第4話「笑顔」
もう何時間経っただろうか
周りがメチャクチャになっている
シヴァルビア「お前、なかなか強いな」
ローズマリナ「あなたもね」
二人の勝負はまだ決着がつかない
フローラ「さ、ささささ寒いデス!」
死祐「こりゃ止めた方がいいかねぇ?シヴァルビア君、これ以上やるとこの子死ぬんじゃない?」
シヴァルビア「死なねぇよ!そいつの能力は不老不死だ」
死祐「でも辛そうだよ?いいのかい?」
シヴァルビア「チッ…」
ローズマリナ「やめるの?」
シヴァルビア「人が真面目に戦闘してんのに、止められんのが一番虚しくなる。行くぞクソガキ」
フローラ「お腹空いたデス」
シヴァルビア「行くから黙ってろ」
去る二人
死祐「いやぁ長かったね」
ローズマリナ「えぇ、よくオーラが保ったものだわ」
死祐「君もね、普通二人とも尽きてるでしょ!オーラ量半端な!」
ローズマリナ「さぁ、行くわよ」
死祐「はいよ」
ローズマリナ「いえ、やっぱり今日は休むわ」
死祐「あいよ、宿見つけますか」
宿を探しに向かった死祐
ローズマリナ「シヴァルビア・グルゼリア…」
?「お前、今なんつった?」
ローズマリナ「?」
?「シヴァルビアっつったか?」
ブラフマー・エルティック現る
ローズマリナ「だったら何?」
ブラフマー「そいつがどこにいるか知ってるのか?」
ローズマリナ「知らないわ」
ユリネ「嘘、知ってる」
ローズマリナ「ッ!」
ブラフマー「おいこら、何でお前がここにいんだ、待ってろって言ったろうが」
ユリネ「ユリネ一人になるの嫌だ」
ローズマリナ「可愛い」
ブラフマー「あ?」
ローズマリナ「なんでもないわ」
ブラフマー「それよりお前、嘘ついたな?」
ローズマリナ「何故そんなこと分かるの?」
ブラフマー「こいつがそう言ったからだ。能力で心を見透かされたなぁ嘘つきお嬢さん」
ローズマリナ「なるほど、けど嘘は言ってないわ、あっちに向かっていったけどどこに言ったかは知らないわ」
ユリネ「…本当みたい」
ブラフマー「チッ、今日はめんどい、少し歩いたら休むぞ」
ローズマリナ「あなたはブラフマー・エルティックね?シヴァルビア・グルゼリアの友達かしら?」
ブラフマー「あ?んなわけねぇだろ、一番殺したいやつだこら」
死祐「宿見つけたよぉ~って、またなんか絡まれてるし」
ブラフマー「誰だこいつ?」
ローズマリナ「連れよ」
ブラフマー「そうか、じゃぁな。あのクソ野郎とどんな関係か知らねぇが俺とあいつの邪魔はすんなよ」
去る二人
死祐「あれって…ブラフマー・エルティックだね」
ローズマリナ「えぇ」
死祐「彼とシヴァルビアまだバチバチなんだ」
ローズマリナ「?」
死祐「いやぁ、聞いた話じゃ戦争中に殺しあったけどクトゥルフとの戦いで共闘したんだとか。まぁ盗み聞きしたから分かんないけどねぇw」
ローズマリナ「興味ないわ、早く宿に案内して」
死祐「イェッサー」
そして翌日
場変
オメガ「リリア、お客が来たぞぉ~」
リリア「お客?私に?」
エルガ「俺護衛しようか?」
オメガ「いらねぇよ、リリアだって強いしな」
リリア「誰かしら?」
アジトから出るリリア
リリア「はい」
配達員「お届け物でーす」
リリア「?」
配達員「では」
リリア「何かしら?」
アジトに戻るリリア
それを見ていた二人
死祐「あれが君の妹か、やっと会えたのに行かなくていいのかい?」
ローズマリナ「…」
ローズマリナは不器用でした
必死で妹を、この世で自分と血が繋がっているただ一人の家族を一生懸命探しました
ですがローズマリナは満足してしまったのです
会うのではなく顔が見れた、生きていてくれたことを知って
それだけで満足してしまいました
ローズマリナ「行くわよ」
死祐「えぇ?!本当にいいのぉ!!」
ローズマリナは10歳の頃からずっと笑っていませんでした
いつも無表情で感情を表に出さないように振る舞っています
そんな彼女が心のそこから安心し満足し笑顔が漏れてしまったのがいったいどんな感情なのか…
彼女にしか分かりません
嬉しいのか楽しいのか、幸せなのか愛くるしいのか
もしかしたら彼女を育ててくれたエロスなら分かったのかもしれません
ローズマリナ「私は、私のやりたいことを探す。それが…私の生きる意味」
死祐「いいんじゃない?俺も付き合うぜ!」
ローズマリナはこれから自分の道を見つけるため旅をします
この先彼女達が出会った4人と行動することになるのはまた別の話…
ローズマリナはオーヴェル博士を探しました
ですが博士はとっくに死んでいることを知りまた別の道を探すのです
贅沢を言っていいのならただ一つ、いや二つ
本当の両親に会いたい
会って抱き締めてもらいたい
ローズマリナは頭の片隅でたまにそう思うのです
自分を捨てた両親に復習や殺戮が沸くのではなく笑顔で「ありがとう」と言いたいのです
エロスに会えたから
エロスに愛してもらえたから
偶然かもしれません
でもその偶然がまるで点と線が繋がるように起こったのです
それで十分
ローズマリナを生んでくれて、エロスに巡り会わせてくれてありがとう
エロスにも会いたい…
こんな私を拾ってくれて、育ててくれてありがとう
笑顔でありがとうと…
ローズマリナ「エロス…」
死祐「ん?エロいっす?」
ローズマリナ「消えてちょうだい」
凍らせ砕く
死祐「冗談だってwにしても懐かしいねこれw」
ローズマリナ「…ふ、そうね」
ローズマリナは思いました
幸あれば不幸もある
今はこの幸を噛み締めて生きていくと
ザ・オール~氷雪の薔薇姫~ @oyntheomega
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