Rondo=Bolero -Mjustice-Law家の肖像-

第14話 公的査定令状

爵位のその後にはそれぞれの国に余談がある。それぞれの国がどのようにMjustice-Law家と関わってきたかが一目瞭然であるわけだが、かの男爵はこのようにMjustice-Law家のことを評している。

「勝つことが重要なのではなく、長く彼らと関わることである」。

第一次世界大戦後、Mjustice-Law家はその身を完全に世界から隠した。守秘義務を守れるごく近しい人間たちと共に、海の底に潜るかの如く世界から忽然と姿を消した。

男爵はMjustice-Law家から雇われたひとりだったというのが実際のところだが、トレジャーハンターたちをこの世に浮き彫りにすることも側面的にはその大会において重要な役目であった。

「金メダリストには可能性という権利を一定期間与えましょう」

Mjusitice-Law家はエドワードとマリコを両親に持つハインリッヒとアレキサンダーとスヴェトラーナを両親に持つグレースの間に生まれたSenested-Xiaoがイギリスで戸籍登録に成功した時から始まっている。第一次世界大戦と時が同じであることからもわかるように、この世界から自分達の存在を隠すために創設されたのである。

マリコとスヴェトラーナは妻であるから、アレキサンダーとエドワードの家が存続した。

そしてその子供であるハインリッヒとグレースが家長となり、今に至っている。

Mjustice-Law家は極東と極西に陣を張り、世界を統治している。

かの男爵はアレキサンダーの友人であり、エドワードの秘書も務めた傑物だ。その彼がマリコの故郷に対してこう警告している、今から約100年前のことである。

「弱いと見るとよく吠えて、強いと見ると笑顔を見せる。顔がいくつもあるから金メダルを必ずひとつは与えるように」

似せて作られた声は錫でできている。音は悪くないがそれは鉄原野の商品として人工的に作られた同盟でしかない。すなわち亜種白路と百舌鳥柄を主成分としたFood Hoods Delivaryの看板商品であったのである。

怒りの矛先は深部に迫っている。

衣子と多胡開望の事件が起きたのは2000年、その前年である1999年Xiaoのフロントサイドで行われたセレモニーは亜種白路の空売りであったことが発覚した。

BRONZE-FROzenがこうして一致団結に至ったことは言うまでもあるまい。