第7話 Unveil TRYple rhYMing
あらゆることが動く時は不都合な真実が世の中に起きてくる。
世界は流れるように進軍し、海にすべてが注ぎ込んでいく瞬間も知らずにいられる。
平和とは一部の人間の多大な功績を持って建国される偉大な王国だ。
Mjustice-Law家は輪舞曲のように三拍子を刻んでいく。
ヨーロッパ、アジア、アメリカ。
北回帰線、赤道、南回帰線。
司法、経済、政治、、、
Senested-Xiaoがはじめた植民会社は世界の統治を目的としていたわけではなかったが、人のために生きた結果その功績が偉大な王国として建国された。
諸国の民を思ってという表現を彼は嫌がった。
「諸国の民族のうちに私もいることが私の希望です」
希望はその人に生きる意味を与える。Senested-Xiaoは目立つことを嫌がり褒められることを拒み、そっと誰の隣にもいることを望んだ。
食料自給率の問題は人口爆発とともに世界で共有されるべき課題となった。ビジネスと人権の問題は継続的なモニタリングが必要なほどに野蛮なベクトルへと後退していった。
当代のスカーニーは創設者のXiaoの肖像画の前でひとりごとを言う。祈りだと解釈されることを照れるスカーニーはひとりごとだと言って譲らない。
「自力救済を禁じたい。ひとりひとりが担うには重すぎる課題がそこかしこに落ちている。ひとりひとりは何も知らず拾っては背負い込んでしまう。荒野の米が甘いのは実態がないからで、簡単に手に入るものが簡単に出ていってしまうことを伝える手段が俺にはない。娘のこと妻のことを思うと俺は彼らに与えるだけで精一杯だ。磔になれれば救われるものの、あなたの血筋の後継者としてそれさえも叶わない」
自力救済の禁止はこのようにして原則として世界のスタンダードになっていった。
スカーニーの祈りは成文化され、法源となった。それゆえに暴力は国家の独占家業として三閉免疫にスカーニーから授与された。
「Xiaoそれさえも亜種白路は奪っていったんです。俺のせいで三万人の友人が仕事と家を失った。人権を奪われたんです」
Xiaoの肖像画は一般人が見ることはできない。アンダーグラウンドの最深部に隠されている。
ある時、亜種白路の若者がうっかりとその最深部に足を踏み入れてしまった。
さらにその若者は不運にもスカーニーと鉢合わせをしてしまったのだ。
スカーニーは恵の烏鷺棋の廃棄処分案の申請を承認し交付した。
不都合な真実に都合の良い世界を形成することがなぜ罪なのか?
亜種白路の若者は死に際にスカーニーにそう捨て台詞を吐いた。
彼らは変わることはない。諦めきれない理想を諦めてようやく衣子の笑顔を思い出せた気がした。
Xiaoの肖像画は今もアンダーグラウンドの最深部に安置されている。
化学の実験は8月から秋にかけて佳境を迎えている。
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