第8話 叙勲式
「元老院」
ビル、シャルル、セバスチャン、ジョン、アマンダ、アレックス、エリザベスが前に進み出る。
「ビル、同時にS-FG BANKの頭取権も叙任する」
世界にはMjustice-Law家の下に10の銀行がある
M-FG BANKはシャルルに、J-FG BANKはセバスチャンに、T-FG BANKはジョンに、I-FG BANKはアマンダに、C-FG BANKはアレックスに、UX-FG BANKはエリザベスにそれぞれ叙任された。エリザベスでは心もとないからと相談役にアーサーが就くことになった。同様にJ-FGの相談役にはスカーニーが、M-FGの相談役にはセバスチャンが、S-FGの相談役にはジョセフが就任する。
残るEX-FG BANKの頭取権は翠蘭に叙任された。ここもまたスカーニーが相談役を引き受けている。
いよいよ母である黒沼衣子を人柱とした9UXーBANKの倒産が宣言されたようなものだった。
9UX-BANKはMjustice-Law家のクレジットを無断で語り、世界に空売りを仕掛けたSWLの中心銀行である。銅河原特殊部隊であるセブンティーンズへの資金援助も9UN-BANK STOCKとして売り出した株式が元手になっていた。またこの9UN-BANKはFOOD-HOOD DELIVARYという植民会社を世界各地に起業することでSWLの覇権をじわじわと広めていった経緯もある。
「Segall」
Segallは代理人を意味する。これからSenested-Xiaoの叙勲を受ける前にまず代理人の選定が行われる。
Segallはバロウとなった。Leeや多胡との長期にわたる戦闘への貢献に対する勲章でもある。
「Segall バロウからスカーニーへ。Senested-Xiaoの叙勲を行います。同時にMjustice-Law BANKの頭取権と鍵も渡されます」
Mjustice-Law BANKの鍵はスカーニーが右手で受け取ると血管を流れて左腕の動脈にとどまった。居心地の良さそうな脈拍があたしたちにまで伝わってきた。
スカーニーがSenested-Xiaoの叙勲を受けてのち、あたしたちへの叙勲が始まった。
翠蘭さんはU冠、アーサーはE冠、ヴァージニアはO冠、ヴィクトーはA冠、ジョセフはS冠、帝都はG勲章、基実くんはH勲章、そしてあたしはUrithiru Beriusの叙勲を受けた。
「めぐみにUrithiru Beriusを叙勲する。これは次代に与えられる称号です。UBY当代にはUrithiru-Beriusが、SWY当代にはSenested-Xiaoが与えられます」
Urithiru-Beriusの勲章はガーネットだった。あたしは右利きだから右手で受け取った。すると血管をめぐりめぐって体にしっくりと馴染んだ。ああ、これがUrithiru-Beriusかと納得してしまうほどにしっくりとすぐに馴染んでいた。
「Mjustice-Lawの称号はこのように物理的な物を体に融合することで鍵の権威を発揮することができる。明日からまた改めてよろしく頼む。叙勲は以上である」
大きな花火があがって、あたしたちはそれぞれの勲章と共に家に帰った。
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