第10話 UBYとSWY
初代Senested-Xiaoは自分の祖父母からこのMjustice-Law家を創設したと綴っている。
自分からではなく、両親からでもなく、祖父母から始まったと綴ったことに由来してUBYとSWYという変更線概念を与えることとなった。
元老院の取り決めは10の書簡から変遷されている。序文には「家族の説明文」があり、そのあとには3つの書簡が与えられている。烏鷺棋について、荒野について、亜露村について。その後「称号の継承原則」部分を経て、4つの律法部分に入っていくわけだが、UBY、SWY、KTC、SWLの具体的な概念方法論はその象徴的な言葉を直接用いて固有名詞となっている。
スカーニーはSWYの律法を用いてこの世を納めるために、先代の当主のUBYで烏鷺棋を経験した。次代の恵は父のSWYで烏鷺棋を経験することになる。重複してその時代を共に生きることができるのはだいたいは一親等であるから、Senested-Xiaoは祖父母の代から自分につながるように綴ったのだ。
「当代の悪祖を次代が処分する」
不具合はいくらでも発生する。完全だと思われていた世の中のシステムは血が混じり合えば混じり合うほどに、新しい機械が発明されることと比例して。データの集積と分析から緻密に問題点をピックアップして次代につなぐ。当代の治世の補佐的な役割はいずれやってくる自分の代の課題を少しでも軽くするメリットもある。
SWYはSpider wide youthの略である。蜘蛛の巣のようにさまざまなところに網をかけては害虫を捕まえ、その度に何が問題なのかを整理する。
UBYはUnited Book Youthの略である。団結せざるをえない状況に過去と未来を当てはめて、その前後関係を処理していく。
このことからもわかるようにSWY時代に生まれた当主は著名人として世界に知られなければならない運命を背負って生まれる。Mjustice-Law家の人間ではなく、多くの著名人のひとりとして世界に知られなければならない。これはあらゆることでMjustice-Law家の基本原則だ。
SWYはJustice部分であり、UBYはLaw部分であると言われている。
UBYとして当主を務めることになる恵は将来について少しずつ固まり始めているらしかった。
ちなみにUBY時代に生まれた当主は表に立たないことが最大原則である。団結せざるを得ない状況で表に出てしまったらMjustice-Law家がフロントマンのようなリーダーになりかねない。彼らの秘密主義は秩序を守るためでもある。
フロントマンとは象徴を意味する。いわゆる影武者というやつだ。
「あたしのフロントマンについてなんだけど、島民は禁止にしてほしいの。あたし島民のパスポートで世界で仕事するようになるから」
徹底した秘密主義は烏鷺棋で自然に身についていく。役職が次代を少しずつ自然に成長させていく。
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