosssipと呼ばれることがあった。
彼らは知るべきではない秘密を知ろうとする。その秘密は自分の人生を終わらせるとも知らずに。
教育制度に問題があったことは言うまでもない。どこの国でもMjustice-Law家のことは家庭で教育がなされる。しかし、1945年の終戦の恨みから暗黙の了解のごとくMjustice-Law家についての教育に戒厳令が敷かれたのだ。
セブンティーンズやセブンスの創設により亜種白路の独占市場となったのは2013年。Throenにも蔓延るようになった亜種白路が実際遺伝を伴うDNA構造ではなくウイルスであると解明されたのが2019年だった。COVIDとはこの島では言わない。太陽のまわりを覆うコロナという言葉を使う。
Mjustice-Law家の祖先であるフランスのアレキサンダーは火を持っていた。亜種白路は火の回りを覆い尽くすウイルスという意味でもある。聖火外とセブンティーンズが認めたこともフランスのアレキサンダーに由来している。
大陸の象徴であったSenested-Xiaoの母グレースはG勲章を持っていたが、このグレースと同じ名前を持つこととなっためぐみにとって、海の象徴であるハインリッヒは誰なのかというのが世界の最大の関心ごとだった。
しかし、今現存するのは大陸側の火を象徴するアレキサンダーが持つA勲章と地を象徴するスヴェトラーナのS勲章だったことによりGossipに亜種白路ウイルスが侵入経路を見出した。
そして風を象徴するエドワードが持つE勲章と水を象徴するマリコのO勲章を我が物顔でなりすますことにより亜種白路はFood Hoods Derivaryの空売りにクレジットエフェクトをかけることを思い着いた。
Mjustice-Law家が何者なのかということをほとんど知らないGossipたちは今もMjustice-Law家よりもセブンティーンズを信頼している。亜種白路やKTC、百舌鳥柄は隣人であってもさほど不思議には思わないのがこの島のGossipの特徴だった。
Gossipはカマキリと蚊とイナゴ、それからアリに象徴されてから分類され、元老院が番号管理している。金融連邦とBRONZE-FROzenはカマキリと蚊とイナゴとアリの分布図と活動指数を分析して見通しをつけている。
ゴシップ誌はMjustice-Law家とGossipおよびEnemyたちの分布図や活動状況を同紙内に同時に公表している。Mjustice-Law家の象徴を演じられるのはThroen所属の俳優に限られているから、もしもそれ以外の、例えばセブンティーンズなどがMjustice-Law家を象徴して演じた場合、ルール違反としてまず最初にゴシップ誌の中で公開処刑されることとなっている。裁判までのチャートで言えば起訴の段階である。
起訴されると、その後Amadeusu Juryにおいてサリエリかどうかの認定作業が行われる。略式起訴であれば当日の処刑も可能である。
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